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木崎明美

 早坂が来る度に自分には描けない線を見せつけられ


批判され続け本当に自信はなくなりそうだった。


絵に対する情熱も失われつつあった。



 色々な作品を見て肥えた目とそれに劣る自分の絵の実力は


確実に正樹のやる気を奪っていった。授業にも集中できずもやもやしている


と落ち込んでいる正樹の背後から近づき


「くすぐりの刑」


といって脇の下をくすぐる人がいた。


「やめろ、やめろって、いやほんと脇の下は弱いんだ。」


と言って降参する正樹。


くすぐっていたのは紛れもなくさっき助け舟をだしてくれた明美だった。


長めの髪を頭の後ろで結んだポニーテールに冷房が効きすぎて寒くすら


あるせいか赤いワンピースの上に薄いピンクの上着を羽織っていた。



「他人の絵に勝手に描くとか早坂の傍若無人ぷりも馬鹿だと思うけど


なんで早坂は正樹のことを親の仇みたいに嫌がらせしてくるのかしら?」



と首をひねって不思議がる。


「さぁ?心当たりはないんだけどね。」


「うーーーん。早坂は美術賞もとってるくらいなんだから、どーんと


落ち着いてればいいと思うのに…


画廊とも仲良さそうにして順風満帆にみえるんだけど。」


「性格は最悪だけどな。」


「それはいえてるわね。」


舌をペロッとだしつつ明美はうんうんと頷く。



早坂は美術賞を取って以降、画廊と懇意になったようでたまに喫茶店などで


話をしているのを見かける。



昔、こう言ってきた画廊がいた。


「正樹君、君の本当の実力が知りたい。」


その時の記憶が蘇り、正樹は口の中に苦いものを感じた。



早坂と画廊が話をしているのを見る度に落ち込んでいるのに


羨ましい存在の早坂が喧嘩を売ってくる。どうしてこんなことになって


いるのか正樹が一番知りたいとしかいわざるをえない。




授業も全て終わりぼーっとしていると


「食事に行かない?」


と明美が誘ってきた。二つ返事で誘いに乗る。



 バ・ミゼラブルという名前のお店に入る。綺麗でこじんまりとしている


お店だったが、食事時ということもあり混みあっている。


入り口で料理を作っていて、見ようと思えば調理している姿を見ることが


できる。海老や鯛、肉を豪快にさばいているのをじっと見てると


よだれがでそうだった。



店員さんに案内されメニューから飲み物と食べ物を注文した。もちろん


ショーのように切っていた肉を指さし頼むのも忘れない。



 手をタオルでふいたりしてると飲み物がさっそくやってくる。


「「おつかれさまー乾杯ー」」


「ぷはー、やっぱりビールは一口目がうまいねー。」


と正樹は明美に笑いかける。





読んで頂きましてありがとうございました。


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