鬼の酒
さあ盃に飛び込んで
酒に溺れた痴れ者は
焼いて食おうか
煮て食おか
美女の差し出す赤き酒
啜り尽くした痴れ者は
焼いて食おうか
煮て食おか
世にも美味なる鬼の酒
秘して隠せるその宝酒
その手には
黄金に輝く瓢箪が
艶めく姿を見せている
裂けんばかりのその口に
ぎらりと光る鬼の牙
酌めど尽きせぬ鬼の酒
秘して隠せるその宝酒
ああ盃に飛び込んで
いっそ溺れて果てようか
その香りこそ芳しき
世にも稀なる鬼の酒
ああ盃に溢れたる
澄んだ泉の如き酒
酌めど尽きせぬ鬼の酒
今宵宴の戯れに
浴びてみようか被ろうか
世にも妖しき鬼の酒
秘して隠せるその宝酒
さあ瓢箪をその手で傾げ
注ぎ込んだる痴れ者は
焼いて食おうか
煮て食おか
若衆の差し出す
美し酒
舐り尽くした痴れ者は
焼いて食おうか
煮て食おか
世にも仇なる鬼の酒
秘して隠せるその宝酒
赤く血走るその眼
もう何も見てはいまい
旅路の果てに辿り着く
鬼の宴のその席に
そのまま居流れ幾星霜
酌めや酌め酌め鬼の酒
秘して隠せるその宝酒
昨日書いて寝落ちした
起きたら腹痛
鬼の酒でも呑んじゃったかなあ