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科白遊び

作者: 柴田彼女
掲載日:2025/07/04

『たくさんの声があって、それを一つずつ

【拾った』

のにまた落としてしまった。そのときまでは何より

『大切だったのに】

なんて言われたってさ、結局あなたは

【私を見限った』

お母さんは、今別の人と暮らして

『いる】

いないは関係ない。

【気配を感じる』

のが何より怖い。アレは常にココに在る。

『近寄らないで】

と言われた。

【こんなに好きなのに』

という白々しさ。傲慢さ。身勝手。実際には表現されることのない

『愛】

してください。愛してください。愛して

【ください』

本当にどんなものでもいいから。何かがほしいだけなの。なんでもいいし

『どうでもいい】

ことなどない! 世界は意味で

【満ち溢れている!』

憎しみが! 怒りが! 私は

『許さない!】

とか言ってる。馬鹿じゃないの?

【そういう立場にすらないくせにさ』

自分だけは大丈夫とか思っちゃってたの。そうやって落ちていって、落ちていって。ああ、どうしたらいいんだろうね。どうしたら。どうしたら――

『ねえ、聞いてる?】

寝ちゃったの? そっか、疲れてるって言ってたもんね。じゃあね、

【またあした』

会えるといいね。はは、わかってるよ、でも敢えて

『言いたいんだ】

伝えられるうちに。言葉がまだここにあるうちに。

【ただの暇つぶしでしかないのはわかっているけれど』

それでも伝わる空気の振動と、そこに付随する、惰性で許容される範囲でのユーモア。できるだけつまらないゲームを続けよう。僕らがまだ話せるうちに。これはただの

『科白遊び】


【』

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