3月、それは…。
この世界、とくにこの国では3月というのは特別な意味を持つ期間らしい。
春、4月からの新生活に合わせて今まで築いてきた物を終わらし、壊し、リセットする「儀式」をおこなう大切な時期。それをある特定の条件が揃った人は間髪入れず、拒否権を行使しても秒で却下され、泣こうがわめこうが時間という支配者がその人に強制的に執行するらしいんだ。
そんでその条件っていうのも人によってバラバラで相手によって決められたり、はたまた自分で決めたりするらしいんだけど私にはよく分からない。
だって相手に決められたのならとにかく自分で決めたんならわざわざ「儀式」をして悲しくなって泣く必要ないじゃん、そうだよね?
自分で決めたことなんだから責任を持たなくちゃね?
そうだよね?
私は今までいろんな人達を見てきた。いろんな欲望を見てきた。
想像通りのことをする人もいれば想像以上のこともする人もいた。
だけど今もいまいち人のことを理解できないんだよね~?
だから私は決めたんだ、これで最後、終わりにする。
人の世界にいる以上そこのルールに従わなきゃいけないよね?そんなことどっかで聞いたことがある。
私もその言葉に習って「儀式」に自分から参加すれば悲しくなる気持ちが分かるかもしれない、人の感情が分かるかもしれない。
何かが変わるかもしれない。
だからこれで最後だよ、私が人に欲しいものをあげるのも、別の世界に連れていってあげるのも。
最後は派手までとはいかないけどきっと面白いことになるはずだよ。だって私が最後に会う人はね、今までとはちょっぴり違うっぽいんだ。
私は楽しみだよ~、最後に何が欲しいって言うのか?最期はいったいどうなるのか?
会う前からワクワクとドキドキが止まらない!
今は3月、出会いと始まりのための別れと終わりの季節。