9話 真波 2
お待たせしました!
連続更新1話目!
どこまでいくかな...?
『運命を紡ぐ』
それは決められた絶対の運命をひっくり返すことだ。言うなれば、小説の登場人物が結末に気づき作者の意図とは関係なく行動をし、別の結末に変えてしまうような物。それは絶対に不可能なものだと聞けば誰しもが口を揃えて言うだろう。
どうやってかは俺は知らないが、固有キャラの入手方法はまだ誰も持っていないキャラでも調べることができ、現時点では全てではないが、かなりの量のキャラの入手方法が知られている。
そしてその中でも先ほどのような入手不可能と思われるキャラは禁忌のキャラと呼ばれ、その入手方法は厳重に封印される。それは限られた者のみ入手方法を知っているそうだ。
固有キャラは入手難度が高ければ高い程強いため、皆がこぞって挑戦をする。そのため絶対的な力を持つ禁忌のキャラには誰もが欲しがり、それを手に入れるために挑戦しその過酷さから狂い出す人が多発したという事件が昔起きたらしい。
「ねぇ、聞いてる?とにかく、私はそんな運命様と闘ってみたいの。だから、モイラを使って。」
俺は少し考え事をしていたようだ。真波の声で我に返り、慌てて返事をした。
「もしも拒否したら?」
「私はサクヤちゃんと、サクヤちゃんから聞いた遼平くんを信じているよ。遼平くんはこんな時、拒否する人じゃ無いって聞いたから。」
サクヤは一体何を真波に言ったんだか。でもまあ、正解だ。俺はこういう時の上手い断り文句を知らない。だから俺は諦めた様に頷き、真波はそれを見て微笑む。
「じゃあ、やろうか!」
「了解!」
俺と真波が足を踏み鳴らす音が綺麗に揃って響き渡った。
防護フィールドが張られると同時に、俺らの体が輝きだす。そして突如光が弾け、俺らはその姿を観客に晒す。
黄土色の光でできた弓の神聖なる均衡の武具を右手に携え、先程より真剣な顔でこちらを見据える真波は狩猟の神、アルテミスという土属性のキャラを依り代としている。
対する俺はまだ完全にキャラを発動しきれておらず、左腕のみがまだ先程の光に包まれていた。その光を軽く薙ぎ払うと、その光が俺の左腕の皮や肉を少しづつ消し去って飛散する。それと同時に、その左腕を何本もの細い金色の支柱が覆い人間の腕を形作っていった。肘や指の関節部には大きな金色の玉がその機能を担っており、掌には真紅の丸い宝石が埋め込まれ、禍々しい光を帯びていた。まるで左腕だけが機械人形になってしまったかの様な感じだ。それを見た真波が声をあげる。
「身体を直接変化させる神聖なる均衡の武具なんて聞いたことない!まさか、幻想なる絶対の神器!?」
「正解だ。その反応を見るに、サクヤと戦った事はないな?」
内心驚きながらも、俺は自慢げに言った。
神のキャラは使用すると特有の体が輝き出すエフェクトが入り神聖なる均衡の武具と呼ばれる、使用した神に合わせて作られた特有の武器が授けられる。神聖なる均衡の武具は基本的に剣や弓や銃や杖などといった物がベースとして作られているが、それらに該当しない全く別の物がある。
それが幻想なる絶対の神器だ。
1000PV達成したら記念SSでもあげようかなと思っています。
別作品として投稿しようかなとか思っているので、詳細が決まり次第追って連絡をします!
まあ、まずは1000PVだね〜(笑)