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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学3年

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蛭もどき

刈谷さんから必要事項の聞き取りが終わり、お布施(笑)を受け取ってからは色々とペットのアクシデントあるある話をして時間を潰していたら、やがて碧がハンター君をリードで連れて歩いてきた。


へぇ、毛布で見えてなかったけど、その足に絡まり首輪ごと引き上げたって言うリードは付けっぱなしだったんだ?

まあ、考えてみたら行きはまだしも帰りに元気になってたら、リードが無いと走り出して見知らぬ街中で脱走しちゃったりしたら不味いよね。


まあ、猫と違って犬は飼い主の元に戻ってくるという話も偶にはあるが・・・刈谷さんに貰った住所は地下鉄で20分ぐらいかかる距離だし、車でここに来たんだからうっかり迷子になったら帰れなくなりそうだ。

それとも車も匂いを辿れるのかな?

車道をクンクン嗅ぎながら進むのは危険すぎると思うが。


「あ、刈谷さん。ハンター君は元気になりましたよ。

足は骨折では無く脱臼だったんで、暫くは多少びっこを引くかも知れませんが一応歩けます。

多分痛みがあるうちは自分でも走ろうとはしないと思いますが、数日は走らせない様にして下さい。

ちなみに・・・ちょっと珍しいタイプのマダニがついていたので排除しておきましたが、知り合いが色々と研究をしている者がいるのでどこで怪我をしたのか、正確な場所を教えてもらって良いですか?」

ハンター君のリードを刈谷さんに渡した碧がバッグからタブレットを取り出してマップアプリを立ち上げて刈谷さんの方へ差し出しながら言った。


「ああ〜、良かった、ぐったりしてたからもうダメかと思ったのよぉぉぉ〜〜〜!」

そんな碧に気付かず(多分)、刈谷さんはしゃがみ込んでハンター君を撫でまわし、ハンター君からベロベロと顔を舐められまくっている。


うわぁ。

犬のよだれがべっとり付いてるよ?!


赤ちゃんの涎が垂れて自分の服につけられるのも微妙だが、犬の涎は更に嫌かも。

その点、猫は舐められてもザラザラとちょっと痛いけど涎は殆どないんだよね。


まあ、愛情とウエットティッシュがあれば涎も気にならないんだろう。


暫し再会と回復を喜んだ後、バッグからウェットティッシュを取り出して涎を拭き取った刈谷さんが碧の差し出したタブレットを覗き込んだ。


「え〜と、こちらの方にドライブに行って、こっちの道に入ってここへ駐車してこっちに歩いて行ったから・・・落ちそうになったのは小さな崖っぽい落差がある場所なんですけど・・・ここら辺ですかね?」

微妙に自信無さげに地図の上で自分の動いた場所を示してくれた。


「ちなみに刈谷さんはスマートウォッチとかスマートフォンで毎日歩数を測ってポイントゲットみたいな事をしてませんか?

あれってGPSをオンにしていると歩いたルートを記録してくれますよね?

正確性はちょっといい加減ですが」

スマートウォッチよりも、スマホのググる社健康アプリがそれなりに見やすい記録をキープしてくれる。


まあ、私の場合は最近は中国製スマートウォッチの『情報抜き取るぜ圧』が怖くなって、基本的に日中はGPSをオフにしているんだけど。刈谷さんが気にしないタイプでGPSをつけっぱなしだったら、それなりに正確に散歩で行った場所が分かるはず。


「ああ!

そう言えば、ハンターとの散歩の距離とかカロリー消費量チェックにスマホで記録してますね!

これです」

刈谷さんが携帯を取り出してアプリを立ち上げて碧に見せた。


文明の利器って色々と怖いけど、便利でもあるよねぇ。


「ちょっとこの画面のスクショを撮っていいですか?」

碧が尋ね、承諾を貰って写真を撮り・・・刈谷さんは碧にお礼を言いまくってから帰って行った。


「で?

なんだったの?

マダニ研究家が知り合いに居るとは思わなかった」

まあ、碧の知り合い全部を私が知っている訳じゃ無いけどさ。


「あの子、道からどっか下へ落ちかけて慌てててリードで引っ張られたせいで首がちょっと鞭打ちっぽくなっていたのも事実だけど、ああもグッタリしていたのって白龍さまが教えてくれた異世界の蛭もどきに喰らいつかれてたからだった。

多分、その散歩で行った先に境界門が開いてる」

碧が言った。


ええ??

マジかぁ。


境界門って誰かがうっかり通っちゃったら神隠しだし、何かがこっちに来たら危険な可能性もあるしで、面倒な事になりかねないんだよねぇ。

しかも、先日の一般人が使える符の事件のせいで聖域に対する関心が高まっているから、場所によっては退魔協会が確保したがるかも。


と言うか。

「考えてみたら、それって誰か個人がその土地を買って境界門を自分用に色々実験したりって出来ちゃう訳?」

以前だったらそんな事を考える人間は少なかっただろうが、符を作る素材次第で金になると思ってやりたがる人間が今だったらいるかも。


下手に退魔協会に情報を流すと、その際に誰に話すか次第では幹部とか受付の誰かが勝手にインサイダー取引っぽく先に買っちゃいそう。


こう言うインサイダー取引に関して法規制は無さそうだけど、犬をぐったりさせる様な蛭もどきが出てくる境界門って、ちょっと危険じゃ無い?



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― 新着の感想 ―
異界の蛭と言えばクトゥルー神話を連想してしまいます まさか邪神のいる世界!?
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