保安隊海へ行く 104
「すいませんねえ、待っていただいちゃって」
島田、サラ、パーラが出勤しようとする当番隊員を押しのけて入ってくる。
「別に待ってなんかいねえよ」
そう言いながらトレーの隅に残ったリゾットをかき集める要。カウラは散々文句を言いながら旨そうにリゾットを食べる要をいつものような冷めた目で見ている。
「ちゃんとおやつも買ってきたよ」
サラが机の上にポテトチップスの袋を置いた。さらに島田、パーラも手一杯の菓子やジュースをテーブルに広げる。
「ちょっと弁当食いますから。ジュン!後のことは頼むわ」
コンビニ弁当を広げる島田。愛称のジュンと呼ばれたキムはやかんから注いだ番茶を飲み干すと立ち上がった。
「じゃあ自分等は掃除の準備にかかります」
キムはエダ、そして食堂の入り口で待っている西をつれて消えた。
「誠、食い終わったか?」
番茶をすする要の視線が誠を捕らえる。
「まあどうにか。それじゃあ島田先輩、僕達も行きますよ」
「頼むわ。すぐ追いつくと思うけど」
誠は島田の弁当を見て驚いた。もう半分以上食べている。
「島田先輩、よくそんな速度で食えますね」
「まあな。俺等の仕事は時間との戦いだからな。神前もやる気になれば出来ると思うぞ」
一口でメンチカツを飲み込む島田。
「そんなことはどうでも良いんだ。サラとパーラ。ヨハン達を手伝ってやれよ。それじゃあ行くぜ」
立ち上がった要は、トレーをカウンターに持っていく。
「私達の分も持ってってくれたら良かったのに」
そう言いながらカウラと誠のトレーを自分の上に乗せ、カウンターまで運ぶアイシャ。
「別にそれくらいで文句言われることじゃねえよ」
要は頭を掻いた。
「それじゃあ行くか」
立ち上がったカウラと誠。ようやく決心がついたとでも言うように、菰田とヒンヌー教徒もその後に続く。
「菰田達!バケツと雑巾もう少し物置にあるはずだから持ってきてくれ」
食堂の入り口から覗き込んでいるキム。仕方が無いという表情で菰田、ヤコブ、ソンが物置へ歩き始めた。




