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世界の理から外れた存在  作者: ユウミ
4/7

買い物

今回はまったりしてます

「いらっしゃい、いらっしゃい!」

「新鮮な魚はどうだーい!」

「今なら全武器12,000Geldだよー!」


あちこちでそれぞれの店を宣伝する声が飛び交っている。


今日はエリィの装備を買うために商店区に来ている。


商店区には様々なものが置いてある。日用品から大人の道具までいろいろだ。


「わぁ!見て見て!キレイなスカーフ!」


エリィがここまではしゃいでいる姿を見るのは久しぶりだ。せっかくだし3枚ぐらい買ってやるか。


「おっちゃん、これいくらだ?」


「3枚で5,000Geldだよ」


「3,400にしてくれないか?」


「それは無理だなぁ〜 4,200でどうだい?」


「3,800で手を打ってくれ」


ここで少し”威圧”をかける。


「わかった、3,800でいいよ」


「ありがとう」


それぞれ違う色のスカーフを買ってエリィにプレゼントする。


「え?いいの?あ、ありがとう....」


少し顔を赤くしながら嬉しそうに受け取ってくれた。


「どう?似合ってるかな?」


緑色のスカーフを巻いたエリィは、可愛さに可憐さが合わさってとても美しい。


「あぁ、とても似合ってるよ。ずっと抱きしめていたいぐいに」


周辺の人から鋭い視線が刺さるが、気にしない。もともと注目されるのには慣れている。


「え!?街中でそんな恥ずかしいこと言わないでよ!」


「まぁまぁ、事実だしいいだろ?そんなことより、もうすぐ武器屋に着くぞ」


「いらっしゃい!彼氏さん、このロングソードはどうだい?初心者でも使いやすいように少し加工してあるんだ。特別に15,000Geldで売ってあげるよ」


隣でエリィが「そんなことってなによぉ」と不貞腐れているがスルーだ。


「いや、俺は装備があるから大丈夫だ。それより、刃渡り82cmぐらいのサーベルって置いてるか?」


「これでいいかな?」


「ちょっと手に取ってもいいか?」


「あぁ、もちろん」


少年が渡してくれたサーベルはシンプルだったが、剣身に核が使われていた。ただ鉄を練成して作る剣よりも切れ味や強度が倍以上になる。


「この剣は君が?」


「そうだよ。その剣は僕が初めて核を使って作った武器なんだ」


「初めてにしてはいい出来だ。これを買わせてもらうとしよう。いくらだ?」


「40,000Geldだよ」


「その値段なら言い値で買おう」


そう言って代金を払おうとしたら、エリィが慌てて俺のことを止めた。


「ちょ、ちょっと待って!こ、こんなに高いの買うの!?私の武器なんかもっと安いのでいいよ!」


「安いの買って怪我したらどうするんだ。とにかく、装飾は俺がつけてやるからこれでいいだろ?」


「別に装飾はなくてもいいけど....ありがとう」


エリィはまだ納得していないのか微妙な顔をしている。


「えっと、40,000Geldだっけ?」


「ああ、だけど言い値で買ってくれるのかい?」


「この剣はそれだけの価値があるからな」


「その言葉はありがたく受け取っておくよ。言い値で買ってくれるお客さんなんて君が初めてだよ」


代金を渡してサーベルを受け取る。


その後、防具やポーションなど、戦闘に必要なものを買って宿に帰った。



* * * * *



宿に帰ってきた俺はエリィがお風呂に入っている間に、サーベルに装飾をつけることにした。


グリップの部分に金色の花の模様を施していき、ほかの部分はラピスラズリ鉱石を用いて明るい青色にしていく。鍔の部分は軽くラインを入れるだけにしといた。剣身は俺のアフェクシオンと同じ黒色にして、補助魔法を付与していく。


作業を始めてから30分後、すべての作業が終わった


もともと質が高かったが、俺の改良によりさらに良くなった。一般的な武器が10rkから20rkなのだが、この剣は28rkといったところだろうか。ちなみに、アフェクシオンは46rkだ。


rk(ランク)は武器や防具の性能を示し、数値が高いほどいい装備になる。


「俺の剣に名前をつけてくれたお返しに、この剣にも名前をつけてやるか」


俺は脳内辞書を駆使して最適な名前を考える。そして俺は12分ほど悩んだ後”オビディエント”という名前をつけた。「素直」という意味だ。


その後、お風呂から上がってきたエリィがオビディエントを見てとても喜んでくれた。だが、喜んでくれるのはいいのだが、剣に見惚れながらうっとりとした表情になるのはやめていただきたい。いや、少し妖艶さがあるエリィも、ありかもしれない....


「アルヴァ?どうしたの?」


そんなことを考えていたらエリィに話しかけられた。俺は動揺を悟られないようにして答える。


「いや、ちょっとエロいなって思っただけだよ」


急に話しかけられて自分で思っていた異常に動揺していたらしく、とんでもない発言をしてしまった。しかも真顔で、だ。言った後でヤバい!と思ったが、もう遅い。


「あ、いや、これは、その....ごめん」


謝りながらエリィを見てみると、固まっていた。


「え、えっと、エリィ?」


何を言われたのか少しずつ理解してきたのか、だんだん顔が赤くなってきて少し涙目になっている。


「え?え....?えっと、その....え〜と...」


どう反応すればいいかわからないのか、口をパクパクさせて視線があっちへ行ったり、こっちへ行ったりしている。


「俺、寝るよ....おやすみ.....」


逃げるようにして(実際逃げているのだが)ぎこちない動作で自分の部屋へ向かった。




その翌日、しばらくエリィが目を合わせてくれなかった。

次回から少し戦闘が入ってきます

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