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2.選択肢がない

夢から覚めるために夢の中で寝ようとする俺をなぜか邪魔をする美女がいる。

「俺の夢なのに俺の邪魔をするなよ。そういうわけでお休み。」

「だから寝るなって!」

「イテッ!暴力反対!ん?痛いってことは夢じゃないのか?」

俺の欲望じゃなくて理想の美女はなぜか暴力女だった。

おかしい俺の理想はお淑やかで男を立てる性格だったはずなのに。

そもそも痛みを感じるってことはこれは夢でない可能性が高くなってしまった。

すると残念なことに目の前にいる美しい女性は俺の理想の女性ではないのか

「フ~、やっと起きたわね。田中太郎。」

「いや俺は田中太郎なんて名前じゃないぞ。」

「そうなんですね。お名前をお聞きしても。」

俺の名前は田中太郎ではないのは確かだけど俺の名前が思い出せない。

う~ん、別に困らないな。

「思いだせんが寝たら思い出すかもしれん。というわけでお休み。」

「なんですぐ寝ようとする。起きろ。」

「うるさい目覚まし時計だな。」

「私は目覚まし時計じゃない。っというか今の状況でよく寝られるな。」

何を言っているんだ。眠くても眠くなくても眠れるだろ。

あ、思い出した。夢でもなくて理想の美女でもないのならこの人泥棒だ。

「泥棒は止めたほうが良いですよ。俺の部屋には金目のもの何てないです。それと警察には通報しないですから安心して帰ってください。」

俺の部屋から出て行ってくれさえすれば良い。それにこんな美女が捕まったら何をされるか分かったもんじゃない。

「私は泥棒じゃありません。それにここは私の部屋ですからどこにも帰りませんよ。」

なんと俺の部屋に勝手侵入したのに泥棒ではないと申しますか。

それにここが自分の部屋とはどういうことだ。

ん?俺の部屋のことを自分の部屋ということはつまり。

「妻か。俺って何時の間にか結婚してたのね。その辺の記憶がはっきりしないけどこんな美女なら大歓迎です。」

キタキタキタァ~!

今が我人生の絶頂期かもしれない。こんな美女が俺の妻なんて!

「え?え?何を言っているんですか?」

驚いた顔が凄く可愛いぞ。ああ、もう死んでも良いかもしれない。

「私はあなたの妻ではありません。神ですよ。それにアナタはすでに死んでいるのですから新たに妻を迎えることもできませんよ。」

「神なんているわけないじゃないですかぁ。それに死んでるなら俺は何なんだって話ですよ。」

どうやら俺の妻は世に言う残念美人さんらしい。

ウム、俺の理想とは違うけどそれも良いかもしれない。

「ホントです!私はイセカヘウムを管理している神なんです。私の世界を救ってもらおうと地球の神様に特別な魂を融通してもらったのにその魂は変な触手で胸を触ってくるし、私の言うこと聞いてくれないですぐ寝ようとするし、私が神だって信じてくれないし、胸を触ってくるスケベだし、何で助けてくれるはずの魂がこんなのなのよ。ウァ~ン。」

何か分からんけど美女が急に泣き出してしまった。

ど、ど、どうしよ。こういう時ってどうしたら良いんだ。

とりあえず、宥めるしかない。クッ、美女の涙とはなんて卑怯なんだ。

「え、え~っと、どうしたのかなぁ~、何でお嬢ちゃんは泣いているのかなぁ。お兄さんに話してくれるかな。」

「エッグ、エッグ。私は神様なのに信じてくれないの。」

ここは否定しちゃダメだよな。

「そっかぁ、神様なんだね。」

「お嬢ちゃん、神様なんだ。」

見た目は大人の女の子をお嬢ちゃんって良いのかなぁ。

ん?大人?なんかさっきよりちっちゃくなって可愛らしくなったるような・・・いや確実になってるな。

その疑問は後だ。とにかく今は宥めないと。

「う、うん。私が管理している世界のイセカヘウムが大変な状態になってるの。」

「世界を管理しているなんてスゴイね。」

「エヘヘ、イセカヘウムは私が初めて管理する世界なんだよ。それが今・エッグ・・大変・・エッグ・・なの。」

「ああ~、泣かないで、お兄さんも一緒に何とかできないか考えてあげるから。」

「ホント!」

お、やっと泣き止んだな。よしよしまだまだ油断はできないけどこの調子で行けば大丈夫だ。

「ホントホント。お兄さんに何でも相談して。」

「それじゃ、私と契約して!」

契約だと。それは悪魔の言葉だ。

一度契約をするとそれがどんな内容であろうと理不尽に履行を迫ってくるというアレか。

「契約、契約かぁ。」

「エッグ、やっぱり。私じゃダメなんだ。」

マズイ!また泣かせてしまった。

「ダメじゃない、ダメじゃないよ。契約の前に事情を説明して欲しいだけだよ。」

「エッグ、エッグ、分かった。」


幼女化した美女の説明はまとめるとこんな感じだ。

まずある程度記憶を持った魂を転生させるためには契約が必要。

契約内容は双方が同意し過度な不利益が生じない内容であること。

俺を転生させたい理由だが彼女が管理するイセカヘウムの異物である人族を滅ぼしてほしいとのこと。

なんで滅ぼしてほしいかというとイセカヘウムの人族は元々他の世界にいた生き物らしい。

ただ異世界から移り住んできただけなら良かったのだがイセカヘウムの環境を破壊して元々イセカヘウムの生き物であるハイエルフ、妖精、精霊、ドラゴン、天使等々を捕まえ隷属化している害悪以外の何者でもないとのこと。

そして薄々分かっていたけど俺は死んでいた。

「つまり死んでしまった俺を転生させてくれる変わりにイセカヘウムの環境を正常に戻してほしいってことで良いのかな?」

「うん!そうなの!」

フ~、すっかり機嫌も直ったな。

「やってほしいことは分かったけど、お兄さんにはそんな大それたことは出来ないと思うよ。」

「大丈夫!特別な魂を頼んで取り寄せたからお兄さんはスゴイ力があるんだよ。それに私の力も分けてあげるから。」

特別な魂って言われてもなぁ。記憶にある俺って特に優れた人間じゃない。

しかし、ここで断ったらどうなるんだ。

「興味があるから聞くんだけど、もし断ったら俺ってどうなるの。」

「魂を粉々に砕かれて新しい魂にリサイクルされるよ。昔は違ったんだけど最近は環境団体がうるさいんだって。」

魂が粉々に砕かれるって、環境団体さん何してくれちゃってんの。

これもう転生するしかないじゃん。

「そっか、そっか。それで契約ってどうするの。」

「私のお願いはイセカヘウムの環境を戻してもらうことだからお兄ちゃんがそれに対する対価を要求するの。」

対価、対価ねぇ。

う~ん、世界一の美女でも要求するか。

前世では美女なんて画面の向こう側の存在しか知らないしな。

「それじゃ、世界一の美女をお願い。」

「え!(世界一の美女って女神である私のことだよね。世界を救ってくれるしお兄さん優しそうだし良いかな。)」

「ん?対価が高すぎた?」

「ううん!そんなことないよ。大丈夫。これで契約は成立ね。それじゃお兄さんを転生させるね。」

「え!もう!」

転生前にもっと説明があったりするんじゃないの。

便利なスキルの選択とか。

「えい!」

俺の疑問をよそに転生ははじまり俺は意識を失った。

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