保安隊海へ行く 134
「じゃあそこに場所とってあるからさ。さっさと始めちまうか」
嵯峨が上座のもう一つのテーブルを指差す。明華はいつも通り、明石はどこか遠慮がちに席に着いた。
「えー、それでは皆さん」
ビールを注ぎなおしたグラスを掲げる嵯峨。一同もビールやウーロン茶を掲げる。
「このたび、ようやく明石の奴が覚悟を決めて人生の墓場に転落することになりました」
そこまで言って嵯峨は隣のテーブルを見た。明華がきつい視線を嵯峨に送っている。
「まあいいや、とにかくめでたいので乾杯!」
一同がグラスを合わせる。シャムはクラッカーを鳴らし、どこから持ってきたのか島田が太鼓を叩いている。
「ごめんね!遅くなっちゃったわね」
そう言いながら入ってきたのはリアナだった。
「本当におめでとう!明華!」
サラが慌てて注いだビールのグラスを明華に向かって掲げるリアナ。
「リアナ。あなた健一さんの実家にいたんじゃなかったの?」
「馬鹿ねえ!そんなこと気にしなくていいわよ。二人の仲じゃないの!」
不思議そうな視線を投げる明華に笑顔で答えるリアナ。
「さあ、めでたい席ですからね。たくさんお食べになってください」
そう言いながらもつとキャベツが乗った皿を運ぶ春子と小夏。その様子を見ると要はすばやくテーブル中央の鉄板に火を入れる。
「明華、飲んでね」
グラスにまだ半分以上ビールが残っていると言うのに、リアナは瓶を持ったまま待機している。
「鈴木さん。ワシ等もうかなりできあがっとるんで……」
「じゃあ明石さんが飲めばいいじゃない」
そう言うとリアナは空になっていた明石のグラスにビールを注ぎ始めた。
「そう言えば姐御にはお世話になってるからな」
「おい、西園寺。なにかたくらんでいるな」
カウラの言葉ににやりと笑った要は、ビール瓶を片手に明華のところに近づいていく。
「止めとけばいいのに。誠ちゃんもう空けたの?じゃあ私が注いであげる」
そう言うとアイシャが誠にビールを注いでやった。




