保安隊海へ行く 139
脳みそがゆすられるような振動を感じて誠は目を覚ました。
「ようやく起きやがった。この馬鹿」
目の前には要の顔がある。誠は飛び上がって周りを見回した。プラモと漫画、それにアニメのポスター。自分の部屋だった。頭は割れるように痛い。
「西園寺さん、なんで僕の部屋に……」
「もう十時過ぎだぞ。荷物着いたから早く着替えろ」
そう言うと要は出て行った。
要、アイシャ、カウラの引越し。要の荷物がほとんど無いのは良いとして、アイシャの荷物は予想がつくだけに恐ろしい。誠はあまさき屋で意識を飛ばしてから、どうやって自分の部屋でジャージに着替えて眠ったのかまったく覚えていなかったが、良くあることなので考えるのをやめた。
B級特撮映画の仮面戦隊トウリアンのロゴがプリントされたTシャツを着て、ジーパンに足を通す。二日酔いの頭が未だに完全に動いてくれてはいないようで、片足を上げたまま転がる。
「おい!」
今度入ってきたのはキムだった。
「何遊んでんだ?早く手伝え!」
それだけ言うとまた部屋の扉を閉める。とりあえず誠はベルトを締めて、そのまま部屋を出た。ムッとする熱気。昨日よりも明らかに暑い。誠はそのまま廊下から玄関に向かって歩く。
「西!とりあえず下持て!」
「キム少尉、無茶ですよ……って神前曹長!手伝ってください!」
大きな本棚をもてあましている西が声をかけてくる。誠は仕方なくそちらの方に手を貸した。
「西、もう少し端を持て。キム先輩、大丈夫ですか?」
「無駄に重いなあ。誰かこっちも一人くらい……」
表からやってきたサラが力を貸す。
「じゃあ行きますよ!」
そう言うとキムの誘導で本棚は廊下の角に沿って曲がりながら進む。
「キム先輩。島田先輩はどうしたんですか?」
「島田は今日は昨日のお客さん達のM10の受領に関する打ち合わせだ。それに菰田と愉快な仲間達はシンの旦那から説教されるって話だ。とりあえずここで良いや」
アイシャの部屋の前でとりあえず四人は一休みした。




