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炎嫌いのファイヤーマン!  作者: 暴風雨
第一章 能力者
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いつもの朝

「ふぁ~・・・」

大きな欠伸をする。

リビングに来て椅子に腰を掛ける。


さすがに朝早すぎた。

まだ眠い・・・。



俺は5人家族。

父、母、姉、妹、それに俺。

2階建ての一軒家で、それなりに広い家となっているのだが

、両親は二人とも海外にて仕事中。

姉もすでに高校を卒業しており、職を見つけ独り立ちしている。


なので現在は、高校2年生の俺、橘暁たちばなあきらと、

中学3年の妹、橘美雪たちばなみゆきの二人暮らしとなっている。


お金は両親と姉はこまめに送ってくれるし、

家事はすべて美雪が担当しているため、食生活に困ることはない。


なので今も・・・


「あれ?お兄ちゃん起きてたんだ。今日は早いね?」


キッチンで朝食とお弁当の準備に取り掛かっている美雪が、ひょっこり顔を出す。

サラサラのショートヘアーはきちんと整えられており

すでに制服に着替えている、その上からエプロンをつけている。

エプロン姿は、家事を始めてそれなりに時間も立っているので、かなり様になっている。


「まぁ、たまにはな。お前はいつも早いよな」


「だって、いつも早く寝てるし・・・お兄ちゃんが夜更かししすぎなんじゃない?」


「まぁ、それもそうか。とりあえずおはよう」


「ん、おはよ」


軽く挨拶を交わし、そのままキッチンで戻る美雪。

お兄ちゃんの生活態度はきちんとさせる、海外に行く両親にそう宣言していた美雪は、

言葉通り、毎日ご飯を作り、部屋を掃除し、洗濯もする。

実際のところ、俺は毎朝美雪にたたき起こされて起床する。

朝食もしっかり食べなきゃダメと、朝から栄養バランスを考えられたご飯を作ってもらい、

お昼はお弁当、夕飯まで用意してくれる。


俺も、いろいろしてもらうのには気が引けるため、何か手伝おうかと前に聞いたところ、

お兄ちゃんがやると私の仕事が増えるだけ、それに好きでやってることだから気にしないで。

といわれた。


確かにその通りかもしれないけれど、すこしは兄を頼りにしてもらいたいと思うときもある。








「「いただきます」」


テーブルに並べられた朝食を美雪と食べる。

最初に一口食べた。

いつも思うが、相変わらずおいしい。

実によくできた妹だと日々感心する。

まだ中学生で、それに受験という大事な年のはずなのに、大丈夫かと心配になることもあるが、

常にテストの成績では、学年のトップ10に入っているため、全く問題ないようだ。


完璧な妹、と言いたいところだが、スポーツや運動系は苦手らしく、

体育の時間にはいつも苦労しているそうだ。


いつか、こんな自慢の妹も、いつかは彼氏ができ、結婚をして嫁ぐ日がくるのだろうか。

そうなると、こんなうまい飯も食えなくなってしまうのだろうか。

それは嫌だな。

うまい飯を作れて、家事もやってくれるような人、妹じゃなかったら結婚したいと思う。



「お兄ちゃん?どしたのぼーっとして。ごはん、冷めるよ」


そういい、我に返る。


「ああ、お前が妹じゃなかったか結婚したいなって思っただけだ」


「ぶほっ!?」


美雪がすすっていた味噌汁を噴出した。

汚っ

びっくりした。


「どうしたいきなり」


「お兄ちゃんが変なこと言うからでしょ!!」


顔を真っ赤にして、口をティッシュで拭く。


「早く食べて!せっかく早起きしたのに、また遅刻ギリギリになるよ!」


「お、おう」


何を怒っているんだ・・・。

そう思い、また橋を進める。



『えー・・・ご覧ください、こちらがその現場となっております』



電源をつけていたTVから、そのような音声が流れ、目を向ける。

見ると、マイクを持った男性リポーターが、ある空地を背景にカメラの前に立っていた。


その空地はただの空き地ではなく、


地面に無数の・・・クレーターのような穴ぼこがいくつもあった。



『一夜にして、何もない空き地にこのようなクレーターが発生いたしました。

この謎のクレーターに関して多くの仮説が飛び交っておりますが、今のところ発生源は謎とのことで・・・』



「・・・なんか最近、多いよね。こういうの」


「・・・ああ」


ここ数年、多くの謎の現象が起こっている。

このように空き地にクレームが発生する以外にも、

俺が知っているものでは、真夏だというのに、夜中のうちに氷ついた湖や、

古い建物が一夜にして跡形もなく消えるという現象が起こっている。


現象だけではない。時折、常識では考えられないような変死体が見つかることもある。

一番最近の記憶では、20歳前後の若い男性が、遺体で見つかったというもの。

その死体に外傷はなかったが、臓器といえるものすべてが体の中にはなかったというもの。


このように、近頃は学者や警察が頭を悩ませる事件が多発しているのた。

マニアの間では、宇宙人の襲来や、世界が終わると噂されている。


「美雪、お前も気をつけろよ」


「はいはーい」



美雪は、興味なさそうに返事を返したのだった。



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