55.防具作成
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腑抜けオーク共に活を入れ終えた仙と合流した。
「ご主人様、大丈夫ですかブ。」
「ああ、大丈夫だ。」
天国に期待を裏切られた俺がションボリしていたら仙が心配してくれた。
ありがとう仙。
でも仙の天国は代償が高いからダメなんだ。
やはり代償なしで何かを手に入れることはできないのだろうか。
いや、そんなことはないはずだ。
次だ、次こそは俺のための天国が手に入るはずだ。
『なんかカッコ良さげに言ってるつもりかもしれないっすけど、ただの下種っすからね。』
下種だと。
違う、これは男子の純粋な願いだ。
『そうっすかぁ。』
仙は俺の言葉を受けとった後も心配そうな顔をしている。
「仙、心配することたぁないよ。使徒様のいつもの病気さ。」
「びょ、病気ですかブ。すぐ村に帰って休みましょうブ。移動は風に乗せてもらうブ。」
「ワカリマシタ。ワタシガマスターヲハコビマス。」
『ププ、遂に病気扱いされたっすね。ヤッパリ旦那のエロ行為は異常と思うのはオイラだけじゃなかったすね。』
ち、違う。サクラさんは俺のことを異常なんて思ってない。
きっと、あれだ。サクラさんなりのテレ隠しだ。
異常だなんて思っていたら俺のお願いを聞いてくれるわけがないんだから。
『異常と思ってなくても呆れているのは確かっす。』
・・・よし少し気を付けてエロ行動をしよう。
『ムリっすね。そんなことしたら旦那のアイデンティティが崩壊するっす。』
そうか、アイデンティティがなくなるか。
それなら仕方ないな。
アイデンティティが崩壊したら俺が俺じゃなくなってしまう。そうならないためにもこれからもエロ行動をして行こう。
『そこは普通は否定するんじゃないっすか?なんかオイラがエロ行動をする理由を与えたみたいになっているっすけど、最初から自重する気なかったっすよね。』
どうやら初めてヤスに一矢報いたようだ。
とりあえず気分が落ち込んでいるのは確かなので風の背中に乗せてもらおう。
「それじゃ、悪いけどよろしく頼むな風。」
「オマカセクダサイ。マスター。」
ロボットのように話す風が気のせいかやる気に満ちたように感じだ。
「シッカリツカマッテクダサイ。イキマス。」
「へ?」
なぜわざわざそんなことを風が言ったのか分からないので確認しようと思っていると急に視界がぶれた。
「ヌオォォォォォ!」
「トウチャクシマシタ。」
「あ、ありがとう。ウプ。」
ちょっと酔ったかも。
風の機動力を見誤っていた。立体軌道とロボットスキルの組み合わせは凶悪だった。
魔糸生成で作り出した糸を木の枝に結び付けてターザンのように移動するのだ。
しかも立体軌道スキルのお陰か正確に木の位置が分かるため周りの木の幹を足場にして木から木へと跳ねるように飛び移るのだ。
飛び移るたびに魔力感知で見る景色が高速で縦横無尽に動いて酔ってしまったのだ。
そしてロボットスキルは正確な計算や測量に加えて身体を精密に制御することができることが分かった。
なぜならどう見ても通れないと思われる木々と枝の間を接触スレスレで何度も通り抜けたのだ。
むしろ俺の身体を掠ったことも何度かあったぞ。
「ご主人様。大丈夫ですかブ。」
「風の動きは凄かったね。とてもアタイじゃマネできないね。」
配下のアラクネに乗った仙とサクラさんが俺と風に送れて村の入り口にやって来た。
アラクネ達は帰路に着く前にキッチリあんでっと化スキルで配下にしていますよ。
風のお陰で確実に配下にできるのに放置なんて勿体無いことしませんから。
俺は勿体無いお化けの権化ですからね。
「まぁ、ちょっとした絶叫マシンだったな。」
「「絶叫マシン?」ブ?」
絶叫マシンは通じないよな。
この世界にジェットコースターがあるような遊園地はないだろうし。
何気に言葉が通じないのは初めてだな。
「え~と、スピードがあって心地よい恐怖を感じたんだよ。」
「心地よい恐怖かい?」
「ご主人様を恐怖を心地良く感じるんですブ?流石ですブ。」
スリルって言っても分からないと思ったけど、心地よい恐怖ってないわな。
異常心理者みたいじゃん。
「まぁ、良く分からないけど大丈夫だったってことだね。」
裁縫作業をするためにユズの家にやって来た。
オークとアラクネ達は森の中で待機してもらっている。
全員で800ほどの集団なので村に入れることはできない。
まぁ、もともと森の中で生活していたから問題ないだろう。
「ユズ、帰ったよ。」
「お帰りなさい。え?」
家の外に出てきたユズはアラクネクイーンの風を見てビックリした。
ここに来るまでも村の鬼人族の人たちも驚いてその旅に説明と紹介をしてきたのでこの反応は予想通りだ。
「彼女は今回俺の仲間になったアラクネクイーンの風だ。裁縫に使う糸も提供してくれる。」
「ヨロシク。」
「あ、はい。よろしくお願いします。」
風が短く挨拶して頭を下げるとユズも慌てて頭を下げた。
さて風は身体が大きいので家の中に入ると手狭になってしまうので外で四人の服を作ろうと思う。
「風、魔糸生成で糸を作ってくれないか。」
「ワカリマシタ。マスター。」
風が作ってくれた魔糸を受け取って裁縫魔法を発動させる。
「まずは仙からだ。」
仙にはメイド服だ。
紺色のクラシックなメイド服でエプロンとヘッドドレスは白。
それだけだと面白くないのでガーターベルトと純白のパンティとブラジャーもセットにしよう。
「《裁縫》。」
魔力を込めると一瞬でイメージ通りのメイド服セットが完成した。
「ありがとうございますブ。大事に着ますブ。」
仙にメイド服を渡して残り三人の服も作ろう。
サクラさんは改造軍服・スカートバージョン。
ユズはレースをふんだんに使ったゴスロリ風ドレス。
風は迷彩柄の軍服だ。
「風、次の糸だ。」
「モウシワケアリマセン。コレイジョウハツクレマセン。」
「え?」
「あぁ、やっぱりね。」
魔糸をこれ以上作れないと言う風に驚く俺と対象的に納得顔なのはサクラさんだ。
「使徒様。糸を無限に作れるわけないだろ。まぁ、明日になれば大丈夫だろうさ。」
「そうなのか風?」
「ハイ、ソウデス。」
仕方ない、三人のは明日作ろう。
アレ、今日一着しか作れなかったから三日掛かるのか。
まぁ、その間は他のアラクネから糸を回収してオークとアラクネ用の防具を作っておくか。




