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ジンガ ココリーニャ ジンガ

 束ねた長髪、褐色の肌……タツには信じられなかった。掴んでいたのはダリアだ。

 彼は顔色変えずに掴んでいた男を突き飛ばし、前屈みになり両足を広げて腰を落とすような姿勢をとる。

 奇声を上げながら男は腕を振り回す。だが、ダリアはそれをリズムよく身体を捻って避け続けた。

「すごい……まるでダンスじゃないか」

 周りで見ていた人達が感嘆の声を上げる。

 やがて、ダリアは背後に宙返りしたかと思うと、そのまま脚を大回転させ男を弾き飛ばした。

 男はそのまま倒れ、周りから黄色い声が上がり拍手喝采が起きるが、ダリアは相も変わらず仏頂面。

「ダリア……」

 彼は何も言わずに手でタツに、来い。とサインしてきた。周りがいっそうざわつく。

 しかしタツは首を振って拒んだ。

「……随分と臆病になったな」

 ダリアはゆっくりとタツに歩いて寄ってきた。

「違う、ダリア。そうじゃない……」

「だった俺から行く」

 次の瞬間ダリアは飛び上がり、全身のバネを捻らせて脚を叩きつけてきた。

 タツはとっさに腕で防いだが、受けた左手に痺れが残る。

 ダリアの脚は次から次へと、タツに痛がる余裕も与えずに降り注いだ。だが、タツは永遠と防ぎ続けるだけだ。

 連続攻撃からの重たい後ろ蹴りがタツの胸に入った。彼の背中が勢いよく床につく。

 倒れたまま咽せるタツにダリアがゆっくり迫る。

「どうした、タツ。変な服着せられて人が変わってしまったのか。双拳の龍はどこへ行った」

 彼はそう叫び、足を高く上げた。だがその時だ。

「やめて」

 二人の間に、誰かが割って入ってきた。

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