後日談・閑話:黄金の時代の幕開け。英傑たちが創る『新世界』の肖像
後日談・閑話:黄金の時代の幕開け。英傑たちが創る『新世界』の肖像
大漢帝国が再興され、許昌にて劉備が皇帝の座に就いてから数年。
かつて戦火に焼かれた中華の大地は、今や「歴史のバグ」とも言える異次元の発展を遂げ、人々の顔からは飢えと怯えの影が完全に消え去っていた。
洛陽の都は、陳凌(字は子雲)が持ち込んだ現代知識と、天才たちの手によって、石畳が敷き詰められ、夜には「ガラスの街灯」が灯る魔法のような都市へと生まれ変わっている。
本日は、そんな平和な時代のなか、かつての戦友たちが現在どのような役割を担い、近隣諸国がどのような状況にあるのか、筆頭軍師・陳凌の視点から綴っていこう。
1. 帝国の頭脳:『六大軍師』による超高度広域統治
現在、大漢帝国の政治中枢は、もはや「個人の才」を越え、システマチックな行政組織へと進化している。
• 諸葛亮孔明(大丞相)
• 役割: 帝国全体の総監理。法整備、農業改革、そして『九品官人法』をさらに実力主義へ昇華させた『官僚登用試験(のちの科挙の先取り)』を運用。
• 近況: 陳凌と夜通し語り合い、複雑な「多変量解析」や「経済学」の概念をすべて吸収してしまった。最近は「自動計算機(機械式)」の設計に没頭している。
• 郭嘉 & 賈詡(情報・治安維持部隊『天網』総帥)
• 役割: 帝国内部の腐敗防止と、国外からの不穏な動きを察知する、いわゆる諜報・保安機関のトップ。
• 近況: 郭嘉は陳凌の医療知識で持病を完治させ、酒の代わりに「最高級の茶」を楽しむ健康マニアに。賈詡は「平和な時代の策謀は、盤上のゲーム(チェスや将棋)で十分だ」と言いつつ、裏では完璧な治安維持網を敷いている。
• 龐統 & 法正(司法・地方監査長官)
• 役割: 拡大した領土の地方統治を監査。不正を絶対に許さない「鉄の審判」として地方官吏から最も恐れられている。
• 近況: 龐統は相変わらず皮肉屋だが、陳凌の創った「小学校(義務教育)」のカリキュラム作成に情熱を燃やす。法正は「受けた恩は倍で返す」主義を貫き、劉備への忠誠心から、帝国のインフラ整備を神速で進めている。
• 鍾繇 & 田豊(財務・法務・学問府長官)
• 役割: 通貨の統一(漢元通宝)と、活版印刷による知識の普及を担当。
• 近況: 鍾繇は書道の達人として「教科書の文字デザイン」を監修。田豊は「陛下への直言」という役割を維持しつつ、厳格な法運用の神として尊敬を集めている。
2. 帝国の刃:『五虎将』と無双の将軍たち
戦争がなくなった今、彼らは「破壊者」から「平和の守護者」へとその役割を変えている。
• 関羽雲長(大将軍 兼 荊州都督)
• 役割: 帝国東部の防衛と、孫家との外交の要。
• 近況: 龐統・馬良と共に、荊州を「中華最大の貿易港」へと成長させた。民からは『武神・商売の神』として生祠が建てられ、信仰の対象に。
• 張飛翼徳(帝都警備総監 兼 憲兵隊長)
• 役割: 国内の治安維持。かつての「短気」は影を潜め、規律を重んじるプロの法執行官に成長。
• 近況: 陳凌に教わった「フレンチ」の技法を極め、非番の日は軍師たちを招いて手料理を振る舞っている。得意料理は「燕人風ローストビーフ」。
• 趙雲子龍(近衛軍団長 兼 航空(伝書・信号)部隊指揮)
• 役割: 皇帝・劉備の身辺警護と、新技術(手信号や音響信号)を用いた通信網の管理。
• 近況: 「子龍がいる限り、陛下の身に埃一つ付かない」と言われる鉄壁の守護。若手武官たちの憧れの的であり、軍学校の教官も務める。
• 馬超孟起(大涼州都督 兼 西域貿易総督)
• 役割: シルクロードの開拓と守護。西方の異民族との通商を管理。
• 近況: 西涼鉄騎を「武装商団護衛隊」として再編。西方のローマ帝国(大秦国)からの使者と交渉し、「西の獅子」として世界中にその名が知られ始めている。
• 黄忠漢升(予備兵力総監 兼 軍事アカデミー名誉校長)
• 役割: 次世代の武官の育成。
• 近況: 「老いてますます盛ん」を地で行き、百歳を超えてもなお、百歩穿楊の矢を外さない怪物。
3. 近隣勢力と世界情勢
劉備軍の圧倒的技術力と大義名分の前に、もはや「敵」と呼べる勢力は存在しない。
• 江東の孫家(孫権・孫策・周瑜)
• 状況: 完全な同盟・友好関係から、現在は「大漢帝国南方連合」として事実上の連邦制に移行。孫策と周瑜は、陳凌が与えた「大型帆船の図面」に興奮し、軍事ではなく「未知の大陸の探検」に全精力を注いでいる。彼らの船団はすでに東南アジア諸島を越え、はるか南の地(オーストラリア方面)への航路を開拓中。
• 北方の異民族(烏桓・鮮卑など)
• 状況: 張飛や魏延の圧倒的武力を見せつけられた後、陳凌による「経済懐柔策(毛織物産業の振興)」により、現在は良質な馬と羊毛を供給する「帝国の北の牧場」として共存共栄している。
• 西方のローマ帝国(大秦国)
• 状況: 馬超の開拓したシルクロードを通じて、ついに公式な使節団が来航。中華の「ガラス技術」や「絹織物」、「火薬(花火)」の美しさに腰を抜かし、劉備を「東方の聖帝」と崇めている。
4. 最後に:推しを極めた軍師の余生
そして、このすべての絵を描いた俺、陳凌。
俺は今、洛陽の丘の上に建てた「陳凌研究所」のテラスで、平和な街並みを眺めながら、極上のコーヒーを飲んでいる。
「……ふう。やっぱり、ハッピーエンドってのはいいもんだな」
俺の隣には、皇帝の重圧から解放され、週末に遊びに来た劉備が座っている。
「子雲。……また新しい機械の図面か? 欲張りだな。だが、お前が笑っているなら、それがこの国の幸せだ」
「陛下、これはただの『蒸気機関』ですよ。これがあれば、馬を使わなくても何千人もの人が一度に移動できる。……もっともっと、楽をさせてあげますよ、この国の民に」
俺の「推し活」は、まだ終わらない。
劉備という男を、ただの「三国志の勝者」ではなく、「人類史上最も愛された世界の皇帝」にまで押し上げる。それが、この時代に飛ばされた俺に課せられた、一生終わらない幸せな仕事なのだから。




