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第20幕
窓から見える星空は、十年前と何も変わらない。自分の煮えたぎった心が、あの日から何も変わっていないのと同じように。
十年という歳月。長かったのか短かったのか。
初めてこの粗末な家を見たときは、絶望し、その後あまりの皮肉に笑ってしまった。王の愛妾になる前は、これよりもっと貧相な暮らしをしていたではないか、と。
「姉さんは、今の私を見てどう思っているかしら。憎い女? それとも愚かな女?」
星々は思い思いにきらめいている。彼らは決して、地上を照らすために輝いているのではない。世界の法則は、全て自分勝手にできている。
「姉さんはずっと輝いていた。その光が何をもたらすのか、考えもしないで。ただ自分の好きなように。それがどれほど眩しかったか、姉さんに判るかしら」
リヨネッタは、手にした酒盃を飲み干した。
「私も輝いてみせましょう」
そして唇を引き締め、ある一点の方向を睨みつける。
「魔女リヨネッタの名に懸けて」
その視線の先には、宵の帳に包まれたミューキプン城が鎮座していた。




