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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

揺らめき移ろうものたち

鬼の酒

作者: 黒森 冬炎

さあ盃に飛び込んで

酒に溺れた痴れ者は

焼いて食おうか

煮て食おか


美女の差し出す赤き酒

啜り尽くした痴れ者は

焼いて食おうか

煮て食おか



世にも美味なる鬼の酒

秘して隠せるその宝酒(たからざけ)



その手には

黄金(こんじき)に輝く瓢箪が

艶めく姿を見せている


裂けんばかりのその口に

ぎらりと光る鬼の牙



酌めど尽きせぬ鬼の酒

秘して隠せるその宝酒



ああ盃に飛び込んで

いっそ溺れて果てようか

その香りこそ芳しき

世にも稀なる鬼の酒


ああ盃に溢れたる

澄んだ泉の如き酒

酌めど尽きせぬ鬼の酒

今宵宴の戯れに

浴びてみようか被ろうか



世にも妖しき鬼の酒

秘して隠せるその宝酒



さあ瓢箪をその手で(かし)

注ぎ込んだる痴れ者は

焼いて食おうか

煮て食おか


若衆の差し出す

(うま)し酒

(ねぶ)り尽くした痴れ者は

焼いて食おうか

煮て食おか



世にも仇なる鬼の酒

秘して隠せるその宝酒



赤く血走るその(まなこ)

もう何も見てはいまい

旅路の果てに辿り着く

鬼の宴のその席に

そのまま居流れ幾星霜


酌めや酌め酌め鬼の酒

秘して隠せるその宝酒


昨日書いて寝落ちした

起きたら腹痛

鬼の酒でも呑んじゃったかなあ

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― 新着の感想 ―
[良い点] まるで酒が胃の腑にしみいるように、心にじんわりと染み込んでいきました。 リズムが心地よい素敵な詩だと思います。
[良い点] まずはその心地よいリズムが詩の雰囲気をより一層引き出していて、怪しく蠱惑的な鬼の世界をさらに魅力的に描いているなぁと感動しました(^^♪ 鬼の世界にまぎれこんで、恐ろしさとその宝への欲望と…
[一言] 月夜に朗々と謳いたい、素敵な作品ですね。 鬼の宴を垣間見たようで、面白いです。 さあさ、一献。呑んだら悔恨。 ぺろりと鬼に食べられてしまいそうです。
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