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お疲れ、エリカ
一階に着くと、さっきエレベーターで一緒になった受付嬢が一人で肘を付いていた。時々、ガクンと頭を落としそうになっている。
「エリカさんお疲れ様」
「えっ、あっ、お、お水割りで良いですか」
モデルのような容姿には似合わない慌てようだ。
「……ガチでお疲れ様だな」
エリカと呼ばれた嬢は顔を真っ赤にして固まった。
「見て、メイの執事だよ」
変わらない調子でタツを紹介する明蘭。
「あ、あ、良いね良いね。頼れるよ、その人は強いから。あはは、いってらっしゃい」
エリカは無理やり笑いながらそう言って手を振った。