お仕事です。【前編】
魔法には種類がある。
しかし、何とか魔法とかで分けられている事はあまりなし、書いてあっても括りが広く本によっては同じ魔法でも違う魔法に分類される。
まだ100年ちょっとしかたっていない上に、問題が起き最初に考えられた分け方が魔法の危険度による階級分けだったのだ。
簡単に言えば
階級1~6が初心者が使う魔法から中級者の人間が使う魔法で、特に資格はなく使える。
階級7・8が資格が必要になる上級者用。魔法犯罪対策課の人間はこの階級が入る基準になる。
階級9・10が禁忌とされる魔法。全世界が使用禁止にしたぐらいで、代償なしに大勢を殺せる事ができる魔法が9、世界を簡単に破壊する魔法が10に分類される。
しかし、大体の人間は階級1さえ使えないし、使える人間もよくて階級3まで使えればいいほうである。
つまり、魔法は希少価値である。事実、魔法を使える人間は少ない。
まだあまり普及がしていない時、魔法の道具等を売る仕事とかをし、一代で財閥を作り上げた人間もいるぐらいだ。
つまり、魔法は金になる。親は子どもに魔法を覚えさせようとするし、才能があるかを調べたがる
それが標的となり、ただのおもちゃを取り魔法の才能があるか調べる検査キットを高値で売る詐欺や、栄養剤を魔法が絶対に使えるようになる薬といい高値で売る詐欺等が発生。
これらは詐欺であり魔法犯罪ではない為、魔法犯罪対策課の管轄外である。
保健所や一部病院では無料で魔法の適正があるかを調べる試験が出来る設備が供えられた。
しかし、それも問題になる。保健所や病院でそれをするとそれがリストに載り、それは金さえ払えば、また、警察が捜査で必要と言えば閲覧ができる。
所で質問だが、子供に魔法の適正がある子が欲しいのは一般の人だけなのか?
答えは、金持ちも欲しがるのだ。
数年前、海外でとある富豪が逮捕された。魔法の素質をわが子に持たせたくてそのリストを金を払い閲覧。ほかの人に金を報酬にわが子のドナーになれる子どもを誘拐させ、臓器や血液、皮膚や眼球、すべてを移植させる事件が起こった。
前に言ったように、魔法の素質はセンスと同様そんなことしても魔法の素質が受け継ぐわけもなく。
複数の子供が死に、複数の人間が誘拐犯として捕まり、最後にその富豪は逮捕され禁錮758年となっている。
魔法は使える人が少ない分、問題は多発する。
いかにこの問題を解決するのが問題になっていく。
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「で、小学校でお仕事っすか・・・」
ふてぶてしくため息をつきながら向井は言う。
いつもは警察官には見えない彼だが、服装をきちんとしており、髪型も整っており、警察官に見える。
馬子にも衣裳である。
「しかたないだろ、魔法に関する知識を高めるために小学校で危険度の低い魔法を教える、大人に何言っても聞きやしない。だから子供に教えて魔法への考えを変えさせなきゃいけない。」
宮本がハンドルを握り、ため息交じりに言う。
先日の響襲撃事件(?)によって怪我をした頭に包帯を巻いており見た目は悪い。
運転をしていなければもしかしたら犯罪者の輸送と勘違いされそうなぐらいに見える。
「いや、仕事に関してと言えば関連っすけど・・・。」
「あはは!!! 向井さんに道具さん!!! なんでそんなにため息をつくんです!!!?」
「「主にお前が原因なんだよ(なんすよ)!!」
大音量で音楽を車内で流す車より、もっと騒がしい響の声、もとい騒音をまき散らしながら、車は進む。
時間は約一時間前に戻る。
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「はい・・・はい、そうですか。仕方ありませんね。わかりました・・・はいはい、今すぐ準備していきます」
「・・・ちっ・・・なんで俺が響の壊した壁とドアを直さないといけないんだよ・・・」
固定電話で話す柳の声とバイトをクビになった宮本が修復魔法を使いながら愚痴をこぼす声だけが響く。
宮本の使っている魔法は階級7の修繕魔法である。宮本が一番得意とする魔法で、形あるものを元の形に戻すっという魔法である。しかし、これだけの魔法なら階級は4にも満たない。
宮本の場合、それが得意すぎた。形あるものを元の形に戻すのではなく、ほかの部品を混ぜて強度を上げたり、記憶を他の記憶と混ぜて少し真実と違う記憶も作れる。
修繕と言っても直すと言っても取り繕うと言った方が良いのだろう。普通に使っている分には困らないがこの魔法はあくまで『ととのえて見よくする』という魔法である為、強めの衝撃で元に戻ってしまう。
響が道具と彼を呼んでしまう理由はこれのことだろう。
「しょうがないっすよー、うちの課で物の修復の魔法に長けてるの宮本さんだけっすから。ところで、息子さんは今も元気なんっすか?」
当事者の響は罰としてパトロールに行かされ怒るに怒れない宮本に、そんな苦労を知っている向井は会話の方向を変えていく。
「・・・そうだな、そうずっーとおこっているのはいけないよn
ガッシャーン。
窓が破壊された。
「ただいま!!! パトロール終わりました!!!」
「くそ野郎が! お前それ直すのは俺なんだぞ! な!?」
「待って! 落ち着いてくれっす! そこで宮本さんが暴れたらもう誰も止める人がいなくなっちゃうっす!」
書き間違いではない。窓が破壊された。
窓を壊して入ってきた響に、怒り狂う宮本を腕をつかんで制止する向井と、完璧に無法地帯である。
「・・・うるさい連中がいるのでそいつらを追い出すついでに行かせます・・・はい、それでは失礼します・・・」ガチャ。
課長の柳はそう言って電話を切ると大きく息を吸い、
「向井! 響! 宮本! 仕事だ。今すぐ服装整えて近くの小学校にむかえ。」
と言い放つ。
「なんっすか!? 魔法を使う侵入者っすか!?」
「いや? 今日は魔法犯罪対策課の魔法教室をやるらしい。」
うきうきとした向井に無慈悲に柳は言う。しかし、ここで宮本が違和感に気が付く。
「そんな予定ありましたっけ?」
「・・・上の奴らが頼まれたことをすっかり忘れていた。もうやることは決まっているらしいから早く行け、行かないとぶっころがす。」
柳はそういうと何もない空間から拳銃を取り出しこちらに向ける。
柳の得意魔法、階級7の収納魔法である。
魔法の袋だの、マジックバックだの、魔法物の小説ではよくあるが、実際これを使われたら商品を収納すれば万引きし放題、武器や麻薬を入れて飛行機に乗れば捕まらずに持ち込みができる。
危険度は高いということで資格が必要な魔法である。
「いますぐに、道具を持って、行け。」
「ら・・・了解っす・・・」
この後、三人は急いで準備をしたのは言うまでもない。
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そして現在、走る車内にて。
「ファ〇コンウォーズがでーたぞー!!!」
「「うるさい!」」
騒音が約二倍になっていた。
「しかし、この三人って一番教えるのに向かない人っすよね。」
「うるさかったから追い出しついでに出したんだろ。でも、俺は悪くねぇー・・・」
そんな会話を宮本と向井がしていると宮本の元バイト先のT〇UTAYAの前を通る。
レンタルDVDショップで9時から3時までの営業、お疲れ様です。
「向井、ついたぞ。」
宮本は車を小学校付近のパーキングエリアに止めていた。
「あ、わかったっす。」
車から向井と響は下り、歩きで小学校に向かうのであった。
to be continued
中学生の時俺よ。
なぜ、紗音瑠の裸シーンを書いていたのだ。ばっさりカットやわ。
あの最初の文章もよくわからないエイリアン事件とか・・・。
おもっくそ改変してます。
後編も下書きを始めています・・・が多分来月の月末になってしまうと思います。
もしも読んでいる人がいたら、楽しんでもらったら幸いです。