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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学3年

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感謝すべき?

織絵ちゃんの父親である高階昌たかしなまさるは退魔協会と警官の説得で能力の検査には合意した。遠藤氏の言葉のニュアンスから察するに大分と渋々合意したっぽいが・・・単に傲慢だから検査をされると言う事自体が不快なのか、それとも能力を使っているからなのか、微妙だ。


まあ、人の意思に影響を与えられる能力を持っているかもなんて言われたら、自分が言葉を尽くして行った説得が実は能力を使った力技だったのか??と不安になっても不思議はない。

ちゃんと訓練していれば『うっかり力を使う』とか、『力を使ったかどうかも分からない』なんて事はないが、素人じゃねぇ。


説得の成功率が高くても、単に口が上手いだけの可能性もあるし。

と言うか、政治家だったら口が上手くなきゃダメでしょ。


それはさておき。

自分の事務所や自宅に怪しげな人は招きたく無いと言われ、警察署は嫌がられ、退魔協会まで出てくるのも時間が無いとごねられた結果、検査は区役所で行う事になった。

しかも高階昌は自分の選挙区内の区役所は困るとクレームをつけたらしいので、織絵ちゃんのマンションがある地域の区役所で検査をやる事になった。


・・・離婚した織絵ちゃんママが夫の選挙区から敢えて離れた住処を選んだのって、考えてみたらちょっと意味深だよね。

まあ、単に通勤や通学に都合が良い場所を選んだだけかもだけど。

それに考えてみたら、選挙のたびに前夫の名前を連呼する選挙カーが近くを通るのは嫌か。

通勤途中に駅前で演説してる前夫と目が合っちゃったりしたら気不味いだろうし。


と言う事で私たちにとっても家の最寄りの区役所と言う事になったので、現地集合をお願いした。

前もって教わっていた不動産関係のフロアに行き、職員の人に会議室へ案内される。

「まだ他の方はいらしていないので、お待ち下さい」


職員さんはそう言ってさっさと立ち去ってしまった。

どうやら区役所でやると言っても、立ち会いまではしないらしい。


「考えてみたら、区役所に来たのって引越しの手続きをしていらいかな?

これからはマイナンバーカードで色々とオンラインで出来るようになるらしいから、ますます縁が無くなりそう」

周りを見回しながら碧が言う。


「なんかさぁ、成人したから選挙で投票とかもしなきゃいけないしと思って実家からこっちに住民票を移したけど、私らのマンションって駅前付近と選挙区が違うじゃん?

お陰で駅のそばに行った際に立候補した人が何だかんだ叫んでいても、関係ないんだよねぇ。

家の前の通りが区境なせいで隣区の選挙カーが頻繁に通るしで、かなりムカつく」

候補者の一覧みたいのが印刷された新聞っぽい紙は選挙前に郵便受けに入るんで、それだけはマシだけど結局今まで殆ど自分が投票する政治家の声を実際に聞いた事はないんだよねぇ。


区割りの端っこの方に住んでいる事が特に不便だと思った事は特には無かったんだけど、マジで選挙期間中はムカつく事が多い。

朝から非現実的で能天気な減税の約束ばかりしている政治家の声を聞くのも嫌だが、そいつのライバル候補に投票してやる!と考える事すら出来ないのは更に腹が立つ。


時々、あまりにも頭の中がお花畑な主張をしている政治家がいると生卵でも投げつけてやりたくなるけど、練習不足で外して関係ない人に被害がいきそうだし、ちゃんと当たったら当たったで選挙妨害ってことで警察に捕まりそうだからやらないけど。


考えてみたら、微小ながらも雷撃系な魔力も使える身になったのだ。

うるさいアホな候補者のマイクを壊したり出来ないかな?


そんな不穏なことを考えていたら、会議室のドアが開き、遠藤氏と壮年の男性が現れた。


おや?

能力検査の場合って退魔協会の職員も立ち会うんだ?

それとも煩そうな政治家だから特別扱いなのかね?


「おはようございます」

「おはようございます、沖田さん」

碧と立ち上がって挨拶する。

どうやらこの壮年の男性と碧は知り合いらしい。


「やあ、藤山さんが立会人なのか。

まあ、政治家らしいからそれが無難だろうね」

何か一人で勝手に納得しながら沖田氏が我々の挨拶に頷いてみせた。


なんかこう・・・ちょっと上から目線だね。

先ずはおはようと挨拶を返すべきじゃないの?


「おはようございます。

沖田さん、藤山さんはご存知ですよね。

こちらは藤山さんと一緒にペアを組んで働いておられる長谷川さんです。

長谷川さん、こちらは退魔師の沖田さんです」

遠藤氏がお互いを紹介してくれた。


「よろしくお願いします」

碧としか働くつもりが無いので私としては別によろしくして貰わなくても良いのだが、ここは社交辞令としてそう返すべきだろう。


「ああ、よろしく。

藤山さんと働けるなんてこの上ない幸運なんだ、頑張りたまえ」

鷹揚に頷かれた沖田氏からまたもや上から目線な言葉をかけられた。


なんかさぁ。

・・・なんなの、このおっさん??

確かに、白龍さまの愛し子である碧はいざとなればめっちゃ強力な存在だし、私も白龍さまのお陰で色々と助かっている。


だから対等だと思うのは烏滸がましいかも知れないけど、碧は対等な友人的な関係を望んでいるんだし、私だってそれなりに仕事で貢献している。


無関係な沖田氏に上から目線で感謝しろと指示される謂れはないよね??



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― 新着の感想 ―
>なんなの、このおっさん?  まあ知らない人から見たら碧さんのオマケみたいに見えるのは仕方ないでしょうね
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