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憂鬱な入学4
イオン君と軽く談笑しながらついた教室の扉を開け入るや否や、なんだか教室真ん中を境目にして黒と紅のブレザーが互いに集まり睨み合っていた。
思わず、え?と小さく呟いた私は仕方ない。
何してるんだろう、この子ら。
ちなみにお伝えし忘れていたが、私は勿論黒でイオン君は紅である。イオン君裕福な家だって。え、意外?私もそう思う。
「なんだか凄い失礼な事を言われた様な・・・」
「気のせいだと思う」
意外に鋭いイオン君に首を横に振り、気のせいだとつたえてあげれば、苦笑いをこぼされる。何故バレてる。
とは、さておき。
どうしてこうなっているのだろう。
よく見れば黒の生徒達は睨んでるというよりかはなんだか紅の方に何処か怯えていて、紅の生徒達はそれを気にくわなさそうに冷たい視線で黒を見つめている。
「なんで俺達みたいな裕福でエリートな奴等とお前らみたいな平民で魔力もしょぼい奴等と同じクラスな訳?」
いかにも気にくわないという理由がダサすぎて思わず笑いそうになる。