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アルバムの李家
「アルバム……」
何となく開くと、貼られていた写真に自分と同じ年くらいの青年が写っている。堅いスーツを着て、東京駅の前でピースする若い頃の李だ。
その隣のページには見覚えのある顔が。
「うわ、師匠若いな」
タツの手は次々とページをめくり、李の人生の欠片をなぞった。
ふと、一人の女性が写った写真に手が止まる。
『王雪蘭』
名前の読み方はわからなかったが、隣に立つ若い李と細い腕に抱かれた赤子で明蘭の母だということはわかった。
『李明強 王雪蘭 李明蘭』
「これが李一家ねぇ……」
「何見ているの」
明蘭に突然声をかけられ、タツが慌てて振り返る。
「ビックリした……。どうしたんだ」
「いや、そろそろ夕食の時間だったから」
置物の柱時計は十九時を指していた。タツはまだ拭いてない個所をさっさと仕上げ、明蘭と一緒に家を出た。
中華では、基本的に夫婦別苗となります。
子供は父の苗字を受け継ぎ、名前に母から漢字を貰うのが一般的だそうです。
「王雪蘭」は「ワン チュィイ ラン」と読みます。




