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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学3年

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あらら、物騒になってきた?

『近ごろ符の一般への販売が発覚して問題になっているのですが、白龍さまの聖域の素材管理はどの様に行われているのか、お伺いしても宜しいでしょうか?』

退魔協会の遠藤氏から電話が掛かってきたが、珍しく依頼とは関係のない話だった。


でも。

符の一般販売??


「符を作る用の和紙は退魔協会に登録している相手にしか売っていない筈ですが・・・そちらは分家の者が運営している会社が扱っていますので、連絡先を教えましょうか?」

碧がちょっと首を傾げながら応じた。


偶々私らが退魔協会に何かの用事で顔を出していた時に尋ねると言うのならまだしも、電話で聞くんだったらその和紙の製造会社へ直接電話すれば良いのにね。


退魔師としての事務所じゃないにしても、藤山家の分家なら退魔師が居そうだし、符用の和紙を製造販売している会社なら退魔協会とも取引があるだろうに。


『いえ、符用の和紙が流出しているのではなく、符そのものが一般に売られている様なのです。

霊力を流す代わりに霊力の籠った素材を使って起動させる方法を誰かが編み出したようでして』

遠藤氏が説明してくれた。


ああ〜。

つまり、私らがお守りの符の動力源に聖域の雑草を使っているのと似た様な感じに、他の符を動かすのに聖域の素材を使う事を思いついた人間がいたのか。


それにしたって碧ではなくて碧パパに聞けば良いのに。


「・・・白龍さまの鱗や爪レベルの素材が使われているんですか?」

一瞬考え込んだ碧が尋ねた。

そっか、そこら辺を確認したかったのか。


前世では基本的に誰でも魔道具を起動させる程度の魔力は持っていたから起動に態々魔石を使う魔道具は殆ど無かったが、ごく稀に先天的な異常で魔力を動かせない人とか、魔力を流し込もうとするとコントロール出来ずに暴発させちゃって魔道具を壊しちゃう人もいたから、魔石を魔法陣に触れさせることで魔力を流して起動させるタイプの魔道具も一応あった。


本体をそう言う特殊な人用にカスタムメイドしているのもあったが、大抵は手に持って自分の代わりに魔力を流すタイプの魔道具を使っていた筈。

それを考えると、弱い効果を常時起動させるタイプなお守りじゃなくてがっつり火が出たり水が出たりする魔道具っぽい符だって、動力源さえあれば魔力を自力で動かせない一般人が使える形に作成するのは不可能ではない。


とは言え、魔石がない現世だ。符に流し込んで保持させておける魔力には限りがあるし、そんな符に使う和紙はかなり高くつくと思うが。


白龍さまレベルの存在の素材を使ったら・・・めっちゃ凄い魔道具は作れそうだけどね。


つうか。

考えてみたら符の一般販売って違法なの?

医療関係の既存権力団体の圧力のせいで回復用の符の販売が制限されているって言うのは聞いたけど、普通の符はある意味現代技術で作れるバーナーなりポンプなりで代用できちゃうから、手品以外の使い道ってあまり無い気もするが。


『いえ、そこまで莫大な霊気が込められた符の販売は確認されていませんが、もっと一般的な符用の和紙の素材や霊石や霊木の管理に関してお伺いするついでに白龍さまの素材に関しても確認させて頂ければと思いまして』

遠藤氏の声が電話から流れてくる。

問題になる様な用途に符が売られているんだったら、白龍さま本体の素材がしっかり管理されているかはとっても気になる事だろうね。


「白龍さまから特別我々の家に譲られた物に関しては厳重に管理しています。

適当に落ちた古い爪や鱗は基本的に幻想界に戻った際に捨ててきて頂いてますね。

聖域にも多少は残っているでしょうが、あそこは白龍さまの結界が常時展開されているので認められた人間しか入れませんから勝手に持ち出しは出来ない筈です」

碧が答える。


へぇぇ。

鱗とか爪は基本的に幻想界に捨てて来てもらってるんだ?

まあ、あれがガンガン溜まっていったら権力者や退魔師にそれ目当てで絡まれそうだもんね。



その後もちょっと遠藤氏と碧がやり取りしているのを聞いたところ、取り敢えず現状では鉱石レベルの素材が使われているっぽい。

一度現物を見てみたいものだねぇ。


退魔協会がこうやって確認しているって事は何か一般販売で詐欺以外の問題が起きているんだろうから、今後は販売が規制されそうだけど。でも、自分で作って使う分には自由だろう。


・・・とは言っても、自分で作れる符や魔道具もどきって結局は自分の適性内の物だけだからなぁ。

魔力を流さなくても使える魔道具を作ったところで、自分で使う用途ってあまりないか。

精々が亜空間収納を利用したマジックバッグもどきな程度だけど、あれは既に小さいのは成功してるし。


誰か、爆破系の符でも作れる人間が爆弾テロに使える様な符を売り出したのかね?

でも、そんな符を作れる人間なんてそれなりに限られているんだろうから、そっちを辿れば良いだろうに。


それとも、退魔協会で退魔師用に売り出してある符を別の誰かが加工して一般人に使える方法を生み出しちゃったのかな?


そうなると色々と可能性が広がって面倒そうだね。考えてみたら雷撃とかの符を一般人が使えるようにしたら、色々と迷惑な破壊行為が出来ちゃいそうだし。


悪霊との戦闘用の符ってものによっては人間へも殺傷力があるから、武器を持ち込めない様に管理している場所での利用とかも危険か。

3Dプリンターで作ったプラスチックとか樹脂製の銃が金属探知機に引っ掛からないから危険だって話をどっかで見た気がするけど、薄っぺらい紙が武器になるんじゃあそれの持ち込み防止はほぼ絶望的だもんねぇ。



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>白龍さまの聖域の素材管理はどの様に行われているのか あれ、疑われてる?
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