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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学3年

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データベース化してくれ

結局、私たちが興信所に調べた様な振りをしても実際には依頼しないのだし、通りすがりの赤の他人に関してお金を出して興信所を雇うのは怪しいかな?と言う事で、『駅前で募金活動をしている少女が能力持ちかもしれない』とだけ退魔協会の遠藤氏に連絡した。

そんでもって向こうの調査結果を待っている間に、能力持ちな事が発覚もしくは疑われた場合の検査義務と、封印や弟子入りに関する規定を碧に解説してもらいながら読んでみた。


その結果、規定を纏めてみると。

(1)日本国内で誰かが能力を違法に使った、若しくは使ったと疑われる場合、国と退魔協会にはその人物へ検査を受ける様に強制する権限がある。


(2)誰かに能力があると確定した場合でも、違法行為を行ったと確認できない場合は本人の同意なしに能力の封印は出来ない。ただし、封印を拒否して後で問題を起こした場合は退魔師が意図的に能力を悪用したのと同じ厳罰を処される。


(3)能力を悪用したと疑える状況でない場合においては潜在的能力者が協力を拒否した場合は検査を強制できないが、正式に拒否した時点以降は能力の所持を本人が自覚していると推定され、問題を起こした場合は上の(2)と以下同文。


(4)前科持ちだと制約を受ける職業に就いている、もしくは就こうとしている人物に対して国は能力の確認検査を要求できる。


(5)能力検査の結果は本人が能力に関連する問題を起こさない限り退魔協会内でも機密事項とされ、それを利用して勧誘等をする事は許されない。


と言った感じだった。

(5)に関しては退魔協会内では情報がズブズブに漏れてそうな気がするけどね〜。

まあ、退魔協会のメンバーである一般的な退魔師からの情報開示要求を拒否する為の規定なのかも?


それはさておき。

つまり、織絵ちゃんに関しては能力検査を強制することも問答無用で封印か弟子入りを迫ることも建前上は出来ないけど、この後は推定有罪的な扱いになるんで諦めて検査を受けて封印するなり使い方を学ぶなりした方が無難と言う感じだね。


一応、能力があると知らなくて何とはなしに『こうなれば良いのに』的に願ってそれが実現しちゃった場合、捕まった最初の案件では初犯としてそれ程厳しくは罰せられないようだ。

鈴木絵里なんかは捕まったのは初めてだけど、父親とのメールのやり取りで自分の能力をしっかり自覚していたし父親に資料を貰って独学で鍛えていたから例外的に退魔師と同じ扱いになったけど。


「因みにこれって血族に能力持ちが居たから調べたいって言うのは『潜在的能力者』に当て嵌まるの?」

やっと該当部分を頭の中で整理しおわって碧に尋ねる。


「一応ね〜。

まあ、物理的証拠が殆ど無い現象だから、ある意味言い掛かりに近い疑いでも検査を迫る事はあるって話だし」

碧が肩を竦めながら教えてくれた。


「そっか。

でもまあ、声に力がある歌手なんかは退魔協会から検査を求められても断ったり、能力がある事が判明しても封印を拒否するのも可能なんだね。

・・・これって封印を拒否したからって、退魔協会から暴発する様に意図的に追い込まれたりはしないよね?」

ある意味、ちゃんと鍛錬して業界の規制に従うんじゃ無い限り危険だと見做して問答無用で封印するって出来ないなら、退魔協会に態々知らせた意味が無いかもだけど・・・やっぱ意思誘導ができる様な人を野放しにするのは怖いからねぇ。

能力の有無をしっかり調べ、今後の能力の使用に関して警告する方が無難だろう。


包丁を使う人がそれで誰かを傷付ける事は滅多に無いのと同じで、能力があったからってそれを悪用するとは限らないが、能力って常に身近にあるからねぇ。

常に手に包丁を持っていてどんな時でもそれを手放せない状態で毎日を過ごしている様なものなのだから、ストレスが溜まった時とか誰かと喧嘩した際にうっかり手にある武器で攻撃(もしくは反撃)しちゃうリスクは無視できない。


それに目に見えないし証拠が残らない道具は・・・つい『こっそり今回だけ』って感じにズルをするのに使ってしまう可能性が高いと思うんだよねぇ。


出来ると思っていなければそう言う誘惑が無いから、能力があるかもって知らせちゃうのも誘惑を増やしちゃうからやらない方が良いとも言えるんだけど。能力ってストレスが溜まったり近くに能力者がいたりすると誘発されてうっかり使いかねないからね。

やっぱしっかり調べて、使う気がないなら封印する方が無難だ。


ただ、声関連の能力だけはマジで歌手とか政治家になりたいなら便利な道具だから、封印を強制する様な状況になったら申し訳ない気もする。


クルミに日常生活を追わせているところでは、織絵ちゃんが軽音部とかコーラス部とか演劇部に入っている様子はないんでそれは幸いだけどね。


政治家な父親がそんな趣味は許さん!って言ってただけで実は本人は興味がある可能性もゼロでは無いけど。


「ところで。

この規則とか関連法令とかってデータベース化してないの?もっと簡単に検索できる様にして欲しいんだけど〜」

退魔師とか退魔協会関連の法令って何故かネットで検索しても出てこないんだよねぇ。

このクソ分厚い規定集を自力で1ページずつスキャンして自前でデータベース化する気力は無いが、全て読み込むのも、読んだのを覚えておくのも無理〜・・・。


碧は質問したらそこそこなんでも知っているけど、どうやって身に付けたの?!?!


「2、3年前からアプリ化する話は出てるけど、実現にはまだまだ時間がかかるんじゃないかな〜。

幹部のジジイ達が、『我々選ばれた人間の責務の重さを実感する為にも、重さのある本の方が良い』とか何とか余計な事を言ってるらしくって」

碧が苦笑しながら言った。


おいおい。

選ばれたって言ったって、幹部連中なんて偉そうにする権利だけ享受して責任なんて二の次だろうに。

凶器になりそうな規則集なんて非効率!!



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