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ACT.54 破天荒少女ヒマワリ

 日は過ぎて深夜2の赤城山……夜になり、道は暗くなって消えていた。

 暗闇の道に1台の緑の車、SW20型MR2が走ってくる。

 その車はダウンヒルスタート地点前の駐車場に停車した。車から緑髪の女の子、葛西ヒマワリが降りる。

 ここの駐車場には2人の不良な男がいる。

 1人は赤髪のモヒカンで、もう1人は青髪のリーゼントだ。

 ヒマワリは車から降りてすぐ、2人の不良に会う。

「おい、中学生ッ! 無免許で車を運転すんなァ! ヴォケェッ!」

「ちっ、オレは不良じゃあねーよォォッ! オレは葛西ヒマワリ、年齢はドライバー歴2ヶ月の18歳だッ!」

 不良はヒマワリを見て、中学生の女の子と間違える。

「じゃあ免許をだせ」

「いやだよ」

「おらァーッ! 免許を出せェーッ!」

 しつこく免許を出せと迫る。

「おらァーッ! 免許を出せッ! 速くしないとお前の車を蹴るぞォーッ!」

「やめたげてよォーッ! これはオレの大事な物なんだァッ! 渡せねーよォーッ!」

「さっさと出せよッ! キ●リ女ッ! 速く出せよ、オイッ!」

「オレのことをなんて言ったァ!」

 不良の言葉にヒマワリが反応した。

 ヒマワリが怒りだしたのだ。

「オレのことをジュ●トルって言うなッ!」

「はァ!? 言っている意味わかんね?」

「このやろーッ!」

 ヒマワリがモヒカン男を殴るッ!

 殴られたモヒカン男は吹っ飛ばされた。

「痛てェ……なんなんだこの中学生はッ!?」

 ヒマワリのパンチ力は小柄な体系から繰り出すとは思えないほど強い威力だ。

 ヒマワリより身体の大きい不良の男をぶっ飛ばしたから分かることさ。

「このやろうッ! オレが殴ってやるゥーッ!」

 殴られてないほうのリーゼント男がヒマワリに殴りかかるが、

「ヤァーッ!」

「うはッ!」

 返り討ちにあった。

「くそォ……強い──ッ!」

「今度オレを免許だせと迫るなよッ! 今度したら病院送りにするほど殴ってやるからなッ!」

 と言うとヒマワリは自分の車に乗って、駐車場(ここ)を去っていった。

「あの小娘──痛ててててェ……俺たちを殴ったことを後悔しろよ……」

 ヒマワリに殴られた不良たちは立ち上がれないほどの重い身体にされてしまった。


 夜が明けて時間は過ぎて朝9時。

 今日は5月5日のこどもの日だ。

「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことが趣旨である。1948年に制定され、ゴールデンウイークを構成する日の一つだ。

 こどもの日とは男の子の節句を祝う日であり、男子の健やかな成長を願う行事が行われていた。また、大正時代ではこの日になると「児童愛護デー」として活動していた団体が存在した。


 朝9時の赤城山には2台の車が登っていく。

 先頭が銀色のR35型GT-Rで、後ろを走っているのがオレンジのC33型ローレルだ。

 銀色のGT-Rに乗っているのは運転手に智、助手席には翔子が座っている。

 オレンジ色のC33には運転手に熊九保、助手席に小鳥遊、後部座席に川畑が座っている。普段C33の後部座席は軽量化のために取り外されているが、今回は取り付けられている。

「今日のドライブ楽しみですね」

「そうだな」

 今日は休日。2組2台の車はドライブに行っているようだ。

「勝手に行くじゃあないで」

「はいはい、智さんについて行くよッ!」

 熊九保のC33は智のR35に着いていく。

 

 赤城山を登っていけば山頂の赤城神社に着いた。

 乗車していた人たちが降りる。

「着いたぞ、赤城神社に着いたぞ」

「うわー赤城神社の周りは綺麗な景色ですね」

 翔子たちの目には赤城神社の景色が広がる。

 ここぞ日本といえる景色だ。

「まるで和風だね」

「そうですね、大崎さん」

 5人は赤城神社の橋を渡る。

「橋から見る川の景色も綺麗だね、くにちゃん泳いでみたいよ」

「だめやでくに、神様罰が当たるかもしれんで」

 赤城神社の橋に流れる川を見ていた。


「人それぞれ嫌いがあるからな」

 R35に乗る2人もそれを見ていた。

「大崎は嫌いな車ってあるのか?」

「嫌いな車はありません。けど、苦手な車はあります──日産のパ、パル……」

「言えないなら私が言う。日産のパルサーだろ」

「はいそうです。パルサーが苦手です」

 ティアナを煽る熊九保C33を見て、智は翔子に嫌いな車について聞く。

 嫌いな車ではなく、苦手な車だと言って、翔子は日産のパルサーと答えた。

「栃木にもみじラインにいたあのパルサーGTI-R乗りの鮎川(あゆかわ)美良乃(みらの)にワンエイティのエンジン盗まれたというトラウマで苦手になったんたことはわかる。今はその話は過去の話。私が変わりに搭載させたRB26は気に入っているのか?」

「気に入っています。音は最高だし、走りもいいですよ」

 盗まれたSR20に変わり、智が代わりに持ってきたRB26について、翔子は気に入っているそうだ。

「このエンジンは結構高いエンジンだ。また盗まれないように大事にしてほしいぞ」

 現在積まれているRB26はまた盗まれないように大事にしてほしいものだ。


 しばらく走るとサービスエリアに着く。

「もう12時か。昼ご飯にしよう」

「そうですね」

 もうお昼、昼飯を食べて言い頃だ。

 5人はサービスエリア内のレストランに入る。

「いらっしゃいませ」

「ラーメン5人分ください」

「かしこまりました」

 5人はラーメンを注文した。

 注文した後はテーブルに座って待つことにする。

「あれ、大崎さんじゃあない?」

「あの人、葛西サクラさんの妹を倒した人だよな」

 隣に座るカップルが会話をしていた。

 翔子について話している。

「おれについて話していますよ」

「気にするな」

 この話は翔子の耳に聞こえていたらしい。

「けど、大崎さんは葛西三姉妹で後1人戦っていないよね。たしか緑色の女の子だったよね?」

「ああ、真ん中の子だろ。名前はヒマワリ。トヨタのSW20型MR2に乗っている女の子らしいよ。長女のサクラさんは大崎さんに負け、三女のモミジも最近負けたばっかりだよな。次女のヒマワリは大崎さんとバトルしたことがない、ヒマワリは大崎さんに勝負してほしいよなァ」

 現在三姉妹で唯一翔子とバトルしていないのは次女のヒマワリだ。

 カップルはそれを話している。

「お姉さんが負けたからヒマワリも負けるんじゃあないの?」

「いやいや、ヒマワリは勝つと思うよ。ヒマワリの愛車の駆動方式はお姉さんと妹、大崎さんの車と違ってMRだし、MRはF1マシンやCカーレースで採用されている駆動方式。このMRによってお姉さんのJZA80よりパワーは劣るのに加速がいいんだよ!」

「そうなのッ!」

 話すうちに熱くなっているようだ。

 一方の翔子たちは注文したラーメンがテーブルに置かれ、食べ始める。

 ラーメンが置かれたのに関わらず食べなかった、智が話を始めた。

「あのカップルを見て話がしたくなった。葛西三姉妹の次女ヒマワリについて話をしよう」

 話を始めると食べている人翔子とRB20三人衆のお箸が止まる。

「ヒマワリはほかの姉妹と性格が違って、破天荒で乱暴かつ、お調子者な性格をしている。しかし、バトルではほかの姉妹同様に冷静な判断も得意だ。愛車はミッドシップのSW20型MR2。ミッドシップに乗っているから、ミッドシップには相当詳しいようだ。必殺技はこの前<Earth・Wind・Fire>の多田戦で使った<オーバー・ザ・レインボウ>だ。この技はアウト・イン・アウトと追い抜き、ブロックを組み合わた技だ。追い抜きしなくても使えるのだが……。125km/hで以上でコーナーを攻めると同時にブロックしている相手のブロックを貫通する技だ」

「結構強い技ですね。<オーバー・ロード>と変わりません。多田を倒しただけすごいです」

 <オーバー・ザ・レインボウ>も強力だ。

 この技で<Earth・Wind・Fire>の多田を倒している。

 話が終わると再びラーメンを食べだした。

 ラーメンを食べ終えるとサービスエリアを5人は出る。

「なぁなぁ、くに?」

「なんなの川畑はん?」

 出ると同時に川畑は小鳥遊に話しかける。

「あんたのことが好きだったんや!」

「ファッ!?」

 突然告白をしてしまった。

 しかも演技には見えず、棒読みではなく、自然な喋り方だった。

「あれは冗談や。うちが本当に言うことは今夜赤城山へ行けへん? うちはA31持ってくるから、くにはHCR32を持ってきてや」

「うん、行くよ(あの告白演技に見えなかったし、迫真だったよ)」

 川畑は小鳥遊を今夜赤城山に誘うようだ。

 川畑の告白は迫真だったので小鳥遊はビックリしてしまった。

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