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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学3年

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ちょっとドン引きかも

「じゃあ、魔力を込めたら普通のブロック塀とかを壊しやすいか試してみよう!」

境界門からの帰り道で、碧がホームセンターの駐車場に車を入れた。


「え?

店で壁の強度を確認させてもらうの?

壊しちゃったら不味く無い?」

と言うか、コンクリートブロックの強度確認って壊す事前提で試させてくれるの??


「いやいやいや。

店の壁を壊す訳じゃ無いって。

ここでブロックを買って、車の陰で叩き割れるか試して、終わったらここに回収して貰えば良いってだけ!

下手に持って帰るとコンクリートブロックって産業廃棄物扱いだから捨てるの大変なのよ〜」

碧が教えてくれた。


産業廃棄物扱い?!うわ、それは確かに面倒そう。

とは言え、ここで買ってここで壊して、ここに回収して貰うって・・・なんか微妙な心境になるなけどね。

一番効率的ではあるんだろうけど。


しっかし、コンクリートブロックが粗大ゴミですら捨てられないとは知らなかった。

そうなると、買ったホームセンターで不要になったのを引き取ってくれるならここで試すのが一番だよね。


「なんかお金が勿体無い気もするけど」

コンクリートブロックって幾らぐらいするんだろ?


「安物だったら2〜300円だから。

気軽に試しても良いでしょ。

まあ、買う前に店で引き取ってくれるか確認しておく方がいいけど」

碧が言った。


成程。

引き取り拒否するところもあるのか。

引き取るところはリサイクルの流れがある店なのかな?

そう考えると態々新品を壊すのに良心の咎めをあまり感じないで済む。


と言うか、コンクリートブロックを作り替えるとか撤去する予定の個人宅を見つけてそれを壊させて貰うのは現実問題として難しいしね。

撤去する予定がない人様のコンクリートブロックを壊す訳にはいかないし。


そんな事を考えていたら、店の人に質問しに行った碧がブロックを一つ手に帰ってきた。

お?

もう買ったんだ。

早!


「いらなくなったコンクリートブロックはそっちの奥の台に置いておいたら引き取ってくれるんだって」

ふむ。

じゃあまあ取り敢えず。

車で人目を遮るこちらで試してみるか。


「う〜ん。

手で思いっきり殴りつけたらがっつり痣になりそう。

後で治してね?」

碧に言いながら、ブロックの前に片膝をついて屈み込む。


「と言うか、今更だけどこんな事、やった事あるの?」

碧がふと聞いてくる。


「体に魔力を込めて強化するのは前世ではやった事があるね〜。

今世ではやってないけど」

実家ではコンクリートブロックを買ってくるついでも、割っちゃったとしてそれを処分する手段も無かったし。


「え、魔術師って体も鍛えなきゃいけなかったの??」

碧がちょっと驚いた様に聞いてきた。


「まあ、邪魔だから殺すって言うのは常にある選択肢だからね。

自己防衛の為に短剣の使い方とか体術とかを多少は習わされたわ」

まあ、私は相手に触れられれば昏倒させられるので、あまり真面目にはやらなかったけど。


意図的にサボるのは許されなかったから、やる気は無いながらも魔力を体に循環させて強化させる程度の事はマスターした。

今世ではやってないからあまり上手に出来ないかもだけど、普通の状態の時とどの程度違いが出るか、参考程度にでも分かれば良いや。


「そんじゃあまず、普通の状態〜」

山歩き用に一応と思って持ってきていた軍手を嵌めて、全力でコンクリートブロックを殴る。

痛い。

絶対に痣になったね〜。


「安物でも、やっぱ女性が殴る程度では割れないんだね」

特に変化がある様に見えないブロックを覗き込んで碧が言った。


「だね。

そんじゃあ次は魔力を腕に込めていきま〜す」

腕というか、全身に魔力を循環させての身体強化だね。

腕だけ強化して殴ると、腰とかの筋を痛めたりする事があるから。


「ふん!」

ぐしゃ!

あっさりとコンクリートブロックが拳の下で砕けた。


「・・・マジか〜。

コンクリートブロックって身体強化したらあっさり砕けるんだ・・・」

自分でやっておきながら、ちょっと引いた。

前世では多少だけ壊れるかな?っていう程度に強化されたゴーレムとか他の魔術師見習いとかを相手に練習したからなぁ。


あっちの素材だったら魔素が篭っているし、大体成人していれば殆ど誰でもある程度の身体強化ができる世界だったのだ。

考えてみたら、壁とか塀だって付与魔術でそれなりに実用性があるレベルまで強化されてたんだろうね。


とは言え。普通のコンクリートブロックがここまで脆い・・・と言うか、身体強化するとこんなに違いが出るとは思わなかったぞ。


「うわぁ・・・。

これって普通に境界門を囲って封鎖しても、全然ダメじゃない??」

碧がちょっと呆気に取られた様に言った。


「ちょっと、引かないでよ!

碧だって慣れれば同じことが出来るんだからね!」

私も実は自分でちょっとドン引いたけどさぁ。


だが、それはさておき。

こっちの世界の普通の素材って、こうやって確認してみると魔力で強化した存在からの攻撃にかなりダメじゃん。

ちょっとヤバくない??



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― 新着の感想 ―
コンクリートブロックの廃棄とかを業者に頼んでも 山奥に捨てに行ってそうですよね
おおー、身体強化出来たのか!?
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