ほとんど雪の、雨宿り
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ベッドの上で仰向けでヘソ天で、重力に引かれる格好で涙を目尻から下方へととめどなく流しながら、相棒の左のこめかみに九ミリの銃口をぶちあてる。
やさしい表情が返ってきて。
強くきつく抱きしめてくれて。
めちゃ暑っ苦しいモロッカンストリートをいつかアンタと歩きたい、っていうのは突拍子もない?
おふざけではなくリアルに泣きたくなった。
私が欲しいのは、ほんとうに他愛のない、小さな幸せなんだなって思う。
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バディを組んで、いったい、何年――?
あはは、じつはそんなに経ってないんだけどね。
世の中っていうのはしょうもない話ばかりで、誰かの呟きに誰かがレスすることでしょうもないかたちでスレが伸びる――誰もおまえなんざ望んでない、勘違いをするな、おまえを必要だと考えているニンゲンなんて親くらいしかいないんだぞ――なんて正論言うと目を吊り上げるニンゲンは少なくないんだろう。
ああ、ああああ、Aaaah、、、
脳みそ、溶け落ちそう。
自らの悪意に気づかないニンゲンが、この世の中を、もっともっと最悪な方向へを、導いていく。
出来栄えだけで推し量る世の中に、なんの価値が?
泥臭くあろうぜって、私は説きたい、吼え続けたい。
今夜も音が綺麗だね、相棒。
白と黒のそれは、頭の中で、高く澄んで響く。
そのピアノバーの名前?
さあ、なんだったかな――?
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つまるところ、冬の札幌に出張中なのである。
ずいぶんと肌寒く感ぜられ、だから早くに目が覚めた。
相棒とはホテルの軒先で、おたがいに真っ黒なスーツ姿で落ち合った。
相棒は、緑のパッケージのアメスピを、曇天にあって、ぷかぷかぷかぷか気持ち良さそうに吹かしていた。
ときどき、思うな。
分煙、ファッキュー凸。
ほらそこ、通りすがりのおっさん、堂々としてるからって、我々喫煙者を煙たそうに見るな。
路面状況はどろっどろの灰色、だからじつは、「札幌的」にはそんなに寒くない。
空がちょっと空気を読めないと、すぐにこうなる、自然は時に無情なのだ――と知る。
アメスピの味はわからないけど、私のパーラメントは今日もうまい。
ほとんど雪の、雨宿り。
どちゃくそイケてない空模様。
降る降るべちゃ雪が心にもたらすほんのりあたたかな感情は、相棒への際限のない愛情に似ている。
やや汚れていても、その一途な思いは、一心に、縦に縦にと降り積もるのだ。
イミフだね、ばーろぉ。
っていうか、ちゃんと1000字でおさまった?笑




