いつもの日常
2019/1/7 1話と2話を大幅修正し、結合しました。
カチッ!
普通に迷宮の通路を歩いていたら、まるでスイッチを押したかのような音が響いた。
「なんの音だ?」
その直後、ギュィィィィィン!という聞き慣れない音が耳をつんざき、半径5mほどの魔法陣が展開される。
反射的に思考加速をLv8まで引き上げて魔法を解除したが、思考加速を限界近くまで使用したことと、解除に莫大な魔力を使用したことで少し頭が重い。
「なんでこんな低階層に伝説級の罠があるんだ。100階層より下にしかないはずだろ」
迷宮に愚痴をこぼして、少し休むことにした。
バックからサンドイッチを取り出し、豪快にかぶりつく。
このサンドイッチは俺のパートナーであるエリィの手作りだ。
ふかふかのパンに新鮮な野菜、そしてほどよく脂がのった肉。何個でも食べれそうだ。
「やっぱりエリィのご飯は美味しいな」
3つあったサンドウィッチを全て食べて宿に帰った。
☆
迷宮を出て宿に向かっていた俺は、大男に話しかけられた。身長が190cmはありそうだ。
「兄ちゃん、この前は世話になったな。俺に決闘で勝つとは、一体どんなイカサマを使ったんだ?こっちは兄ちゃんのせいで軍をクビになったんだ。タダで帰れるとは思うなよ?」
「は?お前誰だよ?あいにくこの容姿のせいで絡まれることが多くてね。いちいち覚えてねぇよ」
俺の容姿は白が混じった金髪に赤色の瞳。この国では金髪はかなりめずらしいし、赤色の瞳は俺以外に見たことがない。そのためよく絡まれるのだ。迷惑でしかない。
「てめぇ!俺を覚えてないだと!俺の職と嫁を奪っておいて、ふざけんな!!」
「そう言われても覚えてないものは覚えてないんだ」
「黙れ!もういい、俺には失うものはもう何もない。お前を殺してやる!」
そう言うと大男は剣を抜きこちらに斬り掛かってきた。軍にいただけはあるのか、なかなか速い。並みの冒険者だったら躱せないだろう。仮に受け止めたとしてもすぐに武器を弾かれて終わりだ。
しかし俺は上から振り下ろされた剣を一歩後ろに下がって躱し、地面に刺さった剣を踏みつけて抜けないようにする。
「ッ!?剣が抜けないッ!?」
焦っている大男の額に銃口を向ける。
「先に襲ってきたのはお前だ。俺に殺されても仕方ないよなぁ?」
どこぞの不良みたいなことを言いながら威圧してみる。
「や、やめ!やめてくれ!すまなかった!命だけはァ!」
じょばぁ〜
大男の股間から液体が流れ出ている。
「随分都合のいい奴だな?先に殺しにかかってきといて殺さないでくれ?ハッ、笑わせないでくれよ」
「何でもやる!金でも何でも!だから頼む!命だけは!」
「何でもだな?だったらお前の生殖機能をもらっていこうかな」
「は?生殖機能?それはいったい....」
俺は額に向けていた銃口を男の股間に向け、引き金を引いた。
ドパァン!
うギャァ!
重い銃声の後に聞こえる悲鳴。
今日この世界から、1人の男が消えた。
俺は再び宿に向かって歩き出す。
☆
「戻ったぞエリィ。少し遅くなった」
いつもならすぐに元気な声が聞こえてくるはずなのだが、返ってこない。
「おいエリィ?」
警戒しながらリビングに入っていくと、ソファーに横になって寝ているエリィがいた。
起こさないように気をつけながら毛布をかけてから、俺は風呂に入った。
心地よい温度の風呂は迷宮の戦闘で疲れた体を癒してくれる。
風呂を上がるとすでに23時になっていた。
ソファーで寝ているエリィをベッドに移し、毎日エリィがベッドメーキングしてくれているおかげでふかふかなベッドに倒れこむようにして眠りについた。
他の部分も大幅に修正するかもしれません。