2分の1
すこしグロいかもしれません(一応)
「御堂くん、とりあえず彼女を離れた場所へ」
「わ、わかりました…!」
真はかよを抱え、そのまま屋根の端へ後退し、かよをそっと横たえる。
「あの女、弱かったなぁ…。」
「お姉ちゃん…」
「分かってるって。油断せずに倒すって…」
不意をついて小野寺が殴りかかる。
その拳へ突き立てるように女の子は爪を繰り出す。
「っぶな! 返り討ちにしてやっ…!?」
小野寺の拳は発現させていた甲冑で女の子の爪を押し返し、腕ごと吹き飛ばしていた。
「…、お前……お前お前おまええええぇぇぇええ!!!!」
女の子は叫び声をあげ、残された左腕で斬り込む。
そこへ矢が飛び、女の子の肘を射抜く。
「…ちっ…。お前ら、うざい…せこい…死ね、死ね、、死ね死ね死ね死ね死ねえええええぇぇ!!!」
(なんだこいつ、急所が暴かれてるのに、両腕もまだ再生していないのに、なんでこんなに突っ込んでくるんだ…??)
歯をむき出しにして小野寺に突っ込む女の子を見て、真はそう感じた。
「何度でも殴り飛ばしてやるよ…!!!!」
開けた女の子の口へ小野寺が拳を振るい、再び頭を吹き飛ばす。
飛んできた勢いで、女の子の胴体が小野寺を通り越し、真の目の前まで来て倒れた。
「なんなんだ…。こいつは…。」
相変わらず女の子は、核があるはずの頭を吹き飛ばしても消えない。
(…、そういえば弟?がいたな…?)
男の子がいた場所に目をやると、そこにはいない。
(どこだ…!?)
辺りを見渡すと少し離れた場所からこちらをじっと見ている。
「君…! 君はお姉さんがやられても高みの見物かい? 助けようとは思わないのかい…?」
小野寺が思い切って聞いてみる。男の子は何も言わず、ただ少し口角を上げて笑っている。
(なんなんだあいつ…)
「小野寺さん!!」
その声を聞いて小野寺が真の方を見ると、女の子がほとんど再生し、真の方を見ている。
かよもほぼ同じタイミングで目を覚まし、真と隣合って女の子を睨みつける。
「ただいまー、やっぱりあんたらから殺すよ」
小野寺は再び再生したことに驚きつつ、ある仮説にたどり着く。
(こいつは不死身…? いや、男の子が距離をとっているのは…? もしかして…)
「御堂くん! そっち任せられるかな?」
小野寺は2人に向かって声をかける。
「勝てるかどうかを除けば、戦うことはできます…!」
小野寺は少し笑い、答える。
「勝つ以外にないだろう…。じゃあ、勝つという前提でそっちは任せる。私はあいつをやる。」
そういうと男の子を指さす。
「…へぇ、あんた、頭いいねぇ…。そっちは任せるよ!!!!」
女の子が男の子へ声をかける。
「お姉ちゃん…。」
男の子はうなずきながらそうつぶやいた。
小野寺は男の子の元へ飛び移る。
「やあ、私はこの学校の生徒会長をしていてね。この場所でこれ以上好き勝手されても困るんだ…。」
そう言い放つと男の子に殴りかかる。
男の子は爪を発現させ、先ほどの女の子と同じように拳へ爪を突き立てる。
「君は頭が悪いのかな…?」
小野寺は先ほどやったように拳をそのまま振り抜く。
男の子の手が吹き飛ばされる。
「まあ、お姉さんよりは……!?」
小野寺は左腕から血が滴っていることに気づいた。
そこには男の子の発現した爪が深く刺さっている。
「…っ!?」
男の子がそれを見て少し笑っている。
「…へぇ、頭が使えるとは…。感心したよ…。」
「…。」
再び爪を発現させ、小野寺を斬りつける。
「残念、それは効かないよ…!」
両腕に甲冑を発現してそれを防ぎつつ、小野寺は考えていた。
(…こいつ、さっきどうやって腕に刺した……?)
左腕が痺れる。早めにケリをつけねば…。
小野寺は、腕に突き刺さってはみ出した爪を引き抜き、投げ捨てる。そこから血が噴き出す。
「…痛いな…」
その瞬間、男の子が両腕に爪を発現させ突っ込んでくる。
「こいつ…!!」
小野寺はあわてて胴体に甲冑を発現させて防ぐ。
男の子は、間合いでくるりと身をひねり、甲冑のない脇を狙って爪を繰り出す。
「っ…!!」
小野寺は瞬時にその行動に気づき、身体を後ろへ反らすが、僅かに切られる。
そのまま後ろへ跳ぶと、小野寺は傷をちらっと見た。
(こいつ…甲冑の隙間を…)
「…。」
立て続けに男の子は突っ込んでくる。
(いつまでも受け身は…!!)
小野寺も左腕に甲冑を発現させ、顔に拳を突きだす。
男の子は爪をその拳に突き立てる。
「同じようにいくと…思うなよ…」
腕を横に向け、甲冑で爪を押し返す。
予想以上の威力だったのだろう、男の子は自分の力だけで自身の腕を吹き飛ばした。
「…マジか…」
小野寺は驚き、男の子を見る。
「…。」
男の子は、腕を無くして血が噴き出している右肩を見つめている。
(どうすれば…)
そのとき、透の矢が男の子の頭部を貫いた。
(透…!! ナイスだ…!!)
小野寺は真のほうを振り向き、叫んだ。
「御堂くん! 今だ…」
振り向くとそこには、全身から血を流し、刀で体重を支えて立つ真と、もはや捨て身で女の子へ突っ込んでいくかよの姿があった…。




