7話 模擬ノ戦 4
遅れてすいません!
中3の夏開けのテストラッシュは痛いですね〜
まあ、何とか平均点は超えましたよ(笑)
「何とか」ですが(泣)
これでいいのか!受験生!
周りが闇に閉ざされたと同時に拘束に軽く力を入れ外すと、サクヤがいた場所に駆け寄り拘束を破壊した。その間に4人組は色々と策を考えた様だ。
「烈火!火を使って辺りを照らすんだ!」
「そうか、分かったぜ!ファイアーボム!」
悠斗の叫びに烈火が反応し、辺りを照らすため、辺りに火が飛び散る炸裂技を使うものの、その火の明るささえ闇に飲まれる。
「これ、僕たち動けなくなっちゃったんじゃないかな〜?下手に動くと火の中に入っちゃうよね〜」
「くっ!ウォーターボム!」
咄嗟に憂月が水を飛び散らせる炸裂技を使った。
「ぶべっ!憂月、技が当たってんぞ!」
しかし、真っ暗な中、無造作に飛び散っている火を全て消すことはおろか、味方に当たらないようにするのも不可能だった。
その様子を聴いていた俺らは呆然とする。
「なんか、あいつ等さっきから自分たちで自分たちの首を締めてないか?」
「うーん。そんなつもりはなかったんだけどな〜...でも、このまま放置しておけば勝ってるんじゃ無い?」
「うわっ!!」
呑気に話していたら憂月の放った水が飛んでくる。
「......危ないね...さっさと終わらせようかな?」
「ああ、そうしてくれ。この暗闇じゃ俺は何にも出来ないし。」
サクヤは(恐らく)頷いた。
「遼平、気をつけてね。」
そして、そう呟いたかと思うと腕を振る音が聞こえ、沢山の羽音が現れる。
「この量を捌くのは無理そうだな。」
サクヤが使った技は、吸血コウモリを放つものである。その数、約五百ほど。それが、自分以外の敵味方関係なく噛み付いて体力を奪う。コウモリ一匹一匹はさほど強くはないが、暗闇でさらに大群となると話は変わる。
「うわぁぁぁ!なんだぜ、こりゃぁ!」
「く、来るなぁ!」
4人組は何が起こったか理解が追いつかないまま襲われているようで、烈火と憂月の叫び声が聞こえる。時折聞こえる他者を気遣う会話から察するに、どうやら舞音は驚きすぎて早々に気絶してしまったようだ。
「お、おい、みんな大丈夫か!?」
息も絶え絶えな様子で悠斗が声を掛ける頃には五月蝿かった二人も静かになっていた。
その頃俺はというと、
「痛いイタイイタイ!!耳噛むなぁ!!!太腿とかやめろ!おい!頭丸かじりしてる奴はどいつだぁ!!痛ってぇ!ってサクヤァ!どさくさに紛れて俺の腕を噛むなあぁぁあぁあぁぁぁあぁ!」
対策を行動に移す前に既にコウモリ(+サクヤ)に群がられていた。
俺のキャラは防御に特化したキャラなため、この程度のダメージなら特に死にはしないが、痛いものは痛いのだ。それを知っているサクヤが悪戯で噛み付いてきているのだが、そこがかなり痛い。あっ!何かゴリッって腕から変な音が聞こえたぁぁ!痛ってぇぇぇええぇぇぇえぇぇぇえぇぇぇえぇ!!!あああぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁっっっっっ!
俺の無残な断末魔が響き渡るのと同時に防護フィールドが解除され、暗闇と沢山のコウモリが消え失せる。それは戦闘の終了を意味していた。
win
結城サクヤ
結城遼平
モニターには上記の様に表示されており俺らが勝ったようだ。俺は全く勝った気がしないが。そんな様子を察したかしてないかは分からないが、サクヤが笑顔でペロッと舌を出す。
「えへへ、ごめんね。ちょっとやり過ぎちゃったかな?もう腕は平気?でも久しぶりに遼平の面白い声を聞いたなぁ〜」
「ああ、そうかい。」
ぶっきら棒に吐き捨てた俺の様子も気にせず、サクヤは笑っている。「いつか仕返ししてやる。」と心のメモ帳に書き留めた俺に言葉がかけられる。憂月だった。
「済まないな、僕たちが舐めすぎていたようだ。だが君達は何者なんだ?明らかに高校生強さの域を超えているぞ。自分でいうのも何だが、僕たち4人のコンボはかなり強い方だと思う。が、僕たちの連携が全く取れずに負けた。こんなことは初めてだ。本当に一体君達は何者なんだ?」
「っ!」
サクヤが息を漏らす。確実に調子に乗りすぎた。このままだと確実にばれてしまう。不快な空気が流れる中、観客と化して呆然としていたはずの2-Bの中からの一声がその空気を断ち切る。
「やっぱりサクヤちゃん達は強いね。」
人混みを掻き分け出てきたのは銀髪白眼の少女だった。
「あっ、真波ちゃん!久しぶり!」
そうか、彼女が中江真波か。凛々しい瞳はどこか彼女の母の面影があったため、すぐにピンときた。
「久しぶり、サクヤちゃん。始めましてだよね、遼平くん。噂はサクヤから少々聞いているよ。」
真波はそのままくるりと憂月たちの方を見て話を続ける。
「憂月くん達。君達の思惑通り、彼らは普通の人たちじゃない。」
慌てて話を止めようとするが、真波は大丈夫と言ったかのように片手で俺に制止を呼びかける。
「彼らはちょっとした厄介ごとに巻き込まれたんだ。そして、それはみんなには詮索しないで欲しいんだ。でも、私に負けるようならそこまで強くはないんじゃないかな?」
「お前に負けるって、お前学校トップクラスの実力だろ!勝てるはずは無いぜ!しかも何であいつらの事をそこまで知っているんだ?」
烈火が疑問を口にし、言われることを予測していたかのように真波が淀みなく口を開く。
「勝てるかっていう話は、間違いなく私は負ける。多分全力を尽くしても。私が彼らの事を知っているのは親絡みだよ。」
その言葉を聞いてみんなは絶句する。真波の親は校長だということは、みんなにとって既知の事だ。さらに、その強さから沢山の荒事を解決しているということに関しても。その親絡みというのは、少なくともその「厄介ごと」というのが軽いものではないと分かる。さらに真波は言い切ったのだ。自分は負けると。真波はかなり強く、同時に神のキャラ保持者でもある。その彼女が負けると言っているのだ。たぶん彼らは自分たちより相当強い。みんなはそこまでの考えが至ったのであろう、固まっている。だが、対象にされた俺らからすると言い過ぎと思う訳で。
「流石に言いすぎだと思うのだが?」
「ううん、そんなことないよ。恐らくここまで言わないと厄介ごとに関してみんなが興味本位で質問攻めにしちゃったと思うよ。でもここまで言っておくと、興味本位で聞いてはいけないってみんな思うんじゃないかな?」
サクヤに諭され理解する。だが『確実に負ける』ってセリフ、ハードル上げすぎだと思うのだが。
「ということで遼平くん。手合わせをお願いします。」
満面の笑みでこちらに向かってくる真波。こうなると思ったよ畜生!
そういえば、技名の当て字の殆どを削除させていただきました。
結構当て字が大変だったもので...