ACT.57 ヒマワリからの手紙
夕方6時……。
クレ●ジーケ●バ●ドの楽曲「発光!深●族」のメロディーが響くレストランの中、窓際の席にRB20三人衆が会話していた。
「聞いてほしいんやけど、昨日の深夜に緑色のSW20、葛西ヒマワリに抜かれたんや」
「川畑はんと一緒に走っていたけど、そのSW20はすごい加速力でくにちゃんのHCR32と川畑はんのA31を追い抜いていったんだ」
川畑と小鳥遊が今日の深夜、ヒマワリのSW20に追い抜かれたことを熊九保は話している。
「昨日智さんと大崎さんとドライブしていた時、カップルが会話していたのを思い出したよ。“ヒマワリのSW20はパワーはサクラの80よりいけど、加速はサクラの80より上”って」
昨日のカップルの会話を思いだしながら熊九保は話す。
「加速力すごいな……高速セクションだと大崎はんは離されたり、抜かれたりするで──」
「ミッドシップの恐しさは加速だけじゃあないよ。コーナリング性能も鬼だよ。ミッドシップは重量バランスが良いからコーナリングでもとっても速いよ──」
熊九保が語るのにSW20はコーナリングも速い車だ。
加速もコーナリングも速い──両方共良いと恐ろしい車と言いたい。
「加速もコーナーも速いんかァ」
「相手にしたらヤバいかも──」
加速もコーナリング性能も良いSW20に乗るヒマワリは、もし翔子とバトルすることになったら強敵かもしれない。
「あッ! 智さんのR35だべッ!」
「ホントや! 智さんが乗る銀色のR35が道路におるでッ!」
窓際から智のR35が交差点にいる所を見える。
「本当にいるのォ!? くにちゃん、見に行ってくるよッ!」
本当に智のR35かどうか確認するために小鳥遊は席を立ってレストランを飛び出し、交差点へ向かった。
「智さんのR35どこかな~? うわぁ!」
レストランを出て交差点に着いた小鳥遊は驚きの光景を見る。
「キ、キスをしているッ!?」
ガラス越しから見た光景、運転席の智が助手席に座る翔子にキスしていたのだ。
それを見た小鳥遊はビックリッ!
小鳥遊はレストランに戻ってそれを報告する。
「大崎ちゃん、智さんとキスしていたよッ!」
「じぇッ!?」
と、これを聞いた熊九保は驚きの声を上げる。
「熊九保はん、これは岩手の言葉やで」
「はい、分かったべ」
“じぇ”は福島の言葉ではない。
「実は大崎ちゃんなんだけど──智さんと「LOVE」な感じでつき合っているかもッ!」
「おらたち、ゴールデンウイークの思い出は智さんとのドライブだけなのにィィ!!」
智たちのデートを見て、RB20三人衆は余程うらやましいようだ。
翌日、連休が終わって普通の平日へと戻る。
午後5時の大学の自動車部部室、今日は久しぶりの部活動だ。
RB20三人衆と末永姉妹もいる。今日は智が仕事なので、智と翔子は来ていない。
「熊九保は連休なにをしていたの?」
「おらたち何もしていないよ。したことは3日にモミジ戦を観戦したり、5日に智さんとドライブしただけだよ」
「じゃあ大崎さんは来ていないけど、大崎さんは何していたか熊九保は見てる?」
「モミジと勝負したり、智さんと車内でチューしていました」
翔子と智がR35車内でキスしていたことを話すと末永姉は驚きの声を上げる。
「大崎さん、智さんとチューしていたの──これって……これって女同士なのにLOVEじゃないのォ?」
思わず顔を金魚のように赤くし、
「キャーーーーーーーーー!! 大崎さんと智さんって恋人同士だったなんてェーーーーーーーーッ!」
と声を挙げた。
翔子と智が百合カップルということを知ってしまった。
トントン、とノックの音がして誰か来る。
「自動車部の皆さん、お手紙です。是非読んでください」
ここの大学の学生である葛西モミジが来た。
そのモミジは手紙を自動車部に届けてきたのだ。
手紙を渡した後はここを去る
「手紙なのね……読んでみたほうがいいわ」
送られた手紙を末永妹に渡し、読ませる。
「拝啓、大崎翔子様へ。この葛西ヒマワリが姉と妹の負けたぶんを倍返ししてもらぜ。今度の日曜日23時にバトルだッ!」
内容は挑戦状だった。
「大崎さんとバトルって……」
「葛西ヒマワリという名前を実はうちら、送り主のあいつに抜かれたんや!」
「へぇェーーーーッ! 川畑、あの葛西ヒマワリに抜かれたのッ! 熊九保が葛西ヒモミジが抜かれたみたいに──」
「くにちゃんも抜かれたよ──すごい加速だった」
川畑と小鳥遊が抜かれたことを末永姉妹に言う。
「葛西ヒマワリの車はミッドシップ。性能勝負じゃあ負けるかもね、腕の面はヒマワリってドライバー歴の割には腕がいいから、腕だけじゃあ勝てないかも……」
ヒマワリは速い。車の性能はとても速く、翔子を腕でも勝てない相手になりそうだ。




