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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学3年

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実は単純な仕掛けだった?!

「え〜とね、退魔師の術って基本的に悪霊を祓ったり、呪詛を返したりするのがメインなんだけど、どんな術が使えるかの適性にはそれなりに個人差があるし、それこそ火の玉をぶつけたら悪霊だけでなく人間でも撃退出来るのと同じで、悪霊に言うことを聞かせて説得できる術で人間もちょっと強制的に『説得』出来ちゃう術も幾つか存在するの。

生前の心残りに捉われて同じことを繰り返す傾向が強い死霊に比べて、日々変わっていく生きた人間だと変な説得もどきな洗脳みたいのは解けやすいんだけど、例えば名前も見た目も住んでいる場所も同じ2人の女性を誤認させる様な術って言うのはラノベにある乙女ゲーム系の話に出てくる様な全然違う女性が婚約者のいる男性を虜にする様な魅了の術よりもずっと省エネなんだって」


呆然としている脩さんに冷たい麦茶を取り敢えず一杯飲ませ、現在わかっている事の説明を碧が被害者2人に始める。


こう言われてみると・・・悪霊の説得ってもしかして黒魔術師の適性持ちしか出来なかったりするの??

まあ、言葉で説得するのは誰でも出来なくはないんだろうけど、無理やり言うことを聞かせるのは黒魔術師の適性持ちにしか出来ないのかも。

前世では悪霊よりも生きた人間相手に色々やらされる事が多かったから、あまりそこら辺は意識したことが無かったわ。


白魔術師は力を使うと基本的にデフォで浄化させちゃうからそれ程苦労しないんだろうけど、元素系の退魔師は霊力で無理やり悪霊を消滅させる感じなのかも?

だとすると一番魔力効率は悪そうだ。


昔は悪霊かと思ったら生きた人間だったって事で野盗狩りとかも含まれていたせいで退魔師って元素系の方が強いと見做されて優遇されていたらしいけど、だとしたら日本の退魔協会ってある意味悪霊退治に関してはかなり効率が悪そうだ。


しかも白魔術師は医療機関に取られがちだし。


退魔の依頼を熟す人材が足りないのも当然なのかも。


それはさておき。

「確かに、言われてみたらエリって気持ち悪いぐらい絵梨花に似てるな。

あれって態となのか」

脩さんが呟いた。


「マンションの隣の部屋でボヤを起こしたり、私に光過敏に似た症状を起こすような呪詛を掛けたり、随分と大掛かりな事をしてない??

もしかして、脩ったら宝くじでも当てたの?

じゃなきゃ何か凄いお金になりそうな研究に関わっているとか?」

絵梨花さんが首を傾げながら尋ねた。


「絵梨花さんが携帯で脩さんに連絡取れなかったって言う話だから携帯になんか変なウィルスとかアプリを仕込んでいるかも知れないから、そう言う技術持ちの連中も雇っているかもだし、本当にそこそこ大掛かりっぽいのよねぇ。

狙いはそのエリって人を捕まえて確認しないと分からないけど、もしかしたら2人とも藤山家のとばっちりかも」

気不味そうに碧が言った。


「とばっちり?」

脩さんが顔を上げて尋ねる。


「誰かが白龍さまの聖域へのアクセスを狙っているのかもなの。

絵梨花さんの体調不良が起きた時ぐらいに、一般人でも使える符がネットで出回ったみたいなのよね〜。

それを作るのに聖域の素材が必要だって事で藤山家の親族になろうとして脩さんが狙われたのかもって疑っているんだけど」

碧が伝える。


なんかこう、随分と大掛かりな事をしたが、そこまでやる価値があるのかねぇと言う気もするけどね。


と言うか、周囲への迷惑を考慮してない手口は符をテロ攻撃にでも使うつもりなのかとも思わせるが、テロ攻撃をしたいなら普通に爆弾でも使えば良いだろうにとも思うんだよねぇ。


そうじゃなくても他にも聖域はあるんだし。


エリとやらから黒幕までちゃんと辿り着けると良いんだけど。


「聖域?

そんなの、俺と結婚したところで入る権利なんて貰えないだろうに。

ちょっと絵梨花の携帯を見せてくれないか?

どこの国のアプリが入っているのか、調べてみたい。

アプリじゃなかったらウィルスの有無を本格的に確認しなきゃだけど」

脩さんが絵梨花さんに手を伸ばして言った。


おや。

そう言う技術的な事に強いの?

今じゃあ日本のハイテク産業が必ずしも世界の先端を突っ走ってる訳じゃあないけど、脩さんの知識とかが狙われている可能性もゼロではないのかね?


そんな事を考えながら絵梨花さんの差し出した携帯を手に取った脩さんが、あっさり画面をアンロックして何か調べ始めた。


おいおい。

携帯電話の画面ロックの暗証コードは彼氏にも教えない方が良いんじゃない?

仲の良さの証明とも言えるかもだけど、ある意味近い人こそ関係が歪んだ時の危険性は大きいんだから、ある程度の距離とガードは必要だと思うなぁ。


「・・・俺の携帯番号の登録が間違ってる。

メッセージアプリでは俺のIDブロックされてるし。

もしかしたら、俺の方も似たような細工がされているのか??」

脩さんが自分の携帯を手に取ったが、電源は入れずにテーブルへ戻して先に絵梨花さんの携帯の登録を直し始めた。


しっかし・・・マジか〜。

確かに携帯で電話する時って連絡先とか通話履歴から相手を選ぶから、連絡先の登録番号を変えられていたら関係ない番号に電話しているのって気付かないよね。

ショートカット活用の弊害だなぁ。


絵梨花さんに呪詛を掛けられたのだ。

携帯も弄る機会があっても不思議はない。


まあ、ある意味やばいアプリやウィルスを仕込まれるよりは安心だけど・・・そんな簡単に誰かと連絡が取れなくなるなんて、ちょっと怖いかも。



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― 新着の感想 ―
懐に入り込んでしまえば、やり放題だった。。。
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