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科白遊び

作者: 柴田彼女

『たくさんの声があって、それを一つずつ

【拾った』

のにまた落としてしまった。そのときまでは何より

『大切だったのに】

なんて言われたってさ、結局あなたは

【私を見限った』

お母さんは、今別の人と暮らして

『いる】

いないは関係ない。

【気配を感じる』

のが何より怖い。アレは常にココに在る。

『近寄らないで】

と言われた。

【こんなに好きなのに』

という白々しさ。傲慢さ。身勝手。実際には表現されることのない

『愛】

してください。愛してください。愛して

【ください』

本当にどんなものでもいいから。何かがほしいだけなの。なんでもいいし

『どうでもいい】

ことなどない! 世界は意味で

【満ち溢れている!』

憎しみが! 怒りが! 私は

『許さない!】

とか言ってる。馬鹿じゃないの?

【そういう立場にすらないくせにさ』

自分だけは大丈夫とか思っちゃってたの。そうやって落ちていって、落ちていって。ああ、どうしたらいいんだろうね。どうしたら。どうしたら――

『ねえ、聞いてる?】

寝ちゃったの? そっか、疲れてるって言ってたもんね。じゃあね、

【またあした』

会えるといいね。はは、わかってるよ、でも敢えて

『言いたいんだ】

伝えられるうちに。言葉がまだここにあるうちに。

【ただの暇つぶしでしかないのはわかっているけれど』

それでも伝わる空気の振動と、そこに付随する、惰性で許容される範囲でのユーモア。できるだけつまらないゲームを続けよう。僕らがまだ話せるうちに。これはただの

『科白遊び】


【』

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