表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学3年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1095/1409

◯◯ハラの少ない職業・・・多分

「修行はどんな感じですか?」

お土産に北海道のチョコやら芋饅頭やらを持ってきてくれた怜子さんにそっと尋ねる。


兄貴は母親に言われてお茶の準備を手伝っている。父は何やら午前中は用があって出て行ってまだ帰っていないので、丁度いい感じに2人きりになれたのだ。


どうやら母は本格的に兄貴にせめて家事の半分は出来るよう色々と教え込む気らしい。

今まではのらりくらりと家事を教えようとする母を躱してきていた兄貴が、意外な事にどう言う心境なのか大人しく母の教えを受けている。


去年でも結婚を考えていた筈なのに教わる姿勢は無かったから、やっぱ聖子さんが絶大な効果を発しているのかな?

それとも怜子さんが自分がなれなかった退魔師になると言う事で何か変わったのだろうか?


別にIT業界でフリーランスしていようが、退魔師として働こうが男が家事を半分請け負うべきなのは変わらないと思うけどね〜。

と言うか、退魔師の方が依頼に出張っている時以外はフリーな時間が多いんだから、却って家事を請け負って貰わなくても大丈夫なぐらいだと思うんだが。


折角態度を改めているんで、何も言う気はないけど。


「中々大変ですけど、やっぱり魔法が使えるって楽しいですね〜!

新しい術を覚えるごとに、ワクワクします。

まあ、現実では悪霊祓いに必要ない術も多いんですけど。

昔の術って戦闘用っぽいのが多いんですが、妖怪とかが本当にいたんですかね?」

にっこり笑いながら答えた怜子さんだが、最後の方でちょっと首を傾げていた。


「昔は悪霊とか妖怪が起こしたと思われていた事件が、実は賊がやっていたってことも多かったのでは?

お陰で物理的な相手と戦う事も多かったんじゃないかと思いますね〜。

今は警察とかが先にそう言うのを調べますし、退魔協会も依頼を退魔師に回す前にちゃんと調査して本当に悪霊もしくは呪詛関連が引き起こした事象であると確認しているので、人間相手に戦う羽目になることは殆どないと思いますよ」

まあ、呪詛を祓おうとしたら呪いをかけた犯人に襲われる可能性はあるけど。


「ああ、成程。

昔だったら説明ができないことは全部悪霊や物怪のせいってなって退魔師が呼ばれたものの、実は人間がやってたって事が多かったかもって事ですか」

怜子さんが大きく頷いた。


「私の想像なだけなので本当に妖怪がもっと居た可能性もゼロでは無いですけどね。

ちなみに、退魔師の仕事って案外と人の悪意に触れる事が多いんですが、大丈夫ですか?」

呪詛にせよ、悪霊にせよ、根底には悪意があるからね。


まあ、風系の術師だったら悪霊の嘆きや恨みをしっかりとは聞きとれないかもだけど。


「フリーランスで仕事をしていると、『この値段でやってくれたら次からも仕事を回すから』とか言って赤字レベルな値段で仕事をやらせようとする依頼人や、最初の仕事はちゃんと払ってまともだと思ったら次の仕事をやったら成果物を持ち逃げされて支払って貰えなかったり、特に会う必要が無い筈なのに『直接会って人なりを見ないことには信頼して仕事を任せられない』とか言って呼び出した挙句にセクハラ紛いに触れてきたり、ひどい場合はラブホに連れ込もうとするような担当者も居ますからね〜。

そう言うのがまず無くて、しかも今より時間効率のいい仕事に就けんですから、万々歳ですよ」

嬉しそうに怜子さんが言った。


うわぁ。

フリーランスって大変なんだね。

私も碧に会わずに1人で適当に仕事をやって生きていこうとしていたらそんな目に遭っていたかもしれないと思うと、マジで碧に出会えてラッキーだったわぁ。


前世でそこまで善行を積んだ記憶はないけど、よっぽどカルマ的には行いが良かったのかも?


まあ、取り敢えず。

怜子さんが退魔師の訓練を始めた事を後悔していないようで、良かった。


「そういえば、結婚や出産の時期に関して色々と兄と相談しているそうですが・・・聖子さんにも話を聞きました?

藤山一族は退魔師が多いので、出産したとか出産を考えている女性の退魔師もそれなりにいると思いますから、参考になるような事を教えてもらえるかも?」


聖子さん本人は結婚よりもスキー重視らしいが、それこそ美帆さんだって藤山家の一員だし。


ついでにセクハラ対策に関しても聞いておくと良いかもね。

碧も1人で仕事している時はちょっとセクハラ紛いっぽいアプローチを受けたらしいから、怜子さんも誰か相棒役を見つけた方がいいと思うし。


「そう言えば、そうなんでしたっけ。

今度聞いてみますね」

怜子さんが頷きながら言った。


まあ、取り敢えず兄貴とも退魔師に関して軋轢が生じている訳でも無いっぽいし、退魔師になる事自体も後悔していないようだから、マジで良かった・・・。


取り敢えず、個人生活的にどうなったのかな〜と気になっていた部分を年末前にすっきりさせたと言う事で、あまり山もオチもありませんでしたがこの章はこれで終わりにします。

明日は休みますが、明後日からまた宜しくお願いしますね〜。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
退魔協会からのパワハラは有りそうですけどね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ