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何のパーティーだと思ってるんだ

 受付には嬢が一人でシャキッと立っている。エリカの姿は無かったが、それはタツにとってはどうでも良い。

 部屋に戻れば明蘭がお出かけモードで待機していたが、その姿にタツの足が止まった。

 袖の広がった貴族のようなブラウスに、真珠飾りを沢山あしらったベロア生地の赤いジャンパースカート、足にはニーハイソックスの白と黒のストライプが巻き付いている。

「あー、最高だね。ははは……」

 彼は笑った、満面の苦笑いだ。コイツはいったいどんなパーティーを想像しているのだろう、と。

 だが、彼はふと自分の燕尾服姿に気がついて真顔になった。

「お嬢、ひょっとして俺もこの恰好で行くのか」

 姿見を見ながらナヨナヨ聞くタツ。

「当たり前だよ、パーティーなんでしょ」

 コンパクトミラーを見ながらキッパリ答える明蘭。

 彼女はつけまつげを付けなおした後、タツにハート型の鞄を押し付けた。

「さ、行こう」

「……はいはい」

 二人はサッサと下へ。李家のベントレーが線からはみ出して停まっている。

 タツは手際良く明蘭を助手席に座らせ車を出した。

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