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だって女神じゃもん -女神リーザちゃんの日記 2.0 -  作者: へるきち
対立

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46/53

46. 魔王を倒した勇者は最後に頭がぱーになりました

 飼育係は女神を汚染させる事がある。


 ミラが教えてくれた最大の情報は、そのことかもね。リーザちゃんが、滅びの女神になってしまわないように、私たちリーザ組は、もっと配慮するべきなのだわ。巫女のデスルーレットとか、させないようにしないと。


 コルサちゃんがダモンに立った3日後、彼女の宣言した期限に合わせたかのように、リーザちゃんは起きた。今は、うちの訪問客の相手をしている。勝手に。

 私が帰って来ていると聞いて、ターマの商人が相談に来ているのだ。もっとも、相談という体裁で、業務提携などの思惑があるのでしょうけど。


「お前は、独裁は良くないと思っておるのか?」

「ターマの国も、独裁者のせいで滅びかけたことがあるやないですか」

「おまえはあほか?」

「え?」

「独裁にも、メリットがあるのじゃ。それは何じゃと思う」

「…」

「もう帰れ、お前。ワワンサキに行って、善良な庶民になれ」


 リーザちゃんに罵倒された相談客は、アンに追い立てられて帰って行った。


「独裁のメリットは分かるか?」


 次に来た客にも同じ事を聞いている。リーザ組が独裁政治だと批判されて、むかついているのね。


「意思決定の速さ、です」


 今度の客は即答した。ナニワ銀行の頭取にして、カステーラ帝国の初代女王、ヤード・バーズ。彼女は、カステーラ商会の丁稚だった。カステーラ商会も、独裁体制だった。


「致命的なデメリットは、無能がトップになると組織全体が死に至ること、です」


 その通りだろう。カステーラ商会の黒歴史だ。


「さすがは、カステーラ商会の生え抜きじゃ。クリームちゃんがいじめ抜いただけの事はあるのう」


 ヤードは、私には相談することなく帰って行った。何か、得るものがあったのかしら?

 リーザちゃんは途中で飽きたのだろう、カステラに夢中で、ヤードの話を聞いてもいなかったと思うのだけど。


「引退したご老公ごっこも飽きたのじゃ」


 国家の要職相手に遊ばないで欲しいのだけど。


「おやぶーん」


 王女達が帰ってきた。コルサちゃんは部屋に入るなり、駆け出して、リーザちゃんの隣に座った。


「おねえちゃんだれ?」

「え?」


 また始まった…。


 リーザちゃんが起きた時、最初に言ったことが。


「あれ…?ヤキトリは…?」


 この場に居ない者の名を口にするので、アンまでもが嫉妬した。私たちは殆ど寝ずに、面倒を見ていたのに。この子、すぐに布団を跳ね飛ばすのだもの。ドラちゃんとシズちゃんが来てからは、ずっと上に乗っかっていたので、やらなくなったけど。


「なんだ…夢か…食べりゃよかった…」


 半分寝言で、食べ物の方だったのだけど。次に言ったのが。


「おばちゃん達だれ?」


 だった。


「コルサちゃん。これは、エリアなにがしごっこだそうだから。叩いていいわよ」

「え?なのよ?」


 壮絶な戦いの末、魔王を倒した勇者は、絶命寸前で助かるのだけど。勇者になってからの記憶を失っていた。そういうお話なんだそう。いいお話だと思うけど、このタイミングで、そういうごっこ遊びをするのは、実にたちが悪い。


「い、いたっ!痛いのじゃー」

「なのよ!」


 やはり、リーザちゃんは弱くなっている。コルサちゃんに、すんなり叩かれている。


「ありゃ?おやびん弱くなってないですかー?」

「わしは0歳児じゃ。ダモン王女なぞに勝てるわけないじゃろ」


 私では敵わないだろうけど、コルサちゃんが抑えられる内に、再教育をしなきゃね。


「あー、親分。早速なんだけど。神殿の女神像なんだが」

「コピーは無理なんじゃろ?」

「そうなんだよ。どうするかい?」

「オリジナルを作りぁあええ。ノヴィちゃんにお願いするのじゃ」

「あ、ああ。そうだな、そうしよう」

「がってんしょうちのすけー」


 ハナちゃんもファズも、暗い顔して思いつめた様子だったのに、リーザちゃんの一言で解決してしまったようだ。リーザ組は、独裁かも知れなけれど、トップは異能だし、周りには黙っていう事を聞くような奴なんて居ないのだから。大丈夫よ。


「また適当なこといって。ノヴィちゃん、魔女教徒かも知れないじゃないの」

「おお、そうじゃった。あの紙芝居はそんな内容じゃったな」

「彼女なら、団子屋に居るから。行きましょ」

「そうじゃな!おしるこもうまいからの」


 即断即決は、リーザちゃんの得意とするところよ。深く考えてないだけなんでしょうけど。

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