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それでも姫様は頑張らない  作者: あんだんご
4/9

強まる力




今日はなんだか気分が良く、朝から家の庭で歌を歌った。


歌えば歌うほどテンションがあり、自分でも珍しい程にけらけら笑いながらはしゃいでいれば、いつの間にか森の動物や精霊達が集まりだし、鳴いたり歌ったり私の周りをくるくると楽しそうに回ったりし始めた。





私も便乗して下手くそなステップを踏めばそこから木々が生え、身が実り枯れてた花が息を吹き返す。みるみるとあたりが一層に緑、赤、桃色、青、紫と世界の色に染まるのが瞳に映る。


それがなんだかたまらなく嬉しくて楽しくて。


しばらくけらけらと声を出して笑っていれば、にこにこ笑った精霊達がこんにちは姫様と丁寧に挨拶をしてくれた。


こんにちはとぺこりと挨拶すれば、

精霊達もぺこりと頭を下げてくれる。


それがなんだか面白くてまたしばらく森の住人達と機嫌よく遊んでいれば、母にご飯を呼ばれ歌うのをやめる



『ええー!?もういっちゃうのー?』


『もっとあそぼうよ!ひめさまともっとあそびたーい!』


ぶーぶーと子供の様に文句を言いだす精霊達と、少ししょぼりして私を囲む動物達にごめんねと謝れば、彼等は仕方ないと言って諦めてくれる。


『あのみこさまによばれたらしかたないー』


『みこさま、えらいひとだもんねー!しかたないー!』


『ひめさままたあそぼーね!!』


ばいばーいと手を振り姿を消して行く精霊達をおいかけるように動物達も元いた場所へと帰っていく。


その後ろ姿に手を振り自分も家に戻れば母がキッチンでスープをあたためていた。


その後ろ姿を見つつ、私はふと疑問に思ったことを自分では気づかないのうちに呟いていた。


「あれ?私、精霊達と喋れてたっけ?」


生まれてこのかた、精霊は幾度も見たことはあるが、喋れた事はあったけ?

うーんと考えるも答えは出てこないので、まぁいいかと勝手に自己解決をして手を洗いにお手洗いへと移動した。




そんな私の後ろ姿を今度は母が心配そうな瞳で見ていたことも知らずに。

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