表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミキタビ始めました!  作者: feel
4章 決闘の街
121/293

軽食はどこからどこまでが軽食ですか 121


 ジャッジが勝敗を告げると、シャンシャンは腕の中で気を失っているクロアを抱きかかえたまま、戦闘場から観戦していた控室へと跳躍した。


「シャンシャン選手、ありがとうございます。クロア選手はこちらで責任をもって診させてもらいます」


 控室にはシャンシャンがクロアを連れて戻ってくるのが分かっていたようで、ジャッジの一人がクロアを迎えに来ていた。


「頼んだアル。足を攻撃したときに気を失わせたけど、トラウマになってると厄介ネ」


 シャンシャンはクロアをジャッジへと引き渡し、ジャッジはクロアを背中に乗せると控室を退室した。


「シャンシャン、お疲れ様です。オウジンは何か言ってましたか?」


「特にはないネ。久しぶりにヒイロと戦えると思ってるから、今はまだ落ち着いてたアル」


「それでも殺そうとしてたね…。どうせ捕まっても無理矢理出てこられるからって…」


 ロミオは戦闘場から背中を向けて去って行くオウジンの背中を忌々しく見つめる。


「あの人に取っては殺すことが当たり前ですからね…。頭を掴んだ時点で潰さなかったのは、おそらくアムリテさんとロミオさんの試合を見てイラつきが収まったからでしょう」


「どうしてそんなことが分かるアル?ただの気まぐれかも知れないネ」


 シャンシャンはソファに倒れるようにして座ると、確信を持って話すヒイロに問いかけた。


「…あの人と私は似ているので。あの人も戦いが好きなんですよ。自分が戦うのも他人の戦いを見るのも。だから、良い戦いを見た後は八つ当たりで殺すことがなくなるんです」


 ヒイロはずっと前のめりだった姿勢を治し、ソファに背中を預ける。机の上にはシャンシャンが入れたお茶があり、それを喉の奥へと流し込んだ。


「新しいのを入れるアル?」


「いえ、もうすぐリーナさんが買ってきてくれると思うので」


 起き上がろうとしたシャンシャンをヒイロは止めて、カップの中に入ったお茶を飲み干した。


「君はオウジンと確かに似ている」


 不意にロミオが口を開き、熟睡しているアムリテ以外の視線がロミオへと集まる。


「君はいつも戦いを楽しそうに見ているし、楽しそうに戦っている」


「私は自分で戦うのはあまり好きじゃないですよ」


「いいや、君は戦うのが好きだ。だが、似ているのはそこまでだ」


 ロミオの言葉にヒイロは困惑の表情を浮かべる。


「君が戦いを嫌う理由は相手を死に追いやることを強要されているからだ。王者という立場上、それは仕方のないことだ」


 ヒイロはその言葉が自分でも驚くほどに、すんなりと腑に落ちた。


「君も一人の少女として今回くらいは楽しんだらどうだい?幸いにも殺害は禁止されているのだし」


「……そうですね。今回はあまり考えないことにします」


 ヒイロが短い息を一息つくと、オウジンの試合前から控室を支配していた重々しい空気が消え去って行く。


 ちょうどその時に控室の扉がノックされた。


「お待たせ!何か美味しそうなのが売ってたから、皆さんの分も買ってきましたよ!早く食べましょう!」


 大量の袋を腕に抱え、両手には数本の飲み物を持ったリーナが控室へと戻ってきた。


「ちょ、リーナさん!どれだけ買ってるんですか!?」


「どれもこれもおいしそうで…。でも、これだけの人数だから食べきれるかなって!」


 リーナが買ってきた袋の中には決闘場や外の出店で売られている大量の料理が入っていた。


「お、僕もちょうどお腹が空いてたんだ。ごちそうになっても良いかい?」


「もちろんです!シャンシャンさんもジュリエットさんも遠慮しないでくださいね!」


「ありがとうアル!私はこの肉まんを貰うネ!」


「ありがとうね。私はそのピザを貰ってもいいかしら?」


 リーナは買ってきた料理を控室の大きな机に広げると、ロミオたちはそれらに手を伸ばし始めた。


「ほら、ヒイロ!このわたあめって言うのもふわふわしてて美味しそうだよ!」


「ふふふ、リーナさん、買ってくるのがバラバラすぎますよ!でも、貰います!」


 ヒイロはリーナが差し出すわたあめを受け取り、それを口にした。


「どう?どう!?笑っちゃうほどおいしい!?」


「ふふ、本当にこんな騒がしいのは初めてで…。笑っちゃうほど嬉しいです!」


 ヒイロが味の感想としてはおかしな返しをし、リーナがそれを笑う。


 そんな中。食べ物の匂いと選手たちの喧騒により、睡眠を妨害されたアムリテが起き上がった。


「人が寝てるのにうるさいのよ!あと、臭い!」


「あ、アムリテ起きたんだ!はい!これ気に入ってた飲み物と焼きそばっていうの!食べるでしょ!?」


 アムリテは肩を震わせながら、リーナから差し出される物を見つめると


「食べる!」



 最近は不安定な天気が続きますね。読者の皆さんも気を付けて下さい! 夏らしい夏が始まれば楽しいことはいっぱい来ると思いますので、もう少しの辛抱です!

 私は最近、麻雀を勧められたので無料のアプリで遊んでいます。最初は役というものが分からず、無役なのにツモとかロンができると思っていました。

 画面に表示される無役の意味も分かりませんでした...。

 でも、理解できると麻雀って楽しいですね!

 本編には何の関係もないあとがきでした!

 これからもミキタビをよろしくお願いいたします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ