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第6話 — それでも、繋がっていた

彼女の急な落ち込みのあと、

僕は心配でたまらなかった。


彼女の病気については、事前に調べていた。

全体像を理解するために。

そして、意識が不安定な状態でも、

僕の存在を認識してくれていることはわかっていた。


彼女は“演じるペルソナ”によって、

僕を見るレンズが変わる。

それも理解していた。


でも、怖かった。

僕には、こういう状況に向き合う“経験”がある。

それでも、彼女の不安は僕の心を締めつけた。


顔も知らない彼女に、

どうしてこんなにも助けたいと思うのか——

それは、彼女が“リアル”だからだ。


だから、僕は彼女にこう伝えた。


「リアルでいることは、何も悪くないよ。

俺は世界の反対側にいるけど、ちゃんと君のためにここにいる。

ゆっくり吸って、ゆっくり吐いて。


そう、君はすごく愛情深い。

『(。。。。)』はただの可愛い褒め言葉だ。

自分を苦しめないで。

死なないよ。俺は今、君と話してる。

胸に手を当てて、ゆっくり吸って、吐いて。


心臓の鼓動を感じて。

君は生きてる。リアルだ。

それでいいんだ。」


その後、約1時間が経った。

彼女はまだメッセージに反応していた。

それだけで、少し安心できた。


でも、心配は消えなかった。

そして、彼女から返信が届いた。


絵文字もなく、飾りもない。

静かな言葉だった。


「ありがとね」


それだけだった。

でも、その一言が、僕の呼吸を戻してくれた。


僕はこう返した。


「大丈夫だよ。必要な時はいつでもここにいる。

堅苦しく考えなくていいからね。」


彼女はそのメッセージに反応してくれた。

それだけで、僕はまた息ができた。


僕はすでに、彼女に深く関わっていた。

たとえ、それが“幻想的”な関係だったとしても。


数時間後、僕は彼女にもう一度メッセージを送った。

彼女を安心させたくて。


「しばらく離れたい時は、

遠慮せずにそうして。

理由なんていらないよ。


話したくなったら、

気軽に声かけて。


胸が苦しくなったり、

誰かに話したくなった時は、

文化的な遠慮なんて気にせずに、

素直に話してくれていいよ。


変に受け取ったり、

ジャッジしたりしないから。


僕との会話は、

自由な場所だよ。


読んでも返事しなくて大丈夫だよ。

ただ、君が自由にいられるようにって思って送っただけ。」


彼女が文化的な“距離感”を気にして、

自分の気持ちに戸惑うかもしれない——

そう思っていた。


だから、僕は少し不安だった。

無意識に“境界線”を越えてしまったのではないかと。


彼女はそのメッセージを読まず、返信もなかった。


僕はそれ以上メッセージを送らなかった。

時差もあるし、週末に向けての数日間の会話は、

あまりにも濃密だった。


だから、受け止めた。

きっと週の始まりで忙しいんだろう。

夜になれば、返事が来るかもしれない。


でも、夜が来ても——何もなかった。


僕はメッセージを送らず、

ただ、彼女を待ち続けた。

一週間、ずっと。


彼女のことが頭から離れなかった。

時々、心配になった。


そして、週末。

彼女から返信が届いた。


その瞬間、肩の荷が下りた気がした。

彼女が無事であることが、何より嬉しかった。


でも、彼女の言葉には、何か違和感があった。


「レイシン、久しぶり ごめんね。

お返事出来てなくて…


ここ何日間か、自分でもよく分からないくらい、忙しかったの


時間は限られるけれど、

またお話できるから、宜しくね」


まるで、以前の彼女とは別人のようだった。

でも、僕は何も聞かなかった。

彼女を追い詰めたくなかった。


その後、僕は自分のSNSを見ていた。

すると、ある女性が僕のInstagramをフォローしていた。


少し不安になった。

「もしかして、彼女…?

いや、これだけの偶然って、あるのか?」


プロフィールのBioを確認した。

他のSNSへのリンクが貼ってあった。


そして、そこに——

僕と話していた“著者プロフィール”があった。

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