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私流のまちづくり①

グイードさんと話をして二日後、私はグレアムさんに頼んで作ってもらった場所に馬車に乗って向かっていた。


「お嬢さま、御機嫌はいかがですか?」


「大丈夫よ、少し疲れてるだけグレアムさんは大丈夫なの?」


「ありがとうございます。お嬢様の心遣いのお気持ちとてもうれしく思います。ですが大丈夫でございます。こういった旅路は慣れておりますゆえ」


一週間前、グレアムさんにしたいくつかの頼み事そのうちの一つがこの私専用の別荘を建ててもらうことでここなら誰にも気づかれることもなく修行できるってものだ。人たち誘拐殺人事件まで半年を切っている普通なら今から鍛えても大した力にはならないけどゲーム内のサラの人物紹介には権力と才能に溺れた哀れな令嬢とあった。つまり、才能はピカ1なんだから鍛えればきっと普通の人よりも上達速度は速いはずなのだ。それに、師になる人物ならたくさんいるのだから。 結局、二日前あの牢にいた人たちは全員買い取ることにした。取引の時にお父様に買い取ることについての手紙を出したけど『かまわん』っていうそっけない返事が返ってきただけだった。まぁ、そんなことはほっておいて今はグイードさんだ彼は私が買い上げたと知って自殺未遂を起こしたのだ。すぐに衛兵さんが発見、治療されて元気に後ろの馬車の中で拘束されている。そうこう考えている間に目的地に着いたようで馬車が止まった。


「お嬢さま着きましたよ」


「ありがとう、じゃあ、後ろのみんなと待機してもらってる人たちを連れてきてちょうだい。」


「かしこまりました」


グレアムさんは軽くお辞儀をして準備に取り掛かる。そして、数分もしないうちに建てた屋敷の中に奴隷の人たちがやってくる。みんな不安そうな表情で前にいる私の顔を見つめる


「コホン、みんな長旅ご苦労様。私は貴方たちを買った主人です。貴方たちにはここで借金返済のために働いてもらいます。質問はございますか?」


ザワザワ、ザワザワ

奴隷の人たちは私の言葉を聞いてざわめきだす。それもそうだ、元々奴隷とは死ぬまで永久に労働するものだ。


「しずかに、では話を続けます。先ほど借金返済と言いましたが言葉の通り皆さんが抱えている借金をここで働いて返してもらいます。もちろん返済した人は自由の身ですので開放します。ここで、奴隷の中の一人の男性が口を開く。


「あの、一つよろしいですか」


「ええ、かまいませんよボルダンさん」


ボルダンと呼ばれた男は自身の名前を知られていたことに驚きながらも質問する。


「お給料というのはどのくらいのものなのでしょうか」


「あぁ、そのことですね、そうですね例えばボルダンさんにはここを町にしてもらう設計技師の一人ですので大体相場の銀貨一枚といったところですかね」


「そ、そんなに!それに私が設計技師を!?」


「もちろんです。だってあなたの元の仕事は一流の設計技師さえ。人を置け落とすしか能のない上司にはめられて借金を抱えさせられなければこんなことになんてなることはなっかたんでしょうに、でもここに来たからには存分に腕を振るってもらいますよ。


「あ、ありがとうございます。精一杯頑張らさせていただきます」


ボルタんさんは涙を流しお礼を言いながらながら深々と頭を下げた。


「ほかの皆さんも同様に自身の力が発揮できる仕事に振り分けていますので存分に力を振るってください。あと、あなたたちの居住スペースですがこの屋敷二階の一室一室があなた達の部屋です。中にはトイレ、寝室、簡易キッチンとか必要最低限のものは一通りそろっています。一階には共有の食堂やお風呂に洗濯スペースがありますので仲良く使ってくださいね。何かありますか?」


「あの、何故奴隷の我々にここまで優遇してくれるのですか」


「そうですねぇ。私は、才能のある人が才能を発揮できないのが許せません。一生を強制肉体労働や男の人の相手をさせてせっかく皆さんに与えられた才能を無駄にしている。それにここにいるあなたたちは上司や友達、親に裏切られただけであなた達は何も悪くない。ここではそんなものに縛られることもなく自由に才能を発揮してほしいだけです」


そう言い終わってみんなを見ると驚いて口がポカンと空いて呆けている。何とも言えない空気になる。そんな空気に困っているとグレアムさんが十数人くらいのの男女を連れてきた。ボルダンさんは最初は訝しげな顔してたものの正体がわかると顔をくしゃくしゃにして泣き出した。


「ヘ、へレーナ、、へレーナなのか?」


「ボルダンさん、心配したんですよ」


グレアムさんが連れてきてくれたのは連れてきた人たちの残してきた大切な人たちでほかの人たちも感動の再会を果たしている。もちろん全部ゲームの記憶を活用しまくって探し出してグレアムに連れてきてもらったのだ。もちろんその人が嫌っている人は呼ばないようにしっかり人選にも気を配って招待した。その後、ボルダン達は私にお礼を言って明日からの業務に向けて自分の部屋に帰っていった。さて、ここまでは予定通りことが進んでいる。交渉の本番はここからだ。私は、馬車に待機してもらっていた二人の下に行く。一人は拘束されたままのグイードさんもう一人はエルナさんは元は山籠もりをして魔法の研究をいたのだけど近隣の住民に悪の魔女だと言いがかりをつけられて強制的に奴隷として売られてしまったのだゲームではヒロインに剣と魔法を教えたヒロインの指針になった人たちだ。ヒロインが強くなれない今私のために力を貸してもらおうじゃないかって事で交渉しに来たってわけなのだが、さっきからグイードさんが拘束されてるのに声がうるさいからとっとと終わらせてしまおう。


「グイードさん自害するのは勝手ですが先に会ってもらいたい人がいますので先に紹介しますわ」


そう言って馬車の陰から一人の女性と女性に連れられた三歳ぐらいの女の子が顔を出した。二人を見たグイードさんは豆鉄砲を食らったような顔をしている。この二人はグイードさんを味方にするための切り札だ。


「なんで、、エマ、アイナ、、お前たち、なのか?」


「寝ぼけてるんですか?あなたの妻と娘の顔もわからなくなったんですか?」


「だ、だって、、お前たちはあの家で死んだって」


「私たちは、確かに誘拐されました。でも、ここにいるサラお嬢様の配下の方々に助けていただきあなた騙されていることを聞いて止めに来ました」


「だ、騙されてる⁇」


「詳しいことは私が」


そう言ってエマさんとグイードさんの間に入って説明を引き継ぐ


「エマさん達を攫ったのはあなたに情報を渡した帝国現騎士団長のジークムントです」


「そんな馬鹿な、あの男が、、確証はあるのか?!」


「もちろんですよ。グレアムさん連れてきて」


「そろそろだと思って連れてまいりました」


そう言ってグレアムさんが連れてきたのは縛り上げられた五人の男が連れてこられる。


「お、お前たちはジークムントの部下の……」


「この者たちがエマさん攫われそうになっているところを私の使用人が助けここで保護しました。その者たちに自白を促したところジークムントの名前が挙がりました」


「そ、そんな」


グイードさんは死んだと思ってた妻と息子が生きていたことに加えて今まで信じて復習計画に親身になって相談に乗ってくれた元部下に裏切られたと知って混乱している。


「グイードさん、今は混乱してるでしょうから明日の朝に答えを聞きます。こんばんは、奥さんと息子さんをだきしてあげてください。では」


エマさんは私に会釈をしてグレアムさんが連れては屋敷の中に戻っていった。正直、どちらかというとグループよりもエマさんのほうがしゃんとしていそうだ。まぁ、答えは明日聞くとしてもう一人交渉しないといけない。私は息を吐いてエルナさんに向き直る。


「エルナさん、大変お待たせしました」


「別にかまいませんよ。それで、私には誰を連れてきてくださったのです?」


「エルナさん、あなたにはお願いしたいことがあります」


「あら、お嬢様からプロポーズなんて嬉しいわね」


「からかわないでください、エルナさんにも私に魔術を教えてもらえないですか」


エルナさんはそれを聞いてニヤリと笑う。


「無理ね、私は大切な人なんていないし、そもそも人に従うのも嫌だしものを教える柄じゃないし」


「別に私に従うこともないですし、それにコレでどうです」


そう言って私はポケットからこぶしぐらいの石を取り出すとエルナさんに見えるように差し出す。


「ん~?え、え、何であなたがこれを知ってるの!?」


私が取りだしたのは魔鉱石っていうこの世界ではとても貴重であまり採れない鉱石であり研究されてないものなんだけど、エルナさんはこの石の研究をしていて本当ならヒロインに助けられてその研究を続けてシナリオの最終章ではヒロインの武具を魔法武器にした天才魔術師、性格は冷静で冷たいけど頼られるのが大好きな面倒見のいいお姉さんキャラで私も大好きだったキャラだ。


「この鉱石は、ここから見えるあの山から大量に採れたものです。あそこは私が買い取ったものなんですけど、エルナさんに差し上げても構いませんよ」


「……条件は」


エルナさんはさっきまでのからかったような態度から真剣に話を聞いて研究者の顔になっている。


「話が早いですね、私の条件は三つ、一つは私に魔術を教えること。二つはここにできる町の住民になること。三つ目は魔鉱石の研究を完成させることです。勿論、衣食住もおやつに夜食もお給料も付けますよ、どうです。」


エルナさんは、訝しげ目線を向けてくる。


「ほんとにそれだけ?話がうますぎて逆に怪しんだけど」


良待遇にしたら簡単に来てくれると思ってたから甘く見積もりすぎていた。


(どうしよう、どうしよう、美味しい話にしすぎちゃって逆に疑われてる)


予想外の出来事にアタフタしてるとそれを見たエルナさんは困ったような笑みを浮かべる。


「たはは、、あなた本気で言ってるんだあんたみたいな人初めてだよ。いいよ、その条件飲むことにするわ。よろしくね、サラ」


「っ‼よろしくお願いします!エルナ先生!」


(ようやく説得できた。でも、グイードさん受けてくれるかなぁ)


少し不安になりながらも少しは目的に近づいたのを確かに感じていた。

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