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オークの世界は大変なのです。

はじめまして。オークサーの姫になるまでは長い道のりがありますが頑張ります。(主人公が)

私、オーク。去年生まれたばかりの女の子。名前はミノア。

オークは成長が早いので生まれて半年もすれば立って歩けるようになるし体もすでに『小学生』ぐらいまで大きくなって大体3年くらいで成人するの。

私の生まれた集落は山奥の小さな洞窟なんだけど、私が生まれる前に大きな戦争の為お父さんたち男衆はみんな駆り出されて今ここには音藍よりと女と戦の後に生まれた子供しかいない。

狩りや食料の調達をする男手がいなくなったのでお母さんたち大人が代わりに森で果物を取ったりわなを仕掛けたりしてなんとか必死に食いつないでた。

狩りの道具も罠の仕掛けも戦争で武器になりそうなものはみんな持っていってしまったせいで、あるものでなんとかまかなうのはすごく大変だってお母さんたちはぼやいている。


少し前に熱病が流行って私たちを育ててくれたお年寄りたちがみんな死んでしまい今は子供の中では一番身体の大きい私が頑張って小さい子の世話をしてる。

早く戦争が終わってお父さんたちが帰って来たらいいのに。


「ミノアは賢い。子守りも上手でよく気が利く。とても生まれて1年の子供とは思えない賢さだ。たまに私たちの知らない言葉を使ったりもするし、もしかしたら神の加護があるのかもしれないね」


私を可愛がってくれていたおばあちゃんがそういっていつも褒めてくれたのに、今はもういない。

神様の加護なんて本当にあるなら私にみんなを幸せにする知恵を下さい。

寂しくて、辛くて眠れない夜に星を見上げながら手を合わせて祈る。

その時、たくさんの星が流れ私は言葉を忘れてソレを眺めた。

吉兆なのか凶兆なのかわからない。

初めて見る壮大な天を川のように流れていく星々がとてもきれいで、辛かったことも忘れて時間を忘れて青い夜空を白い尾を引きながら流れていくいくつもの流れ星の美しさにただただ見とれていた。


「『流星群』なんて初めて見た…」


大量の流れ星がやがて数本の軌跡を残しやがて『世紀の天体ショー』が終わりを告げて、思わずつぶやいた言葉におばあちゃんの言っていたことを思い出す。


『流星群』…思わず出てきた言葉、誰に習ったわけでもなく私は知ってた。そういえば『小学生』なんて…この世界に小学校なんてあるわけ…この世界って…なんだろう、普段何気なく使っていた知識がどこから来たのか突然不安になった。足元がガクガク震えて立っていられない。

息がうまくできなくてうずくまって胸を抑える。苦しい…目がくらんでもう……

私は……一体。


混濁した意識から目覚めた時、頭の中は随分とすっきりしていて、謎の記憶がどこから来るのかという不安はもうなかった。


何故なら…私は思い出したのだ。

前世がブラック企業で過労死した社畜(男性享年27)だったことを。

生まれ変わってオークの幼女ってどういうことなの!?



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