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世界の理から外れた存在  作者: ユウミ
7/7

神との出会い

少し遅くなってすいません

ドパァン!


ボルティング(世界級迷宮)35階層に響き渡る1つの銃声。しかし、放たれた弾丸は12発。


俺はあの魔族(レプシウス)の招待を受けるためにリボルバーをもう1つ作成した。キラスとの違いはグリップ部分が黒色をベースに金色の装飾があることだ。名前は”タドミール”。しかし、リボルバーが2丁になったことで装填がしにくくなったため、キラスのシリンダー開放方式をスイングアウトからトップブレイクに変更し、タドミールも同様に作成した。


2丁のリボルバーから放たれた12発の弾丸は、それぞれ別の軌道を描きながら寸分違わず12匹の蛇の魔物(サーペント)を吹き飛ばし、背後から襲いかかってきた2匹の蛇の魔物(サーペント)をステップで交わしその間にリボルバーの装填を完了させ、頭を撃ち抜く。


その後も蛇の魔物(サーペント)猪の魔物(ワイルド・ボア)などの魔物を倒しながら下層へと下っていき、40階層から41階層へと続く階段の前で階層ボスと出会った。



そいつは神話に出てくる旧神の炎の精(クトゥグア)だった。大きさは普通の人間と変わらないが、実体を持たず全身が炎で覆われている。


30階層にも神話の生物(ミノタウルス)がいたが、この迷宮(ボルティング)は一体なんなんだ?


俺はとりあえずキラスを1発撃ってみたが、当たる前に()()した。それがわかっていたのか炎の精(クトゥグア)は微動だにしなかったのがイラっとした。


今度は防御魔法を付与した弾(アミナ弾)を撃ってみた。


キュバン!


独特な音を響かせながら炎の精(クトゥグア)に迫る。弾丸全体が防御魔法に覆われているため、撃鉄が防御魔法を叩く独特な音が鳴るのだ。


炎の精(クトゥグア)に迫った弾丸(アミナ弾)は蒸発せずに炎の精(クトゥグア)の肩を()()()()()


「貴様、我の身を傷つけるとは大したものだ。貴様を我の全力を出すに値する敵と認めよう」


「お前喋るのか....」


魔物、といっても炎の精(クトゥグア)は神だが、喋るとは思ってもいなかった。


「今の弾は防御魔法と別に、破壊魔法も付与していたんだ。あんたは実体を持たないから、普通の弾丸だと()()()()()と思ってな」


「それは見事な観察力だ。お返しとして我の力も見せるとしよう」


炎の精(クトゥグア)はそう言うと、()()()に現れた。そして、炎を纏った拳をストレートに突き出してくる。


動いたのがわかった瞬間に後ろに下がってなければ、この一撃で致命傷だったかもしれない。


「神にも近接タイプっているんだな」


そんなアホなことを考えながら炎の精(クトゥグア)に10発の弾丸を浴びせる。もちろん全てアミナ弾だ。


壁や天井を使って反射させた弾丸は炎の精(クトゥグア)を前後左右あらゆる方向から襲いかかるが、その全てを体の捻りだけで躱し、俺の背後に現れ再び拳を放ってくる。これは躱せないと判断した俺は炎の精(クトゥグア)に向かってアイネ・ドルック(対物上級風魔法)を発動した。


アイネ・ドルック(対物上級風魔法)は空気を圧縮し衝撃波を生み出すことで攻撃する魔法だ。比較的魔法陣が簡単なため威力や範囲を調整しやすく、魔力のコストパフォーマンスもいい。


こんな魔法(アイネ・ドルック)を使ったところで炎の精(クトゥグア)を倒すことはできない。しかし、俺の身体を吹っ飛ばすのには最適な魔法だ。


衝撃波を利用して炎の精(クトゥグア)から逃れた俺はタドミールを仕舞い、次元空間からアフェクシオンを取り出し、右手にアフェクシオン、左手にキラスを装備する。


身体強化を施し、強化された脚で地面を蹴り炎の精(クトゥグア)に斬りかかる。それを炎の精(クトゥグア)は難なく躱し、蹴りを放ってくる。


炎の精(クトゥグア)の一撃は速い上にダメージが大きいため厄介だ。


炎の精(クトゥグア)の蹴りを(アフェクシオン)で逸らしてキラスを発砲する。


そんな攻防が入れ替わる戦闘を10分ほど続けたが、炎の精(クトゥグア)が吐血したことで終わりを告げた。


「これは....毒か?」


「そうだ。あんたが拳で剣を受け止めるたびに毒を魔力を通して流させてもらった。気づかれないようにするのが大変だったよ」


「旧神とはいえ、我に毒を盛るとは....変わったやつだな」


「よく言われるよ」


「だが、ここからどうするのだというのだ?貴様が我に対する決定打を持たない、故に貴様が我を殺すことは不可能であろう?」


「本当に決定打を持たないと思うか?」


「....何?」


「確かにあんたは実体を持たないから()()は殺すことなんてできない。だが、神にも魔力がある以上、魔力暴走を起こさせることは可能だ」


「貴様、まさか魂を破壊する気か!?人間ごときに神の魂を破壊することなどできるはずがない!」


「だから()()はと言っただろ?俺の膨大な魔力を強引に体内に流し込むことで魔力暴走は起こせる」


ゆっくりと毒が完全に回って体を動かすことができない炎の精(クトゥグア)に近づく。


「待て!やめろ!!やめてくゴアッ!」


炎の精(クトゥグア)の頭をキラスで吹っ飛ばした。


「うるさいから黙っててくれ」


ありったけの魔力を炎の精(クトゥグア)に注ぎ込み、魔力暴走を引き起こさせる。


魔力暴走は神といえど抑えることはできない。起こったが最後、体内から崩壊が始まっていく。


炎の精(クトゥグア)の最後を見届けた俺は、41階層へと続く階段を降り始める....

もうそろそろ主人公の過去編を入れようかと思ってます。

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