今世の私
今回は、お母様と、リリちゃんと、私の話し合いです!
ちなみに全員美女、顔立ちはそっくり設定です。
どうぞお楽しみください!!
私はお腹いっぱいになった。だが、心は擦り削られている。
・・・恥ずかしかったよぉ。でも、赤ちゃんの本能だからしょうがないよね?はぁぁぁ。何があったかは察して………
そんなことをうだうだ考えていると、リリちゃんから軽く小突かれた。
(お母さんと話したいんでしょ?しっかりしなさい。)
こそっと話しかけられた。
それでは、気を取り直して。私は自分とリリちゃんの全身に身体強化をかけたあと、ハル兄を眠らせた。ちなみに、使った魔法は、『精神干渉』という、人を洗脳状態にするものだ。今回は軽めに、(あなたは眠い)という洗脳をかけた。
ハル兄が、何も言わずに眠ったことにお母様は、びっくりしたらしい。
「ハル?!どうしたのです?!しっかりして!」
口調は丁寧だが、随分と取り乱しているようだ。リリちゃんと、目があったので、大きく頷いてみせた。
リリちゃんは、お母様に声をかけた。
「ハルくんは大丈夫だから、お母さん、お話しよ?」
「リリ・・・いつもより、はっきり喋っていますね?何かありましたか?」
お母様は、多少理性を取り戻してきたらしい。今度は、私が説明をした。
「はじめまして、お母様。私達は、この世界の発展のために、異世界よりやってきました。つまり転生者です。ちなみにはっきり喋っているのは、私の前世での技術である、身体強化という魔法を使ったからです。魔法、と言っても理解できないと、思いますが・・・」
お母様は少し間をおいて、反応した。
「理解できますよ。なにせ、この研究所では、魔法の研究をしているんですもの。しかも、私は実験対象です。いやというほど分かっています。」
私とリリちゃんはサッと顔色を変えた。
「お母さん!実験って何をされているの?身体は?大丈夫なの?!」
「お母様?!魔法を使えるのですか?ちゃんと使い方を学びましたか?身体もそうですが、魔力を使いすぎると、命を縮めかねないんですよ?!」
お母様は二人の娘から詰め寄られ、苦笑した。そして私に目を向けた。
「私は見ての通り、大丈夫ですよ。そんなことより、まずは、あなたのことを話しましょう。」
「私のこと・・・ですか?」
「えぇ。あなたは、私と愛し合っている彼との間に生まれた、初めての子供よ。もちろん、リリも、ハルも愛しているわ。差別なんてしません。全員私の愛する子供です。」
その言葉に、うるっとしたリリちゃんは、お母様に抱きついた。
「おかあさぁん〜・・・うぅぅ〜」
私は、苦笑しながら、姉を諌めた。
「はいはい、話が進まないからね、リリちゃん。」
そんな私を、恨めしそうに見たリリちゃんは、しぶしぶと離れた。
「まず、あなたの名前は、アルトリア・シュラストライネ。ファミリーネームは、あなた達のお父様をから。名前は、私の一部を取って名付けたわ。ちなみに、わたしの名前は、ミラシュラネ。リリの本名は、シュラルリリー。響きがお揃いで、かわいいでしょう?あと、神々からは、ミドルネームが授けられるわ。ステータスと言ったら、いろいろ確認できるから、また後で見てくださいね。」
お母さんも、ニコニコしていて、とても美人さんだ。きれいな銀髪に、目は翡翠色をしている。
「お母さん、シュラストライネのことは、なんと呼んだらいいの?リリ、みたいに愛称を、つくるのよね?」
お母様は、おっとりと頬に手を当てて、私達に聞いた。
「二人はどう思うのかしら?」
私は、はっきりと主張した。
「私は、家族である二人に付けてもらいたいです。それだけで、どんな名前でも好きになります!」
「私が決めていいのなら・・・うーん、シュラ、は家族共通だから省くとして、ライネ、はありきたりだし、んんんんー。ごめん、私にセンスはなかったみたい。お母さんが考えてー。」
私達の様子を見たお母様は、くすくすと笑った。
「二人共、顔立ちは似ているとはいえ、もともと姉妹でもなかったのでしょう?でも、言動だと、とてもそっくりですよ?丸投げしてくるところが特に。・・・そうね、ストラ、トライ、ストライ、スライ、スイ!!スイなんてどうかしら?青みがかった銀髪に、ぴったりな涼し気な愛称よ。」
お母様が、自信ありげに笑う。
「いいと思う!」
「とても気に入りました!スイがいいです!」
「じゃあ決定ね。スイ、これからよろしくね。」
「スイ、よろしくー!」
「うん、よろしく。」
話が一段落したところで、私は別の話題を出してみた。
「お母様、少し重い話に、なりますが、よろしいですか?」
「構いませんよ。」
私は、ふっと息を吐いた。
「お母様は、愛し合っている方がいらっしゃると言いました。なのに、研究対象とは、どういうことでしょうか?助けてくださらないのですか?それとも、その方の合意のもとですか?」
お母様は、悲しそうに目を伏せた。
「彼の責任ではないのです。私の立場が難しいのです。」
「立場?」
「えぇ。私は、スイが生まれる前までは、銀髪の者のみが名乗れるたった一人の『銀の一族』だったのです。この研究所では、銀の一族にのみが使用できる特別な能力を研究しているのです。しかも、この国の最も偉い、王族が、後押ししているのです。誰も逆らえなかったのです。少し前までは、性奴隷のような扱いを受けていましたが、彼が止めてくれました。今では、それが、精一杯だったのです。」
なるほど。立場は、わかった。私は、自分なりに整理をした。
「つまり、銀の一族は、王族をも揺るがせられるほどの力を持っており、それを恐れた王族が、研究所という名の隔離施設に、押し込んでいる状態だと。それに抗えないのは、絶対であること。そして、その面倒な立場に私もあるということ。お母様、間違っているところは?」
お母様は、あっけに取られた顔をした。
「特にありませんね。スイは賢いのですね。」
「そう!私の妹は賢くて、かわいいの!」
なぜかリリちゃんが、鼻息を荒くして得意そうにした。
「ありがと。そっか、国の偉い人が関わっているなら、早いうちにここから逃げたほうがいいね。もちろん家族全員で他国に。」
「立案は、任せた!スイ!」
「家族全員とは、お父様も入れていいのですか?」
お母様は、不安そうに聞いた。
「信用たる人物だと断言できるのでしたら。」
お母様はあからさまにほっとした。そうこうしているうちに、私は心は決まった。 そしてぼそっとつぶやいた。
「最終手段として、取っておきたいから、一応ね。」
「?どうしたの?スイ?」
無邪気に見つめてくるリリちゃんがかわいい。
「ごめんね。リリちゃん。」
そう言って、私は、リリちゃんを眠らせた。ハル兄同様、精神干渉だ。私は、お母様に向けて、不敵に笑った。
「銀の一族や、その能力のことについて、知っていることをすべて教えてください。」
読んでくださり、ありがとうございました!
今回から、主人公の名前が決まりました!
最後まで、どうやってスイと、もじろうかを考えていました。ww
次は、お母様との二人きりの話し合いです!
次もお楽しみに!