表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の愛が僕に着弾するまで。  作者: 粒子マニア
一学期
2/2

入学式

だんだんと暖かくなり、桜の咲き乱れる頃。

15歳の俺はついに高校生になる。


「おーい、ヤマケーン‼こっちこっち~‼」

待ち合わせ場所である、近所の公園から俺を呼ぶ声が聞こえた。相変わらずテンションの高い奴だ。

「おはよ、祥太しょうた。相変わらず元気だな」

「やだなぁ、僕はいつでも元気だよ。それよりも、航太こうた遅いね」

「あいつ、イケメンだから、しょうがないよな」

と2人でいつも通りのくだらない会話をしていると、後ろから何かの気配を感じた。いつもの癖でホルスターのある場所に手を掛けて、後ろを向くと、サッと両手を上げ、苦笑いになったイケメンがいた。

「遅かったな、航太」

「悪い悪い、近所のお婆さんに捕まって、少し世間話をさせられてたんだよ」

「相変わらずよく捕まるな」

「じゃあ、学校に行こうか」

俺達は着慣れない制服で学校へ向かった。

俺達の通う学校-第二北山高校-通称『二高』は待ち合わせ場所の公園から大して距離はないが、坂道が多い。なにせ二高は山の山頂にあるのだ。

山の山頂に高校があると違和感しか感じないが、噂によれば空気はんでいて、水道から出る水は天然水で美味しいらしい。



出発してから7分ぐらい歩いたところで急に祥太が立ち止まった。

「どうした?」

「ねぇ…あの辺りから何か来てない?」

そう言いながら祥太は学校に直線でいくことができる獣道の方を指差した。耳をすましてみると、ガサガサガサガサ……という音と「ああーーーー‼」という声が聞こえてきて、次第に大きくなっていくその声は明らかに女の人の声だ。もう少しその場で待ってみると、スカートをなびかせながら、猛スピードで獣道を下ってくる女子高生がいた。

「そこ、どいてぇぇぇぇーーーーーー‼」

と叫びながら駆け降りてくる。俺もこのままではぶつかると思い、とっさに逃げようと―――

「―――――――っ‼」

肩に強い衝撃がかかる。その勢いでバランスを崩し、地面に頭をぶつけてしまった。遠くなっていく意識の中に「ごめん」と言う声が聞こえた気がした。




気がつくと、俺は見知らぬ病院で白衣の人に囲まれていた。

俺が体を起こすと白衣の人達は逃げていった。視界の端に何か音を鳴らしている機械があった。その機械に目をやると、全ての線が一直線になり、数字は0になっている。

その機械のコードは自分に繋がっていた。

――――何も感じなくなった。




大量の冷や汗をかきながら俺は目を覚ました。つかさず、心電図のあったところを見る。数値は0ではなく92になっていた。

「あ!先生~剣太が起きました」

近くから祥太の声が聞こえた。俺は体を起こした。

俺の寝ているベットのそばには祥太がいた。

「…ここどこ?」

「二高の保健室だよ。心配したよ。そらよりも入学式があと10分で始まっちゃうよ‼」

俺は更に冷や汗をかいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ