文化祭
すこしグロいかもしれません…(一応)
部活に少し顔を出し、博物館へ通う生活が繰り返され、夏休みが終了した。
この間、ほぼ全員が毎日博物館へ通っていた。それだけ見れば、なんて勉強熱心な学生なんだと思われる。
「いってぇ…身体が…」
「まこっち…」
一気に夏休み前の朝に戻された感じがした。
その日から始業式、通常授業なども始まっていったが、とくに妖は現れなかった。
時間が空くだけ訓練できるが、それはあちらも同じだろう。100%今までの妖よりも強いはずだ。
そうこうしているうちに、真たちの高校では文化祭の季節が近付いてきた。
「文化祭の準備とかあるしな…訓練来にくくなるな」
「うちの中学もそろそろあるよ! やっぱ同じくらいの時期なんだね」
訓練の方はというと、なんとあの時からほとんど変わっていない。相変わらず刀は重い、弓矢は放たれていない、くないもうまく刺さらない…。
「俺たち結構やってきたと思うんだが…。」
透がぼそっと呟く。
「…何がいけないんだろう…。」
之が咄嗟に口を開く。
「逆にさ、何か足りないとか? 武器を扱うのに必要な何かが出来てないとか…?」
3人がうなずく。
「たしかに…その考えはなかったな…。」
4人は沈黙の中、考えを巡らせる。
(刀は重くてうまく振れない…もっと筋力があればな…)
(弓矢…いてぇし指怪我する…)
(くないは投げれるけど…もっと強く正確に投げないと…)
(新しい戦略…私ばかだから…)
なにか根本に原因がないのか、4人はそれから考えるようにしたのだった…。
「うわー、、なんかみんなテンション高いなあ」
校舎には、文化祭のスローガンが書かれた横断幕がぶら下がっている。
“絶体絶命”らしい。
(だれだよこれ考えたの)
意味は、要するにうちの文化祭スゴすぎてやべえっていう意味合いらしい。
(この時期、不謹慎にもほどがあるぞ…)
いつもの4人はテンション低めでスローガンを見ながら登校していった。
「よーし! それでは文化祭、盛り上げていきましょう!!!」
生徒たちが自分たちのクラスへと戻り、準備する。
(文化祭ねぇ…)
真は模擬店で焼きそばを大量生産する係だ。
(これも訓練…!!)
真は筋力向上の件も踏まえ、自らその地獄へ飛び込んだのだった。
だんだんと人の数も増えてきた。昼時になると、真はフル回転で焼きそばを量産する。
「うああああぁぁぁあああああ!!!」
真の叫び声だけ聞くと、もはや何の店か分からない。
「真、交代しようか…?」
乙幡が、親友の苦しむ姿に心を痛め声をかける。
「いや! 俺はピークを乗り切ってやる…!!」
「お、おう…。じゃあピーク過ぎたら変わるってんなら?」
「…分かった。そんときは頼むわ…」
真はひたすらに焼きそばを炒めまくった。
(し、死ぬ…)
そして見事に、ピークのお昼時を越えた。
「真! お疲れ! あとは任せろ!」
「あ、ありがとうございます…」
真は冷たいジュースを手渡され、それを手に持ちながら出店から出た。
(す、すずしい…)
店の向かいの少し離れた場所に腰掛け、ジュースを飲む。きっと前までの真であれば途中で交代してもらったかもしれない。
(思ったより繁盛したなぁ…。)
真は気付いていなかったが、かよや進、小野寺も買ってくれていたようだった。スマホにメッセージが届いていた事で気が付いた。
(とりあえず、ちょっと…疲れたな…)
だんだんとまぶたが重くなる。
「おい、おい…? あれ、寝てるかも…。そうそう、こいつが…」
誰かの声で真は目を開けた。少しだけだが眠っていたようだ。
目の前には、部長、そして見知らぬ小学生の男の子と女の子が立っていた。
「…ん? 部長…? どうしたんですが…?」
小学生を気にしつつ、真は聞いてみた。
「なんかな、お前に用があるらしいよこの子たち。何かは知らんけども」
「ふーん…」
言葉をもらしながら小学生を見ると、とても顔が似た男の子と女の子がこちらを見ている。
男の子は表情を変えず、じっとこちらを見ている。女の子は、満面の笑みでこちらを見ている。
「…あの、俺になにか用…?」
「うん! あのね、もういい加減にして欲しいんだよね!」
「…え…?」
「これ以上、私たちを苦しめないでよ…! お前らのせいなんだから…!」
部長が困惑し、割って入る。
「え、何、この子…。何なの…、…っ……!!」
「!!!」
その瞬間、女の子は部長の首をはね飛ばした。
「うるせぇな…関係ねぇだろお前…」
早すぎた。そして真の身体は疲労が溜まっていたこともあり、瞬時に反応できなかった。
人通りもピークを過ぎており、文化祭のメインとなる場所からここは少し外れているため、まだだれも事態に気付いていない。
たまたま開きっぱなしだったチャットに、真はとっさに現在地を送信した。
首がはねられた部長の首から血が噴き出し、その場に崩れ落ちる。地面や壁に血しぶきがかかる。
「っ…!」
真は刀を発現させ、構える。ここ最近は本物の刀を振っていたからだろうか、以前は多少なりとも感じていた刀の重みがほとんどない。
「…お姉ちゃん…」
「おらぁあああぁああ!!!!」
真はまず女の子を狙い、刀を振り下ろした。驚くほど軽く感じる刀は、今までよりも格段に早く振り下ろすことが出来た。
「おー、なかなか早いね」
(防がれた…!? これは…)
女の子は今までの妖よりも薄く、幅の広い爪で真の刀を滑らせ、かわす。
そしてそのまま突っ込んでくる。
(…っ!!)
真は再び刀を発現させ、身体に突き刺した。
妖の爪が真の左肩に刺さる。
「ってぇ…!!!」
「…へぇ…反応は結構鋭いね…。うん…。肩切り落とせたと思ったけど、やっぱり普通の人間みたいにはいかないね…。」
(くそ…やっぱり核じゃないと意味無いか…。)
怪しげな目で真を覗きみる女の子。距離をとらなければ…。だが、爪が食い込んで離れない。
(…!! もう1人いる…!!!!)
もう1人男の子がいたことを忘れていた。
(離れないと…!)
そう思った瞬間、女の子の顔が殴られ、頭が吹き飛ばされた。
「仲間から離れろ…」




