表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/14

*five times*


私は、翼を羽ばたかせている魔王様に訪ねてみた。


「…その…お城って、遠いんですか?」

「いえ。遠いと言えば遠いですし、近いと言えば近いです。」


よく判らない返答をされて、私は質問を変えた。


「えっと……どうやってお城に向かうんですか?」


馬車とかで行くのかな?

私はそんなふうに思っていた。


「…いえ、私が飛んでいきます。」


へぇ、魔王様が飛んでいくのね。

だからさっきから翼を羽ばたかせていたんだ……。


……じゃなくて。

魔王様は飛べるけど、私はどうするの?


「こうすれば良いのです。」


わっ!!


私の体が宙に浮く。

え、これって……お姫様抱っこ…?


「このまま飛んでいこうと思うのですが……怖いでしょうか?」


ううん、大丈夫。


このまま飛んでいくなんて面白そう。


私はわくわくしていた。


魔王様は窓の鍵を開けて、窓を開けた。


開いた窓から、冷たい夜風が吹き込んで、私と魔王様の髪を舞わせた。


「………では。」


魔王様の体が窓を通過して、重力を全く無視してふわりと宙に浮いた。


すごい。


魔王様はただ私を抱いて、翼は一定のタイミングで羽ばたいている。


下を見れば、明かりやランプで飾り付けられた城下町が広がっていた。


きれい……。


こんなふうに、真上から町を見たのは初めてで、感動してしまった。



「怖くはないでしょうか?」


ふと、私を気にしたのか魔王様が口を開いた。


「あ、大丈夫です。」


私は大して怖くなかったから、答えた。


「それは良かった。もし王女様を怖がらせているのではと、心配でした。」



心配させて、ごめんなさい。

でも、私は高い所は好きだから大丈夫。


「良かったです。

王女様を怖がらせてなくて。」


そうして、安心したみたいに笑う。

…なんか魔王様なのに、優しいな…。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ