プロローグ
初投稿なのでミスなどがあるかもしれませんが楽しく読んでくださるとうれしいです。
「ともくん今日も学校終わったら秘密基地に集合で員だよね。」
「ああ。俺も日直が終わったらすぐ行くからみんなも言っておいてくれ。」
「わかった。みんなに言っておくね。」
「先にみんなと遊んでるからな。」
そう言いながら幼馴染の愛と龍一は足早い炎天下の中教室から走っていった。
俺は中学3年生になる清水智明。俺は学校の仲がいいメンバーで秘密クラブ〈グランデ〉を作った。学年はまちまちだが毎日楽しく鬼ごっこや探検ごっこをして遊んでいた。
俺はこの毎日がとても気に入っていたんだ。家の近くの森に基地を作り毎日のように遊んで日が暮れると帰っていく、その淡々と流れる時間、夕暮れに向かいカラスの群れが飛び立っていくその情景を見ながら帰路につく。
今日も毎日のように遊ぶはずだったのである。ただ今日はやけに野良猫や近所の飼い犬が泣いていると思いながら日直を済ませすぐさま基地に向かったのである。
学校の校門を抜けまっすぐに続く坂を上り正面に見える山に面した森に基地がある。いつものように坂を上っていつものようにみんなの待つ秘密基地に向かっていると電柱の横で体育座りで顔をうつぶせたとてもきれいな紫色の髪をした少女がいた。
俺は心配になり声をかけてしまった。
「おい、大丈夫か?道に迷ったのか?それともどこか悪いのか?」
「みつけた」
そう声をかけると少女は顔を上げつぶやいた。俺は彼女の人形のような顔とビー玉きれいな瞳を見るとつい見惚れてしまった。
少しお互いがお互いを見つめる空白の時間が続いたがふと我に戻り言葉を切り出した。
「見つけたってなんだ。お前やっぱり頭でも打ったんじゃないか。」
「君には力がある。あなたは何色に人生を紡いでいるの。私は透明、何色にもなり何色にも染まることができる。あなたはきれいな色をしている。」
「おい、何言ってんだ。それに色って、俺は何色に見えんだよ。」
「ふふ、内緒よ。それにそれはあなた自身で見つけるもの、私が言うのはルール違反になる。」
「わけわかんねーよ。それよりお前も遊びに行こうぜ。友達が待ってるからさ。」
「面白そうね。でもあなたについてきてほしい場所があるの。あなたは私に出会って今日運命が変わった。ほんとは近い将来にでもその才能は開花されるはずだった、だけど今日私と会ったことでそれは開花した。」
「どういうことだよ。才能?開花?それにみんな待たせてんだよ。」
「あなたは気づかないのかした。空を見てみなさい。」
そこには空に飛んでいた鳥たちが空の上で止まっていたのである。周辺を見ると時間が止まっていた。
俺は自問を自分の中に投げかけた。世界が止まっている。これはどういうことなのかと。なぜ世界が止まっている?なぜ俺は動ける?なぜ彼女は動いている?
その時は自分も動揺していたのか愕然としていた。というかそれを通り越した逆に冷静になれたのかもしれない。自分でも思考はいつもより10倍ぐらい動いていると思えるほどに。
「君が驚くのも無理はない。私も驚いている。君はすごいね。ただ危うい。付いてくるといい。君が欲しい答えもわかるはずだよ。」
彼女はそう言いながら進みだした。俺も彼女の後を歩きながら夕焼けが染まる空の下に足音だけが木霊していた