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プロローグ
今でも、たまに夢に出てくる
あの日の、俺が犯してしまった過ち
火に包まれた部屋
どうしていいかわからず、ただただ泣き続ける俺と妹
熱くて、苦しくて、怖くて
どうしたらいいかわからなかった。
焦げて、強度を失った天井が、俺と妹をめがけて降り注いでくる。
もうだめだ・・・
そこで、いつも目が覚める。
汗で濡れてぐっしょりになってしまったシャツ
息を切らして、あわてて周りを見渡す。
本棚、テレビ、勉強机・・・
カーテンから漏れる日の光を見る。
「・・・ああ、夢か」
いつもここで、夢だとわかり、安心する。
息を整え、落ち着きを取り戻した後、壁に立てかけられた時計を見て時間を確認する。
長い針は6を指しており、学校へ行くにはまだまだ十分な時間があると思いながら、ゆっくりとベットから降りる。
これで何度目だろう、あの夢を見るのは・・・
顔を洗おうと思い、部屋のドアノブに手をかける。
「・・・はぁ」
息を吐き、嫌なことを思い出さないようにと、ドアノブをひねり、扉を開けた。