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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学3年

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ミニなカバもどき

「はい、どうぞ。

ちなみになんだって境界門を潜って来たの?

違和感あったでしょうに」

寄って来た霊に魔力を与え、少ししっかりなった霊を魔力視でじっくり見る。


サイズ的には中型犬ぐらいだがやたらとデブい感じで足も短く、ミニチュアなカバっぽい?

カバみたいな体型ってあのサイズがあるからこそ肉食獣に襲われないで済んでるだろうに、中型犬サイズでこんな鈍臭そうな体型じゃあどうやって生き延びるんだろ?

どちらの前世でも見た事が無い生き物だから、ここの境界門は知らない世界と繋がっているみたいだね。


『キバグチに群れが襲われ、皆で逃げていた時にメス達を逃すために囮になって横に逸れた際にうっかり追い込まれたんじゃ。

あの牙にガブリとやられるよりはまだ生き残る可能性があるかと思って飛び込んでみたが、空気が薄いと言うか寒いと言うか、身動きも出来ん程に魔素が無くって体が直ぐに重くて動けなくなり、そのまま眠くなって寝たら・・・目覚めたら体から離れておった』

ミニなカバもどきが教えてくれた。


ここに開いた境界門はかなり魔素が濃い世界と繋がっているんかな?

このサイズで魔素が薄過ぎて直ぐに動けなくなるなんて、以前ランクアップ試験の時に会ったフェンリル(正確には渡界して来たフェンリルの子だったけど)の世界よりも魔素が濃いところから来たっぽい。


もしくは体の重量を水じゃ無くて魔力で浮かせて動くタイプの生き物なのかも。

「ちなみにそのキバグチとやらはこっちの世界に来てないの?」

ミニカバもどきに尋ねる。


魔力の補助なくても動けるような肉食獣(魔物かも)がこっちに来て動き回っていたら、大問題だ。


『多分?

まあ、儂が眠りについた後に来て目覚める前に儂の体を食べてどっかに行ったのだったら知らんが』

カバもどきが答えた。


このカバもどきを食べて魔素を補充していたら、そのキバグチとやらはこっちの魔素が薄い世界でもまだ生き延びている可能性はあるかも?

境界門の所まで行って足跡を確認すべきか。


「ちなみにそのキバグチってどんな見た目なの?」

飛行型だったら足跡なんてないからね。

まあ、魔素がある世界の飛行型だったら魔力を飛行の補助に使っている可能性が高いから、この世界じゃあ浮遊するのにも不自由して長生きできないだろうけど。


『ぐわっと口の大きい4本足の魔物じゃ』

いや、襲われている最中だったら口って大きく見えるだろうし、そうなると実質単に4本足ってだけで特徴として全く役に立たないよ??

とは言え、違う世界の生き物の語彙なんて、あまり説明には役に立たないもんね。

追加で魔力を提供して少し記憶を見せて貰ったところ、ワニっぽい感じな生き物だった。


マジでこのカバもどきって水辺の動物だったのかな?

まあ、水の中ではカバっぽい体型もプラス面があるからこそ地球でもカバがそれなりに栄えてきたんだろう。


そんでもってサイズで周囲の肉食獣を圧倒する事で生存するのではなく、魔力で地上での動きを補助する事で中型犬サイズでの生き残りの道を見つけたのかな?


となると。

あの蛭モドキも湿った水辺っぽい所じゃないとさっさと死ぬかもだね。


つうか、このカバもどきに何匹蛭がついて来たかが問題だよねぇ。


まあ、取り敢えずワニっぽい魔物だったら足跡は確実に残っているだろうから、境界門を通って来たなら分かるだろう。


「ちなみに貴方がこっちに来て、死んで、意識が覚めてから境界門を通って来た生き物はいた?」

カバもどきより先に通った生き物がいた場合はどうしようも無いが。


『他にあそこを通った存在は見ていないな。

あの変な力を感じる穴は通ったら二度と帰って来ないと言うのは皆知っているから、確実に死ぬと分かっている状況以外で通ってくる愚か者なんぞそうおらんじゃろ』

カバもどきが答えた。


いやぁ、異世界に行くんだ〜!と自分から自発的に婚約者まで巻き込んで飛び込んで行くバカもこっちの世界にはいるんだけどねぇ。


ある意味、『思考力』があるとより馬鹿な行動をするのかも。


「ちなみに、貴方の体って多分蛭がついていたんだと思うんだけど、何匹ぐらい一緒にこっちに来たか、分かったり・・・する?」


『あれは泥に転がってちょくちょく落とすんじゃが、いつも何匹かは残るからの。

知らん』

だよね〜。


取り敢えず、碧の方の探索に希望を託すか。

カバもどきに1匹付いて来ただけだったら、ここの環境に適応出来ちゃうかもな虫っぽいのはあまり沢山来てないだろう。

大量に来てたら・・・退魔協会に対処を丸投げしよう、


「ありがと。

昇天したいなら手伝うけど、どうしたい?」

カバもどきに尋ねる。


動物の霊ってそれ程彷徨っているのも昇天するのも気にしない事が多いけど、異世界で寂しいならさっさと送ってあげるよ?


『もう少し適当に辺りを見て回るから、構わん。

どうせ魔力が尽きたら消えるじゃろ』

カバもどきが答えた。


異世界の浮遊霊だと存在に必要な魔素の量が多いんかね?


まあ、来年にでもまた見に来て、どうなっているか確認したらいいかな?



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― 新着の感想 ―
コビトカバの祖先だったりして
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