11話 真波 4
前日の分の投稿を忘れていました!
すいません
真澄さんの姿を見た真波ちゃんが、真澄さんに詰め寄る。
「どういうこと、お母さん!?『あんたの実力じゃ遼平くんには何があっても絶対勝てない』って言ったじゃない!なんか、遼平くんの自滅とはいえ、勝っちゃったよ!なんで!?お母さんがなんか言ったんじゃないの!?」
「うーんと、遼平は自滅じゃ...無いかな〜」
私はおずおずと真波ちゃんにいう。
「えっ?戦闘中にキャラ解除をする行為のどこが自滅じゃないの?」
どうやら、真波ちゃんは真澄さんに騙されたと思っているらしく、めっちゃ怒ってる。まずは誤解を解かなくちゃ。
とか思っていたら、真澄さんに先を越されてしまう。
「ところが、遼平に限ってはその行為は、自滅ではないんだ。そうだな......
真波、例えばあんたが体内にあるカレンの殆ど使い切ったとしたらどうする?」
「そりゃあまあ、溜めするでしょ」
キャラの技などは、体内に徐々に蓄積されるカレンを消費して発動する。その消費量は、もちろん強い技の方が大きい。そのため、強力な技を連発しているとどうしてもカレンが足りなくなってしまう。そんな時は、溜めという、空気中にあるカレンを直接体に溜め込む行為を普通は行う。
「じゃあ、溜めをせずに技を使い続けていたらどうなるか知っているかい?」
「知るわけないでしょ。授業でそんな変なことやってないもん。」
真波ちゃんが不貞腐れて答える。
そういえばさっきから気になってはいたけど、授業ってどんなことをやっているのかな?あとで誰かに聞いてみよう。
そんなことを考えているうちに真澄さんは話を進めていた。
「答えは簡単だ。キャラが保てなくなる。」
「え!?どういうこと?」
「キャラはその姿を保っているだけで、微量ながらもカレンを使う。その微量なカレンさえもない場合はキャラが保てず、強制的にキャラが解除されるのさ。」
「じゃあ、遼平くんがキャラを突然解除したのって...でも...うーん...」
「遼平の体内にあったカレンが切れたからだ。」
煮え切らない真波ちゃんに、真澄さんがピシャリと言い放った。
「でも何で?溜めをすればキャラが解除されることもなかったのに。」
真波ちゃんの最もらしい疑問。それには私が答えることにした。
「真波ちゃん。おかしいと思わなかった?私たちが烈火達と戦って、私が大量にコウモリを具現した時。遼平はコウモリになす術もなく噛まれていたってこと。」
あんたも噛んでたじゃん!と言いたげな皆の視線が痛い。
「あの時、舞音と烈火が飛びかかってきた時に使ったホーリーシールドを使えば、自分に飛びかかってくるコウモリは全部凪ぎ払えたはず。でも遼平はそれをしなかった。いや、出来なかったっていう方が正しいのかな?」
「確かに。でも、なんで...?」
「もう、遼平の体内にあるカレンがほぼ底をついていたから。技発動なんてしたら、それこそキャラの維持が不可能になっちゃうよ。」
「でも、枯渇なら溜めすれば済む話じゃ...?」
私はこの質問に答えるのを少し躊躇う。返答が難しい。できれば隠したい事の一つだ。
「まあ、このことは遼平は隠しておきたかったようだけど、まあ仕方ないね。」
本人には「言うな」って言われたけど、いつかばれるようなことだったし。
「遼平は昔、限界の限界、カレンが底を尽きるギリギリの状態になるまで戦ったことがあるの。もうあと一回でも技を使ったら、キャラが解除されてしまうような状態で、さらに溜めをするにも相手が多くて隙がないような場面。そんな時、遼平は自分の体内にあるカレンが満タンの時でも、一瞬で底を尽きるような大掛かり技をその時の遼平は発動することに成功しちゃったんだよ。で、体が限界を超え遼平は倒れちゃった。そのままだいたい......2ヶ月位かな?昏睡状態に陥ったの。その時に、体内のカレンが異常を起こし、遼平はこんな体になってしまった。」
「こんな体って?」
真波ちゃんが首を傾げる。
「今の遼平の体では、溜めが出来ない。なぜなら、体内にだんだんと蓄積されるカレンの溜まるスピードより、遥かに早いスピードでたまるカレンに体が追いつかずに、溜めることが出来ずにどんどん放出してしまうから。さらに、どんなに簡単な技でも、遼平の体内にあるカレンをすべて使って発動してしまうの。もれなく、その技を強化してね。」
「要すると?」
「遼平はある程度時間を置かなければ技を一回しか発動ができない。でもその発動した技は、最大限まで強化される。つまり、遼平は。」
今まで敵を一撃で屠ってきた一発屋である。
次回は3日後位です
多分