第3話
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TIME : 21XX/04/24 12:20:57
PLACE: 天界
DEAD : 2
KILL : 0
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「ちょ、ちょっと!何しているんですか!?生き返って早々自殺するなんて!」
「いや、不満が諸々あって」
「え!?だって丁寧に手紙書きましたよ?能力だってチート級ですし」
「それ。その能力ってのが、弱すぎるんだよ」
「弱い?何を言っているんですか!?『能力のコピー』、『能力の無効化』、『時間停止』は3大チート能力ですよ!」
「だってあれだろ?達人級の敵と対峙したら、能力コピーしても『同じ能力ならより長く使っている俺の方が強い』みたいな展開になって負けるだろ?」
「それはそうですけど…」
「それに、手紙には書いていなかったけど、どうせ制限とかもあるんだろ?」
「当然ありますけど、手紙には書かないですよ。こう、旅を続けていくうちに徐々に自分で見つけていって欲しいですから」
「Why?なんでだよ?一刻も早く魔王を倒して欲しいんだろ?」
「そうですね。あの世界の人達は困っていると思います」
「だったら、制限くらいさっさと教えてくれよ」
「わ、わかりました。制限は『①コピーする能力を五感で感知しないとコピーできない』、『②コピーできる時間は30分間』、『③1つの能力をコピーしている間は別の能力をコピーできない』の3つです」
「う〜ん、やっぱり弱いな。制限なしにしてくれないと使いたくないな」
「そんな!それは強過ぎますよ!」
「『①能力を使う対象が近付いた瞬間、能力をコピーできる』、『②コピーの時間は無制限』、『③複数の能力を同時にコピーできる』ぐらいじゃないと魔王には勝てないでしょ」
「そうですか?」
「ああ、そうだ。制限ありのスペックだと、魔王が単体で肉弾戦挑んできた時点でなすすべなく殺されるぞ、俺。せっかくチート能力を与えるならさ、もっと強いのにしてくれよ」
「そうですね、一理あるかもしれませんね。では、能力の制限は外しますので、次はちゃんと魔王を倒してきてくださいよ」
「あ、もう1回転生できるのね。ならさ、ついでに『能力の無効化』もつけといてよ」
「え、それってどういうことですか?」
「まあ、要はコピーじゃなくて能力を奪う感じだな。相手から能力を奪ってしまえば『同じ能力ならより長く使っている俺の方が強い』って言われる心配もないし」
「それは流石に…」
「この際だから、強くしとこう」
「…わ、わかりました。その代わり、次はちゃんと魔王を倒して来るんですよ!」
「はいはい」
こうして俺は再度転生するのであった。




